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「アットホームな会社です」は求人広告に於いて地雷ワードなのか


こんにちは!

少し前からSNSなんかでこのワードを目にするようになりました。

求人広告に於いて
「アットホームな会社です」は地雷ワード



求人広告の営業をやっていた
自分の経験からいうと、

このワード、
たしかに地雷ではあります。

ただし、
偏見も多分に含まれている気がします。

経験も含めてちょっと振り返ってみたので考察を!


このワード、
表現が曖昧なので便利に使いやすい。

アットホームなんてものは
人によって感じ方が違うものですから。


もちろん、
本当に和やかで
一般的な想像通りのアットホームさを兼ね備えた雰囲気の会社もある

でも次第に、
特徴を把握しきれずに
何を書いてよいかわからない場合にも
使われるようになってきた。

だって、無難で使いやすいから。


どういう事かと言いますと、


基本的には求人の広告原稿は
求人広告を発行しているメーカーや
代理店側がつくる事が多い。

出稿している会社側がつくっているのではない。

会社側はチェックして、
表現や条件に不備がないか確認しているだけにすぎない。


求人広告支援の会社側が、
クライアントに取材して
その内容を元に原稿をつくる。


どんな会社か
どんな人が欲しいのか
どんな条件で募集したいのか
広く浅く募集したいのか、深く狭く募集したいのか

この辺を取材ですり合わせる。


そして、
どこをメインコンセプトに据えるのかを決定し、
原稿を作成する。


ところがここで問題なのが、
この作業、
専門の人材がやっている場合はほとんどない。

いわゆる取材や文章表現に長けている
ライターなんてものはほとんどの場合に在籍していないからだ。


求人広告の会社側の営業担当が
ひとりでほとんど行う。

文字に起こす事務員的な人材はいるが、
構成の骨組みは営業本人が行う。

ここが問題で、
かなり力量の差が出る。

営業担当者は恐ろしいほどに忙しい。

新規営業、既存営業、取材、撮影、ライティングまでを
ほとんどの場合、担当ひとりで行っているからだ。

もちろん営業マンそれぞれにとって
得意な部分と不得意な部分があるわけなので、
やっぱり手を抜くところは手を抜くことになる。

それが顕著に表られるのが、原稿作成。

綿密に取材をし、
打ち合わせをし、
方向性をすり合わせる

なんてことはほとんどの場合行われない。
出稿額にボリュームがるクライントの場合くらいだ。

時間もないので、
クライアント側も面倒くさがることが多い。

そこで、
ざっと取材をしたら、パパっと原稿に起こすわけなのだが、

ほとんどの場合取材が甘い。
掘り起こして聞くことはしない。

ざっと聞いた段階で、
業務内容や制度や待遇に特徴のある会社は良い。

しかし
特に特徴のない会社の場合や、
違った方向に特徴がありすぎて
そのままでは書けません。
と言う会社も多数。。

ここで使いやすいのが、
曖昧でどの会社にも当てはまりやすいパワーワード

・アットホームで働きやすい環境です
・実績を正当評価する会社です
・オンオフのメリハリは大切にします

この辺りだ。

今考えると当たり前の事ばかりで、
なんでこれがキャッチコピーになっていたのかすら不思議だ。笑


ようするに、
どこの会社にも当てはまるので
原稿の手を抜きたい時に多用していたワードである。

故に、
ブラック企業の場合でもそうなのだが、
ただただ特徴のない会社の場合でも使われていた。

そういう意味では地雷ワードではあるが、
ブラック企業独特のワードと言う意味とは
少し違っていたのかもしれない


そして、

時代は変わり、

それまではそこそこ人気のあった
「大変だけど稼げます!」というコンセプトの
いわゆる体育会系営業会社の求人が集まりずらくなってきた。

今でいうブラック企業を敬遠する傾向の始まりである。

それまでは、

・頑張り次第でいくらでも稼げます!
・最短3ヶ月で幹部になった新人もいますよ
・オンにどれだけ頑張れたかが、オフの質を決める

このあたりのワードは、
学歴はないが稼ぎたい意欲の強い若者に人気だった。

そして、時代が変わり、
そういう働き方が敬遠され始めると
本質はそうでも、
オープンにしなくなっていった。

今までは
「稼げます!」で、
一転突破のブランディングをしていた会社たちが
それをアピールできなくなってきた。


すると
営業担当も募集アピールに描くことがなくなって、
次第に体育会系な事、そのものを隠しだす。

そして、多用し始めます。

どの会社でも使える
マジックワード「アットホームな会社です」

原稿をつくっている側からすると
こんな便利なワードないですからね。

「家みたいな会社です」

よく考えると
実際は家にもいろいろあるんですけどね。。。笑

この流れで
「アットホームな会社です」=「ブラック企業」
というイメージが固定化されていきました。

要するに

「ブラック企業が使っているワード」

と言うのも間違えではないんですが

おそらくは

「書く事、アピールする事がない会社が使っているワード」

と言った方が正しい気がしています。

そして、多用されていくうちに
なんの魅力も感じない、
地雷ワードにまで成り下がってしまった印象です。

もちろん
本当に和やかで温かい家庭的雰囲気のある会社も
使っていると思います。

しかし、

掲載予算のあるゴリゴリの営業会社が
目立つ原稿で使う事によって、

アットホームはアットホームでも、
やさしいほわんとしたイメージから
バチバチの教育一家のイメージに
かわってきたものだと思われます。



この考察は

仕事を離れたからこそ、
業界を客観視できたからこそ、
至った考え方だと思っています。

もちろん最近では、
取材の技術、
キャッチコピーの技術、
ライティングの技術などの情報が
いろいろと発信されているので、
あからさまな地雷ワードや
曖昧な表現のワードも
減ってきているのではないかと思います。

私はメディアへの出稿という仕事からは離れましたが、

採用活動の支援をするという意味では
まだまだできることがあるのではないか
頑張っていけるのではないかと思っています。


良い経験も、
悪い経験も、
業界の良い習慣も、
ダメな習慣も、

全部ひっくるめて、
最善の撮影・取材・ストーリーを提案しています。

フォームからどんなことでも気軽にご相談ください

では、また次回!


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