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【本の紹介】斎藤幸平「100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』 」(NHK出版)

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□難度【★★☆☆☆】
マルクス『資本論』の解説本、入門書は何冊も読んできたが、やはり、難しいものが多い。マルクスについての基礎的な知識を有していない人なら、まずはこの一冊から始めることをおすすめする。簡単、というよりも、真摯で誠実な書き方。

□内容、感想など
これまで読んできた『資本論』やマルクスの入門書の中にも素晴らしいものはあったが、ただその多くが、それを具体的にイメージさせるような解説もなしに、「資本」という語をいきなり用いてしまっている点が不満だった。しかし本書からは、この最重要概念を僕ら一般人にもわかってもらおうとする情熱が、ひしひしと感じられる。
さらに言うなら、一般的にイメージされるマルクスの思想を、最新の学術的知見をもとに切り崩し、そこから見出されるテーマを未来へと接合していこうとするスタンスもとても素晴らしい。この薄い一冊に、よくぞここまでの情報を詰め込んだものだと思う。しかも、わかりやすく、丁寧に。

□こんな人にオススメ

・様々な『資本論』入門に挫折した人。
・マルクスの思想に偏見を抱いている人。
・地球や人類の未来を良きものへと導く、その主体となりたい人。
・「アソシエーション」という概念について、深く理解したい人。


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