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竹内結子と「いま、会いにゆきます」と。


大変、残念なニュースが入ってきました。

女優の竹内結子さんが死去したことが27日、分かった。40歳だった。同日未明、都内の自宅でぐったりしている竹内さんを夫で俳優の中林大樹(35)が発見し、119番通報。その後、搬送先の病院で死亡が確認された。自殺の可能性もあることから、警視庁が慎重に調べている。


「若すぎる」ということはもちろんですが、私は彼女が好きだったんですね。

ドラマは見ないので、そちらの思い出はないのですが、「ゴールデンスランバー」の主人公の元カノ役としての天然気味な感じとその献身さや、「サイドカーに犬」のぶっ飛び気味だけど、どこかに悲しみを湛えた感じや、「大空港」での不幸でお節介で憎めないキャラだったりは、とても素敵でしたね。

でね、私が彼女を女優として本当に好きなのは、「いま、会いにゆきます」という名作を残してくれたということに尽きます。



私が45年間の人生において、映画館に2回見に行った作品は、「ゼロ・グラビティ」と「いま、会いにゆきます」の2作品だけなわけですが、「映画館で見て最も泣いた作品」という意味でも、私の中では最高レベルに好きな映画です。

もう、16年も前の作品なので、見たことがない人も多いかとは思いますが、

・出てくる街や森、湖、祭り等の映像の美しさ
・オレンジレンジの主題歌含む音楽の美しさ
・雨の季節という短い期間が持つファンタジー感
・子役の子の演技の完璧性
・やさしい人ばかり出てくる
・現在から過去に戻った時の伏線回収具合
・主人公2人と、高校生時代の子役に違和感がない
・自分がいなくなった後の親としてのアレコレが切ない
・切ない
・マジ切ない
・マジ切なすぎる・・・(ToT)

なんていう素敵過ぎる要素が満載なわけですが、中村獅童の素晴らしい演技と共に、竹内結子でなければ成立しないであろう、あふれるほどの魅力が、映画の最初から最後まで完璧に出ていた映画なわけですね。

大学生だった時、真実を知った時、親である時で、全く違う側面を出しています。同じ人間であるので、「人格が変わる」っていうようなことはないんですが、心理状態の変化によって、演技も明確に変わるというその素晴らしい演技力。

「言葉に魂が乗っている」ってことがリアルにわかるほど、本当に言葉の1つ1つに魂が乗っている感じでした。

特に終盤の表情も言葉も、その声の抑揚も微笑みも、眼差しの柔らかさも、「美人だから」で片付けられるものでは全くない、女優としての、演技としての素晴らしい魅力をこれでもかってくらいに示してくれていましたね。


今、この文章を書きながら、ふと、1つため息をついてみて、「ああそっか。竹内結子は死んじゃったんか。」ってことを改めて思うと、とても切ない空しさが胸を重くしますが、私がしょっちゅう見ているDVDの世界では、いつまでもそこにいてくれるわけですね。

多分、この先も変わることなく、「大好きな女優さん」であるし、「いま、会いにゆきます」が私の見た映画史上、トップランクに好きな作品であり続けることも間違いないでしょう。

竹内結子が、「いま、会いにゆきます」で最後に言った言葉を書きたいわけですが、口の中でつぶやくだけにしておきます。

悲しいです。

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