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【本の紹介】桜井哲夫『知の教科書 フーコー』(講談社選書メチエ)

□難度【★★★☆☆】
フーコーの思想や用語を解説する本として、これ以上わかりやすく書くのは無理でしょう…というくらいにわかりやすい。

□内容、感想など
現代の学問へ及ぼしたフーコーの影響については、いくら強調しても強調し足りない。およそ権力や社会や性について主題とする文章である限り、執筆者が意識していようがいまいが、フーコー的な"知の枠組み"の中で書かれたものが多くを占める…と言っても過言じゃないはずだ、たぶん。
が、難しい。
現代思想の書物群の御多分に洩れず、フーコーの著作もまた、難解極まりないのだ。
識者たちの中には、「他の現代思想の書に比べればフーコーの著作は読みやすい」と口にする人たちもいるが、なかなかどうして。『言葉と物』など、僕のような素人がいきなり手を出していいようなシロモノではないのである。
というわけで、やはり、入門書の出番となる。
さすがに大人気の思想家なだけあって、フーコーの入門書は、けっこうな数、市場に出回っている。けれども僕が読んだ中では、やはり、桜井哲夫『知の教科書 フーコー』をもって随一としたい。
何がいいって、フーコー哲学の用語解説が、本当に端的でわかりやすくまとめてあるところなのです。マジ最高っす。

□こんな人にオススメ
・現代思想について学びたいが、何から読めばよいかわからないという人。
・大学入試評論文の背景知識を手に入れたい人。
・人文学の持つ意味について、その可能性という側面からも、批判的観点からも、深く考えてみたい人。
・近代という時代について知識を深めたい人。
・権力というものについて、いろいろと考えてみたい人。


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