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《第1話》母親を許せない女性の話

あなたは親に完璧さを求めますか?

それとも親は未熟のままでもいいと思いますか?

どちらかというと僕は過去、『親はこうあるべき』とか『親は完璧でなければいけない』という固定観念があり、そこに憤りを感じていたタイプでした。

引きこもりだったときも、親に完璧さを求めて、自分を100%理解してくれないことに嘆いていたり…。

今思えば当時は周りに比較対象がいなかったり、恵まれていることを自覚するほどの心の余裕がなかっただけなんですが、

『世の中には完璧な親もいるんじゃないか?』とふと疑問が出たので、それを師匠のKさんに聞いてみました。

👇師匠Kさんとの会話👇

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僕:
Kさん、僕は今でこそ親に恵まれているなぁと思えましたし、引きこもりのときは「もっと僕を理解してくれよ!」と嘆いていたことを思い出したんですけど、完璧な親っているんでしょうか?

Kさん:
誰でも完璧な人っていないよね。完璧というのは自分がどう思うかであって相対的なものじゃない。誰かと比べた瞬間から、完璧ではなくなってしまうんだよ。

そもそも完璧さを求める先が自分の成果だったり、親だったり、社会だったり…に求めても叶わないよね?

社会のシステムとか政治とか親とか社会とか自分の結果に完璧さを求めると、辛くて大変なことになる。

わかりにくいと思うから過去に僕のところに来たクライアントの話をするね。

常に僕はセッションの内容は守秘義務があるので、動画で言っている内容はクライアントに許可を取っている内容しか言ってないからね。

「参考になるから名前とか出さないし特定できないようにするから、人に話していいですか?」と言ってるんだけど、そういったところで言うと…

1人、お母さんをどうしても許せないという人がいてさ。
主婦の人で。もう40歳すぎかなぁ。
小さい頃からお母さんに虐待されたんだよ。

🧔「どうして許せないと思うんですか?」と聞いてみたんだよね…。

【母親を許せない女性の話】

👩私、小さい頃、母が普段から遊んでくれたりとか褒めてくれたりとか、そういう関わりが一切なかったんです。でも、私が何か失敗したときだけ私を捕まえてお尻をバシンバシンと叩くんです。「痛いよ痛いよー!お母さん痛いよー!」と言ってもバシバシ叩くんです。

普段は遊んでくれたりとか褒めてくれたりとかしないのに、唯一接点があったのは怒られるときだけだったので、段々寂しくなって、「お母さんが怒るようなことないかな?」と探すようになったんです。

わざと何かひっくり返したりしてわざとお母さんに怒られるようなことをして…。

だから、私がやらかしては母はまた私を捕まえてお尻をめくって棒で叩くんです。

でも、私は「痛いよ。痛いよ。」と思いながらもその時しかお母さんを感じることができないので、段々私もおかしくなったんです。そしてわざとお母さんに怒られるようなことを探すことを繰り返してきました。

でも段々大人になって月日が経って学校も出て結婚もして嫁いだんです。子供が2人できて、ちょうどちっちゃい頃で、言うこと聞かないで騒ぐような年齢だったんです。

あるとき実家に連れて帰ったら、実家で子供達が走って追いかけっこし始めたので「あなたたち静かにしなさい!」と言ったのに、言うこと聞かないでまだ追いかけっこしてるから、大きい声で「あんたらいい加減にしなさい!静かにしなさいって言ってるでしょ!」と私が怒鳴ったんです。

そしたらそれを見た母親がなんて言ったと思います!?

こーちゃん、この人なんて言ったと思う?その時僕も妄想が働いたんだよね。『なんて言ったと思います?』と聞くからさ、クライアントが僕に。

すごい想像しちゃって(いやぁ、まさかさ…)と思ったけど、そこで黙って

🧔「なんて言ったんですか?」と聞いたら

👩私にこう言ったんですよ。
「〇〇ちゃん(この人の名前)...こんな小さい子たちに一方的に叱ってもわからないよ。もっと優しく言ってあげなさい。」

私ね、それを聞いた瞬間に、イラァっとして
『てめーはどうだったんだよ!てめーが私に何をしたかわかってんのか!』
と思って、本当に憤りがすごくてその日から私は母を許せないんです!

と話してた。どう思う?

そん時、僕がビックリしたのは、まさか…

「そんな叱り方したら生温いわ!棒持ってらっしゃい!」

と言われたらもっと悲劇になるなぁと想像してたの。(これはもう連鎖するわ…)と思って普通に冷静に優しく言ったらしいんだわ。

だから僕はその人に

🧔あぁ…辛かったですね。痛い思いして…。
外国だったらそうやって棒持って叱る人いるかもしれない。でも、いま聞いたところによると、普段コミュニケーションがなくて褒めてくれたり遊んでくれたりとかなくて叱る時だけそうだったと…。

だからあなたも感覚がおかしくなって、その時にしか接点がないからわざと悪いことをして怒られるようなことをして、痛いながらも「お母さん…お母さん…」と唯一そうやって接点を持っていたということは、

どう考えてもおかしくないですか?

僕は、お母さんはその時絶対に心の病だったと思いますよ。僕が今の話で一番恐れたのは、『そんな叱り方じゃ生温いわ!棒持ってらっしゃい!』と言われたと思ったんです。でも、そうじゃなかったですね…。

👩どう思いました?

