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パワハラにならない部下、同僚への指導の仕方について

■人への信頼を諦めない

上司として、職員さんとの関りについてずっと悩んで来ました。そして今も、その問いは続いています。「どうすればより良くなるのか」と自問自答し続けることこそがリーダーとしての“マネジメント”なんだと思います。

リーダーは諦めてはならないと考えます。諦められた職員は居場所を失い、向き合ってもらえなくなった場合は辞めるか異動するしかありません。

■マネジメントの可能性 マネジメントの追求

自分の部署では全然結果が出ていなかった部下が、違う部署に異動した途端に結果を出せるようになることもあります。上司のマネジメントの違いで、部下が活きる可能性があるのです。

■人間関係へのアプローチ

職場の人間関係の悩みは、仕事において非常に大きな要素であり、職場の人間関係が心身に影響を与える割合が30%以上あるというデータもあります。

では、どのような上司が良いのでしょうか?「厳しい上司」が良いという人もいます。ここでの「厳しさ」とは威圧的で怖い上司ではなく、仕事において「基準が高い上司」のことを指していると思います。

■心理的安全性、仕事の基準

チーム作りにおいては「心理的安全性」「仕事の基準の高さ」が必要と言われております。

「心理的安全性」

①信頼関係がある。

②質問や意見、発言することが出来る。

③助け合うことが出来る。

④挑戦することが出来る。

⑤他者を受け入れることが出来る多様性がある。

「仕事の基準の高さ」

①共有された目標がある。

②規律、ルールがある。

③課題発見、解決が出来る。

④リスク管理が出来る。

⑤学習意欲が高い。

⑥やり抜く実行力がある。

参照 https://zenn.dev/ayumukob/articles/826cf0517237cf

心理的安全性が低いと、職員が辞めるチームになってしまいます。一方、心理的安全性が高くても基準が低ければ、だらしのないチームになってしまいます。理想的なのは、心理的安全性が高く、同時に仕事の基準が高い「学習する職場」を築いていくことです。

■規準の高い職場にする方法

仲が良いことは必要ですが、それだけでは仕事の基準が上がりません。

■目標の大切さ ルール作り

チームでの活動においては、目標がチームの基準となります。基準がないと、注意や指摘もできません。要するに、基準とはルールのことです。ルールがなければ、何が許容範囲であり、何がルール違反なのかが分からず、パワハラの温床となってしまいます。また、目標については全員の同意が必要です。

■フィードバック(注意、指摘、ダメ出し)

フィードバック(注意、指摘)ダメ出しは、成長において非常に有用です。最速で成長したいのであれば、他者からの厳しい指摘を受けることが最も効果的です。

世界的なコンサルティング会社であるマッキンゼーでは、常にダメ出しを受ける文化があるそうです。上司であってもダメ出しを進言することが求められます。成長しなければ生き残ることはできず、自身の価値も向上しません。恥をかくことは悪いことではありません。実際、恥が成長に欠かせないと言われる社風を持つ企業も存在します。

■「行動や行為」に対してアプローチ

現代ではパワハラ時代と言われ、上司として成功するためには適切な叱り方を知ることが求められます。

部下の個性、性格、容姿、育ちなど、人格を否定することは絶対に避けなければなりません。代わりに、具体的な行動や行為に対して叱るべきです。

部下の人格や能力は尊重しつつ、問題のある行動や行為に絞って注意することが基本です。失敗やミスが起きた場合、悪いのは部下の人格ではなく、仕事の手順やプロセスなどの行動です。部下を叱る本来の目的は、問題を改善してもらい、成長を促すことです。

■キレるは絶対に避ける

感情的になることは避けなければなりません。相手の感情には配慮しつつ、冷静に感情ではなく事実に基づいたアプローチを取るべきです。感情的な叱責をすると、部下は苦手意識を抱き、信頼関係が壊れてしまう可能性が高まります。

■どうやって、部下にフィードバック(注意・指摘)するのか?

指摘して相手がすぐに実行出来れば、問題ありませんが、簡単ではありません。

まず前提として「指摘する側」と「指摘される側」に、見えている世界(状況や環境)が違うことの認識が必要です。

■覚えて欲しい一文

上司「私はこう思ったんだけど、あなたの考えていることと違ったら教えて下さい」

■誤解を減らす

上司と部下の中ではかなり認識が違う可能性があります。相手の考えを聞き取ることで、可能な限り“誤解”の入り込む余地を減らす必要があります。

■部下に自ら考えてもらい解決に導く、上司はその手助けをする。

部下の行動を改善してもらう為には、部下から見えている世界を部下自身で改善してもらう必要があります。部下の言葉や考え方を引き出しながら、一緒に考えていく必要があります。こちらがいくら頭ごなしに指摘しても、部下が改善への本質を捉えていなければ、再現性がないので同じことを繰り返してしまいます。

■根拠や裏付の必要性 パワーの使い方

上司としても、注意に至った根拠や裏付けが必要になります。また上司には会社から与えられた権限があるので、部下の理由を聞かずに言い放つことが出来てしまうのも問題です。それが部下からしたら「理由を聞かない」「話を聞いてくれない」「決めつけられた」「あなたに何が分かるの?」となってしまいます。

■具体的なワーク

① 〇〇やってないよね?   
  行動にフォーカスする。

➁ 何かあったの?      
  部下の事情を聴く。

③ だとしたら〇〇すべきだったよね。 
  注意点の同意を確認。

④ どうしようか?どうすればいいと思う? 
  相手に考えてもらう。

⑤ 再発防止策を部下からか言ってもらう   
  解決への支援をする。

⑥ 〇〇さんは僕はやれば出来る人だと思っている。   期待しているよ。何かあったらサポートに回るよ。   

期待を込めて背中を押す。

■目指すべき職員像

自分の仕事が高い基準で出来る。

・愛される人間性。人を助け、助けられる。

■大谷翔平の本当の二刀流

大谷翔平選手の素晴らしさを見て、感じる部分ではありますが、大谷選手自身の高い基準での仕事ぶりはいうまでもありません。ワールドクラスの技術や能力があります。

大谷翔平選手の素晴らしさを見て、自分なりに感じる部分ではありますが、大谷選手自身の高い基準での仕事ぶりはいうまでもありません。ワールドクラスの技術や能力があります。

それに加え、大谷選手は人間性も非常に優れていると感じます。チームへの貢献への意識、誠実な人柄、愛される人間性があります。私たち職員も正しさを振りかざして攻撃的になったり、自分の仕事だけすればいいと仲間への思いやりがなかったりすることがあります。助け、助けられる人間性を磨いていく必要があります

■人間関係の基本(信頼関係の構築)

人間関係の基本(信頼関係の構築)
・尊敬
(人を大切に思うこと。対義語:上から目線、横柄な態度、軽く扱う)

・感謝
(当たり前を思わないこと。ご利用者、仲間や会社があるから働けている等)

・思いやり
(相手への理解、他人の困難や苦しみに対しての共感や手助け)

上記の3つがあれば、ご利用者や仲間との人間関係に困ることはなくなると思います。この人間関係の基本を持って、指導すれば大きく間違うことはありません。

職場での人間関係で苦しむと冒頭で書きましたが、逆に人間関係に救われることを忘れてはいけません。救われるような人間になるためには、救う人間になることが第一歩です。

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