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一世一代の命を懸けた出産の記録

広範囲の胎動を感じながら、お腹にいる我が子に想いを馳せる日々。
里帰り出産の為の帰省も終わり、正産期に入った37週。
着実にその時を待っていた。

前回の話はこちら。

実家での上げ膳据え膳に感謝しつつ、1ヶ月程が経った明け方。

その時は来た。

※長文です。
 生々しい表現がありますご注意ください。



6:00頃 布団の上で異変を感じる(感じたことのない痛み?ブチンとした感覚?)

7:30頃 トイレに行きドロっと経血のようなものが出たのでナプキンをする
これが"おしるし"なのか...?と思ったが、量が多い気がする。
その後も確実に水っぽいものと一緒に鮮血が度々出る。
うーーーん。
これは電話で聞いたほうがいいやつだと判断。

9:00頃 産院へ念のため連絡
お電話だけだと判断出来ない感じですね...
いつ頃来院出来そうですか?と言われ病院へ。

10:00頃 診察→入院となる

この時の入院になるかどうかの内診がめちゃくちゃ痛くて、脂汗なんだか冷や汗なんだか汗だくになった。
「痛いーーーー」と我慢が出来ず声が出て
思わずお尻が浮いてしまったが
助産師さんに
「赤ちゃんはこの指よりもっと大きいよ!!」
と言われてしまった。
そうだけどさ、痛いのは痛いのよ。

内診の結果
陣痛が始まる前の破水"前期破水"
卵膜のどこか一部に小さな穴が開き、羊水が少しずつ流出している状態の"高位破水"
とのことだった。


その後度々羊水と血が出る


入院直後 お昼を悠長に食べていたが
この時、陣痛がない状態での血圧が140近くで高く帝王切開の可能性を示唆される。

破水しているので時間が経つにつれ赤ちゃんに感染のリスクがある、遅くとも明日には陣痛誘発剤を投与してでも出してあげないといけない。
旦那さんの立ち会いを希望しているのであれば、今日中にこちらに来てもらわないと間に合わない可能性があるとのことだった。

夫に連絡をし、夕方には私の実家へ到着した。
こちらへ向かっている最中も、夫は私の緊張を和らげようと何気ないLINEをずっとしてくれて、
夫のこういう所優しいよなぁとしみじみ思う。


22:00 就寝 ノンストレステストはOK お腹の子は元気そのもの お腹の張りは収まっている
明日に向けて寝ましょうと言われる。


1:00頃 いよいよ出産か...と緊張もしているし、永遠掛かっているソフロロジーBGMが気になって眠れない。その後薄ら記憶が遠のき寝たと思われる。

2:00頃 不定期な痛みで起きる。まだ耐えられる

3:30頃 はっきりとした間隔の痛みに変わる。10分間隔を切る

5:00頃 5.6分間隔になる。ちょっと話せないかもという痛みレベルになる

朝の血圧次第で帝王切開になるか決まると言われていたが
7:00時点での血圧クリア

7:30から陣痛誘発剤の点滴投与開始
お腹の痛みはまだ下腹部辺り

9:00に来た夫と話しながら途中で陣痛が来て話せなくなるを繰り返す(呼吸法がまだ有効)

内診結果、子宮口は驚愕の3cm うそでしょ

10:30頃から夫と意思疎通が出来なくなる、反応を返せなくなる

11:00頃から2分間隔 もう会話なんてできないので頷くことくらいしか出来ない

12:30頃から子宮口7.8cmでまだ全開ではないことが信じられない。ギリギリ呼吸法で凌ぐ
内診はまだ痛かった
でも、予想より開いてくれてたからすごいよ!この調子!と慰めてもらう。嬉しい。

トイレに行けないほどの速さで陣痛が来るため昼食取れず夫が代わりに食べ、私はウィダーインゼリーを陣痛の合間に飲む

腰がどんどん痛くなってくる
体勢のせいなのか、痛くない時間帯なんてない状態が続き助産師さんに助けを求める

14:00頃 もう本当にめちゃくちゃ痛い。うんちが出そうな感覚になる。内診なんてグリグリされても全然痛くないくらいになる。
内診すると「子宮口が全開になっているが頭が少し傾いている」とのことで、四つん這いになって旋回を促そうとする

