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猪熊弦一郎現代美術館/香川丸亀の旅


こんにちは。平日まじめに会社員として働くびびあん・すーさんが、休日に息抜き、感性磨きのために体験・経験したことを記録していきます。

2023年の夏休みに香川県高松&丸亀に行ってきました。
目的はイサムノグチの庭園美術館と猪熊弦一郎現代美術館に行くこと。
(イサムノグチは前回の記事へ▼)

香川県高松生まれ、丸亀育ちの猪熊弦一郎の美術館
猪熊弦一郎現代美術館の話。

猪熊さんと言えば三越デパートの包装紙をデザインした人。
丸みのある赤い石を散らばせたシンプルなデザイン。
そのデザインにアンパンマンの作者やなせたかしさんが「Mitsukoshi」のロゴを書き加え、三越の包装紙が誕生したとか。
猪熊さんは私たちの身近にいる。
ということに今回の旅でも気づかされることになります。


丸亀市 曇りの猪熊弦一郎現代美術館

高松駅からJR伊予線に乗車し、およそ30分で丸亀駅に到着。
駅おりてすぐ美術館はあります。
Googleマップはいらない。
丸亀駅にいけばわかると友人に言われていましたが、たしかにどーんってあるのですぐわかります。

外観からTHE現代美術館。
ここで古典作品を展示していますとはならない笑

落書きのような壁画

このインパクトある白と黒で構成された壁画は「創造の広場」というタイトル。これも猪熊弦一郎自ら手掛けた作品。
子どもが描いたようにもみえるこの作品、
良く近くで見てみると描いたのではなく、彫っていることがわかります。
彫って顔料を塗っているそうです。
早く館内に入りたい気持ちもあるけれど、入口前から楽しませてくれます。

こういった作品を見ていると、猪熊さん個性的な絵の人だね、
となりますがめちゃくちゃ絵がうまい人なのです。
芸大時代の作品は写実的な絵。
それが徐々に抽象画になっていきます。
アンリ・マティスを師事し、マティスにお前の絵はうますぎると言われ、自分らしい表現を模索していきました。

館内の作品はマティスやピカソに似てるな・・・という作品もありました。絵と向き合い自分らしい表現と格闘し、徐々に猪熊さんの作品になっていく様子がみれます。

JR上野駅の壁画

そしてJR上野駅の中央口の壁画になった作品です。
えーーー。壁画なんてあったっけ?
渋谷駅の岡本太郎さんの絵はよく覚えているのに、上野駅の壁画は記憶が全くない。。
ひょっとして日常に溶け込んでいるからかな。
岡本太郎さんの作品は色合いも見た目も強烈。
刺激的な作品だけど、猪熊さんの作品は日常に溶け込む作品なんだな。と気づきます。

三越の包装紙といい、上野駅の壁画といい、
そうかそうかと勝手に納得。

この壁画は終戦直後1951年に上野駅に設置されます。
作品名は「自由」。
戦後間もないから今の日本とは違います。
自由とは程遠い、上野駅周辺だってまだまだ戦争の傷が残る時代だったに違いありません。
この時代に「自由」という作品を作る意味。
絵の左側にスキーヤー、右側に木こり、中央に大きな魚を持っている人
働く女性たち、東北のイメージをちりばめた作品。
貧しい時代に自由を訴える作品。
当時の上野駅を訪れた人たちにはこの作品がどのように映ったのかも気になります。

良い時間を過ごせました。
これだけで高松まで来てよかったと思えるくらい良い美術館です。
建物も素敵です。
今度じっくり上野駅中央口の壁画をみてみよう。



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