『esportsはスポーツなのか?』問題に対する自分なりの考え

先日、”esportsの会”というDiscordサーバーの議論するチャンネルにて、「Esportsはスポーツか」というテーマが掲げられた。

えぇー!ここの人たちの間じゃ、「esportsはスポーツ」でコンセンサスが得られているもんだと思ってたよ!
実際、どのような議論が行われているのか、気になる人は覗いてみるといい。誰でも入れるので。

さて、これについては、自分なりの考えがまとまったので書いていきたい。

目次
『ぷよぷよ』が国体に!?
文化プログラムとは?
国体とは?
スポーツ基本法とは?
Sportの意味は?
Mind Sportsとは?
結論

『ぷよぷよ』が国体に!?

12月27日、驚くべきニュースが入ってきた。あの『ぷよぷよ』が国体の種目に採用されたというではないか!
オリンピックは残念だったが、これでもうスポーツじゃん

しかし、よく読むとコレ

対戦アクションパズルゲーム『ぷよぷよ』シリーズのタイトル『ぷよぷよeスポーツ』について、第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラムにて行われる「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」の競技タイトルに決定したことをお知らせします。

とある。

文化プログラムとは?

文化って文化部とかのアレ?文化部って華道部とか放送部とかでしょ?スポーツじゃないじゃん!
調べてみると、文化プログラムてのはこういうものらしい。

文化プログラムとは、国民体育大会の行事の1つで、スポーツ文化や開催権の郷土文化をテーマとしたプログラムを実施することにより、大会を盛り上げようとするものです。

イースポが茨城の郷土文化なわきゃないので、スポーツ文化の方になるはずだ。よかったスポーツじゃん!

正式種目ってわけじゃないが、まぁこれは大いなる一歩として歓迎すべきであろう。

国体とは?

国体こと国民体育大会とは日本のスポーツの祭典。
筆者の地元で開催となったときは、会場までの道路が新たに太く、まっすぐに整地されたのを覚えている。

道路上の家々は立ち退きされたので、相当な金が動いたはずだ。「国体のためにそこまでするのか!?」と驚いたものだ。
wikiに歴史など詳しく書いてあるので、興味のある方は読んでみて欲しい。
その中にこう書いてある。

大会のあり方はスポーツ基本法で位置付けられており、

そう。この手の議論になると出てくる法律。
『スポーツ基本法』…そんなもんがあったのである。

スポーツ基本法とは?

スポ基法について調べてみると文科省に条文があった。
この前文にはこうある。

(前略)
スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵(かん)養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動であり、
(中略)
 スポーツは、次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、
(中略)
さらに、スポーツは、心身の健康の保持増進にも重要な役割を果たすものであり、健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠である。
(後略)

うわー!これアレじゃん!身体性じゃん!スポーツは身体性が必要って書いてあるじゃん!
esports身体性ないから駄目じゃん!

まさか、スポーツが法律で決まっとったとは…。
残念だが、少なくとも法律上はesportsはスポーツじゃないと言わざるを得ない。

Sportの意味は?

この議論になるとよく聞いていた「Sportってもともとは楽しむっていう意味なんだ」ってのが実際どうなのか、英英辞典で調べてみた。

オックスフォード英英辞典のオンライン版
 activity that you do for pleasure and that needs physical effort or skill,
ロングマン英英辞典のオンライン版
a physical activity in which people compete against each other

と、まぁだいたいこんなことが最初に書いてある。やっぱりスポーツって言うとフィジカル(身体的)なもの、っていうのはあちらでも基本的な考えのようだ。

下の方にいくと、たしかに”enjoyment or fun”とか書いてある。
ただ、これをもってesportsはスポーツである、と言い張るのはちょっときついかな…。

Mind Sportsとは?

esportsは囲碁、将棋、チェスなどと同様に『Mind Sports』と言われることがある。
ではMind Sportsとは何なのか、Wikipediaにはこうある。

1996年に教育コンサルタントトニー・ブザンによって、バックギャモンが記憶能力や判断能力などの脳の肉体的能力を使う「スポーツ」であると呼ばれ始めたのが起源である。ブザンは1997年にマインドスポーツオリンピアードという複数のボードゲームやカードゲームで競う大会を開催し、「スポーツ」といえば運動競技という考えが定着しているヨーロッパに、新しい「マインドスポーツ」の概念を導入しようと試みた。

たかだか20年前に生まれた、新しい言葉なのだ。
英語版ではこう書いてある。

It is a term that became fixed from games trying to obtain equal status to sports

曰く、スポーツと同等の地位を得ようとするため”game”を修正する形で生まれた言葉である、ということ。

つまり、大先輩である将棋、チェスですら、まだまだSportsとして扱われていないのが現状であるということだ。

結論

esportsはスポーツではない

ただし、今のところは。
昨今の勢いは凄まじく、オリンピック競技に採用するかどうかという議論になるまでに至っている。そして今回の、文化プログラムとはいえ国体での採用。このまま行けば、Sportsという言葉の意味が書き変わる日もそう遠くないと思われる。あ、あと、スポ基法の改正もよろしく。

ただ、個人的には別にスポーツじゃなくていいと思っている。
そんなもんどうでもいい、ゲームはゲームで良いんだよ!それよりプロゲーマーがちゃんと稼げるプロリーグの設立はよ!

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