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【02.楽しみながらチャレンジ】

 vol.023渡辺さんの未公開分インタビュー。YouTuberとしてさまざまなことにチャレンジする渡辺さん。そのチャレンジは幅広く「ひとりの人が、こんなにいろいろなことに興味を持てるものかな?」と、見ているこちらが驚くほどです。それらはもちろん晴眼者が行うものとは違うやり方で行うものばかりですが、やって見て感じるのはどんな気持ちなんでしょうか。


g:最近はRETISSA NEOVIEWER(※)を使った写真撮影を楽しんでいる他、美術館や博物館にも行くそうですけど、何でも自分の見え方なりに楽しめる、ということなんですね。

渡辺:そうですね、自分なりの見え方で楽しんでいます。徳島の大塚美術館は展示がレプリカ作品なので全て撮影できるから、スマホで撮って、拡大して見ていました。RETISSA NEOVIEWERはカメラキットなので、美術館では使えないんですよね。

g:基本的に展示の撮影を禁止している美術館が主ですけど、中には撮影を許可している美術館もありますし、いろいろと楽しめる機会が増えるといいですね。YouTubeではさまざまなことに挑戦していますが、チャレンジしたことの中で、やってみたらイメージが変わったものはありますか?

渡辺:いっぱいあると思いますけど、スキー。思ったより転んだけど、2日間でこんなに滑れるようになるんだって思いました。教えてくれる人がすごいんでしょうけど。ダンスもすごい奥深くて。きっかけ自体は人からの声かけで参加したんですけど、やってみて最初は「あ、思ったより踊れる」と思ったんですけど、続けるうちに「自分が踊ってるのはほんとにダンスと言えるものなのか」と思えてきて。ただ足を動かしているだけじゃなくて 「もっと美しく見せるにはこういうものも必要なんだろうな」と考えたり、まだまだだなと思います。

g:やってみたからこその感情ですね。

渡辺:最初は全く踊れない状態だから、ちょっと回れただけで「できた」という満足感を得られていました。でもそこを過ぎるとやればやるほど難しさを感じて、それが面白いなって。今は社交ダンスを習ってるんですけど、社交ダンスって実は全然視力を必要としないというか、パートナーを感じて、いかに美しく見せるかというスポーツなんです。見え方もあるし運動神経も悪いので、自分がいろんなスポーツをできるってあまり思ってなかったんですけど、踊ること、自由に体を動かせることがすごく楽しくて。見せるには恥ずかしいレベルだけど、楽しくやっています。

g:社交ダンスは結構激しく身体を動かしますよね。種目は何を?

渡辺:今は基本のもので、ルンバとワルツを。すごく楽しいです。理学療法士の資格を持っているので、いかに身体を使うかとか、こういう身体の使い方をしたらここの負担が少なくなるんだ、という感じに自分の中で理解していくのもすごく楽しくて。

g:面白いアプローチですね。渡辺さんならではのものなのかな。

渡辺:身体より頭を使う方が、自分にとっては楽なので(笑)。 この筋肉を使えばここが動くようになるとか考えるのが面白くて。知識で踊っているんです(笑)。

g:YouTubeきっかけで新しいことにチャレンジして、いろいろな可能性が広がったようですね。

渡辺:お料理とかもそうですね。今までも多少はやっていたんですけど本格的にはやっていなくて。 「見えづらくてもお料理できる」と発信したくて動画にしたんですけど、お好み焼きがバラバラになっちゃって(笑)。でももうちょっとうまくなりたいなと思いますし、純粋に自分が満足できるものを作りたい気持ちもあって、お料理するようにしています。美味しいものが作れた時の満足感が確実に上がっているし、動画にすること以上のモチベーションも私の中にはありますね。


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今回はここまで。
次回は渡辺さんが楽しんでいる、さまざまなチャレンジについて。

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