天国からこの世で一番愛した妻へ…

ごめんよ…

僕は自分が
この世に生きた証が欲しかった
子供が欲しかったんだ
だから君と結婚した
君を子供を生む道具にした…

最初はそう思ってた
君には悪いけど…

でもね…

結婚して
二人で生活を続けて
娘を授かったね

僕は嬉しかった

これで僕が結婚した
目的は達成出来た

でもね…

僕だけじゃない
君と二人で娘を育てた
僕がお父さん
君がお母さんだ

子育ては大変だったね
いや…
君が一番大変だったろう

君は自分の全てを犠牲にして
僕と娘のために
家族のために
尽くしてくれた

僕はいつしか
娘だけじゃなく
妻である君無しの生活なんて
考えられなくなっていた

子供を生む道具…

そんな風に君の事を
思ってた自分が
恥ずかしくて仕方なかった

君は僕の人生の
無くてはならない存在に
なっていたんだ

僕は思ったんだ
君と娘のために
僕の家族のために生きよう

それが僕の
この世に生きた証だ
妻と娘を幸せにする
それが僕の
この世に生まれて来た理由なんだ

そう思ったけど…

ごめんよ
僕は君より先に
この世を離れてしまった
君と共に娘の幸せを
一緒に祝ってやれなかった
一緒に老後を過ごせなかった

許してくれ…

でも僕は
いつも君達母娘を
見守っている

信じておくれ
生前に君達に
してやれなかった事を
どれだけ私が悔いているか…

もう遅いけど…

君は僕の分まで生きて
娘の幸せな家族の事を
天国で僕に教えて欲しい

だから君は
まだ死んじゃダメだ

僕に約束しておくれ
僕達の娘が
幸せな家庭を築くまで
長生きして欲しい

先に逝った
ダメな僕のわがままを
聞いてくれないか

天国より
君を一番愛した男より

我が愛する妻へ
愛を込めて…