🧔いや、まともなことを言った、母は。1つ言えることは、お母さん病気治ってますね。心の病が治ってますね。それは良かったですね。もし治ってなかったら『棒持ってらっしゃい!』と言っていたと思いますよ。

あともう一つ。あなたはお母さんが『棒持ってらっしゃい!』という反応の方がよかったですか?それとも心の病が治って今のように『優しく言ってあげないとわからないよ』と言ったお母さんとどっちがいいですか?

もちろん、治ったお母さんの方がよかったと思いますよ。でも、あなたの気持ちわかりますよ。だから余計に自分だけやられ損みたいなところあるじゃないですか。治ってる故に『なんで私だけこんな目にあったんだ!』みたいな。その気持ちはわかるよ。

という話をしたんだけど、どう思う?

僕:
そういえば、僕も「なんで自分だけ?」って思う出来事はありましたね~。

Kさん:
だから、どっちも悲劇だよね。その本人にとっては。

治ってるなら…
「治ってるんかーい!だったら私だけ損したやんけ!」ってなるし

治ってないなら…
それはそれで「まだ治ってないんかーい!孫にもそんな想いをさせるんかい!」となって

どっちもどっちだけど、まだ前者の方がマシや。

どう思う?
自分だけ嫌な想いをしたけど。

僕:
まあ、そうですね。前者の方が連鎖的にならなくてよかったです。

Kさん:
そうだよね。あとね、これはこーちゃんにも言ったと思うんだけど、めちゃくちゃ教育が素晴らしいお母さんの例をあげたんだよね。

その時にそんな素晴らしいお母さんの例をあげるのか?と思うんだけど、あえてその人にその話をしたんよ。27歳の女の子のOLなんだけど、

【素晴らしいお母さんの例】

👧「私は今まで学生のときは先生に叱られたりとかして落ち込んだり傷付いたりしたことがないんです。社会に出て先輩や上司に叱られたり注意を受けても、"私自身は"傷付いたり落ち込んだりしたことがないんです。」

と言ってたんだけど、そんな話聞いたことないし、「それはお母さんのおかげでそういうふうになれた」って言うんだよね。

だから、『どういうことですか?』と聞いたら

👧「実は私小さいときに母が私を叱るときにいつも私をグッと抱きしめてハグしながらこう言ったんです。

=====================
〇〇ちゃん、ママはねあなたのことを今から叱りますよ。でもね、それはあなた自身がダメな子で、あなた自身が良くない子ってわけじゃないんだよ?

あなたの取ったその行動を改めて欲しいから、お母さんは今からあなたを叱るんですよ。

でも、もう一度言うよ?勘違いしないでね。あなたはすごく素晴らしい子であなたのことを愛してるんだよ?

あなた自身のことじゃなくて、あなたの行動を改めて欲しいから私は今からあなたを叱りますよ。
=====================

それを叱る時に毎回言って、叱ってくれたおかげで私は学校の先生に叱られても、それは私自身の指摘ではなくて私の行動に対しての指摘なんだと思えるようになったんです。

だから、社会に出ても私は人に叱られても注意を受けても自分自身が傷付いて落ち込んだりしたことがないんです。」

という話。どう思う?

僕:
恵まれてますね~

Kさん:
そうだよね。ここでいつもその時に聞くことがあるんだけど、

「こんなお母さんに育てられたらそういうふうになるかもね。こんなに十分に上手く育ててくれるお母さんがこの世の中でどれくらいいると思います?100人に1人くらい、いると思います?」

と聞いたらみんな首を横に振るんだよね。今のところ100%1人も「うん」と言ったことがない。

「1000人?」と聞いたら
「う~ん」と悩んで
「それでもいないかな」と言う人がほとんど

どう思う?何人に1人くらいいると思う?

僕:
う~ん。

Kさん:
なかなかいないよね!こんな人。

僕:
なかなかいないですねぇ。
1万人に1人いても奇跡なくらいですね。

Kさん:
まあそうだね。それくらいならおる人がいるかもしれないけど。その後に続けて

🧔1%?いや、0.1%?0.01%もいないわけさ。
だからこんな親に出会えるなんて恵まれているわけさ。

"ほとんどの親はみんな、未熟なんだ。"

だから、お母さん病気治ってよかったね。
許してあげな。

という話をしたんだけど、今の話が完璧じゃない親という話。

この話、どう思う?

僕:
僕も親に完璧さを求めてすごい悲観に思いがちだったんですけど、『そもそもほとんどの親は未熟なんだ』ということを知れるだけでも、かなり救われる想いでしたね…。
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🔻最後に🔻

ここまで読んでいただきありがとうございました。

いかがでしたか?

僕は、親に完璧さを求めて苦しくなっていた時期がだいぶ長かったんですが、今回の話を聞いてこういう視点もあるんだと気づくことが出来ました。

これを読んでいるあなたも何か思うところがあって読まれたと思います。

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次回は、この話の本当のメッセージについてKさんに話していただきました。

この話は『親を許しましょう』というのがメッセージだと僕は思ったんですが…

実は、本当のメッセージがあったのです。


続きも書いていきますので、気になる方はフォローをしてお待ちください!

では、また!!


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