トイレに行けないので管を入れ尿を出してもらう

赤ちゃんの心拍エラーが出て苦しんでるというのが2回ほどあり緊迫した空気になる

酸素マスクを付けられ、鼻から深呼吸をするよう強く言われる
痛いお腹に器具を当てられさらに痛いが心音が聞こえないとの事でグリグリ押される

心拍がもどり、いきんでいいよ!と言われ肛門を塞いでもらいながら何度もいきむ。

いきむ力が足りないといわれる

声を出していいと言われうんちが出る覚悟で力を込める

吐きそうになる

陣痛の波が過ぎると睡魔が襲ってくるので意識が遠のく。

波が来て起きる

吐きそうになりながら何度もいきむ

いきむが全然降りてこない
色んな向きで試してみる
その都度血圧を測る

産道からめちゃくちゃ少しずつしか降りてこない

母体の血圧が高くなりすぎたら即帝王切開へ切り替えるギリギリのところを進む

130台をキープし、何度もMAXの陣痛を迎える

16:00頃 分娩台に乗った方がいきみやすいだろうという事で分娩台へ
何度か陣痛を迎えいきむがやはり降りてこない

先生登場

2人掛かりになる

さらに2人助産師さんが増え、私に声を出さずに力をここに集めてという人、息を吐いたらすぐ吸ってまたいきんでという人がついた。

次1番痛い時にいきんでねと先生

麻酔をして会陰を切開しますと言って素早く処置

私の呼吸の様子を見てみんなが合わせて動いてくれる

何か肛門の方をグリグリされているがまだ出てこない
先生たちがバタバタしている

何度か波が来てその度に戻ってきて補助してくれる
もっと足に力入れてここに集中して!と先生

次で最後だと思って1番痛いところでね!いきんでね!と先生

遂に終わりが来ると希望の光が見える
陣痛の波がピークの時にいきむ

頭の血管が切れるかと思うほど
顔が真っ赤になっているのが自覚できるほど
目を閉じずにただひたすらにいきんだ

が、まだ出てこない

最後って言ったじゃん!!!!!!!と思いながらもう一度!という先生の声で波を待つ

人生で1番力を使ったと思うほど、太ももを持った手に力を入れいきんだ

私のお腹を上から押してくれる人、声掛けで援護してくれる人、頭を後ろから支えてくれる夫、鉗子で我が子を取り出してくれた先生、出口を広げ続けてくれた人


"ぬっぽ" と出てくる感覚があった


皆んな力を貸してくれたお陰で、狭い狭い出口から出てくることができた我が子だった

元気に我が子が泣いている

みんなが安堵しているのがわかる

おめでとうございますと言ってくれている

ありがとうございますを何度も繰り返す私

我が子が胸元に来る
想像よりも重い。命の重みを感じる。

夫が涙目だった
"本当にめちゃくちゃ頑張ったよ"
"一生頭が上がらない"  と手を握る夫

写真を連写でたくさん撮ってくれる助産師さん

パパはこちらにどうぞと我が子と夫が別室へ行った

我が子の処置に行く方達
私の処置に残る先生達
放心状態の私
終わったんだとただ呆然とする

胎盤を取り、臍帯血の処置をしてくれ、子宮の診察をしますねとグリグリ結構長かった

お尻の方も診ますねと念入りにチェックして
麻酔を追加してこれからおキズの処置しますねと2.30分くらい縫っていた
長くて怖くて詳しくは聞けなかった

時折痛いと訴えて助産師さんがなだめにきてくれた

よく覚えていないが、産んだ後の処置がかなり長かったしそれもかなり痛かった。

終わった後先生が横に来て本当にお疲れ様でしたと声を掛けてくれた。

ただただ ありがとうございましたと連呼するしか出来なかった。



会陰切開の他に、肛門の方まで切ることになったこと
縫合したところの治りが遅くなってしまうので尿道に管を入れる事
娩出するため鉗子分娩という方法になったこと
器具を入れるのに子宮内に傷が付いてしまったこと
母体の骨盤が子に対して小さかった可能性
骨盤内の筋肉の伸びが伸びきれなかった可能性
陣痛時の血圧が150超えたら即帝王切開にするようみんながスタンバっていてくれた事
出血もかなり多かったこと

出産を終えて、あの瞬間に起きていた色んな事を教えてもらった。

私はあの時自分の事で精一杯だった。

たくさんの人のお陰でこの子を産む事ができたし、私は今を生きられているんだなと。

出産は命懸けだと常々思っていたけれど、やっぱりそうだった。


術後の傷口がやっと落ち着いてきている今

ぺったんこに近付いている私のお腹をさすりながら

我が子の寝顔を見て、いつも産院の皆さんを思い出す。

本当にありがとうございました。

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