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ジブリの新作「君たちはどう生きるか」を観て一日が経った

漠然ととても素敵なものを観た不思議な余韻が残っている。

観終わった直後は正直に言って、それほど面白くはなかったと感じた。だが、この作品は好きかどうかで判断する作品なのかもしれないと思うようになっている。

自分にとって大好きなシーン、大好きな世界観、大好きな演出が本作には多くあり、それは同時に宮崎駿自身が大好きなもののオマージュであり、一本の作品としての一貫性よりも、そこにこめられた熱を優先し、詰め込まれたもののように感じられた。

それは「王と鳥」であり、おすすめの児童文学だと公言している「チポリーノの冒険」の絵柄であり、「不思議の国のアリス」であり、もちろん「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」といった過去の宮崎アニメからのリファレンスでもある。

宮崎駿の最後になるのかもしれない作品で、今までの自分の作品たちを肯定して見せて、好きなものを愛せよ。醜く綺麗なまま、胸を張って生きろ。と言われたような気がして、やっぱり宮崎駿は最高のクリエーターだな

蛇足.プロモーションについて

公開から2日でTwitterやネットニュースで多くの感想と情報公開がなされ、ある程度どんな作品なのか知れるようになっている。

初日初回は、徹底した緘口令とゼロプロモーションによって、完全に白紙の状態でスタジオジブリを観れる貴重な機会となった。思い切りその手法に乗っかって観に行ったが、考えてみるとそんな風に観た作品はいくらもあるし、実際目新しいワクワクはあまりなかった。

観たことないようなクリエイティブ(例えばアバター2やスパイダーバース)でされたなら胸の高鳴りは凄まじいものだったかも。いや、散々プロモーションされていても、その衝撃はいくらも変わらないのかもしれない。

再現性は全くないけど、秀逸なネタとして終わらずに、細かいポイントポイントでやらなければ見えなかったことが今後明らかになるのを願うばかり。

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