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【終演】春ごもり公演『吐息のおもかげ』

昨日をもちまして、劇団いちいち春ごもり公演『吐息のおもかげ』の全ステージが、無事に終幕いたしました。ご観劇くださった方々に加え、ご協力・応援してくださった皆様にも感謝を申し上げます。

この記事では、本公演の様子を写真とともにお届けできたら、と思います。

お寄せいただいた感想の中で多かったのが、役の演じ分けについてです。4人の役者がある時は高校生を、ある時はおばさんを、ある時はリポーターを演じるなど、同じ役者が複数の役を兼ねて演じておりました。

だから…
こんな表情や

こんな表情など、色んな演技パターンをお届けすることができました。

照明を活かしたこのシーン。照明の明滅をカメラのフラッシュに見立てました。舞台だからこそできる、目を引く展開です。

その他にもダンスや…

字幕、映像の投影などなど…演出家のやりたいことをこれでもかと詰め込みました。

最後に、影について。本作では、影と形が大きなテーマとなっています。そのため、影を浮かび上がらせるという演出が必要不可欠でした。舞台中央の白い幕の後ろから照明を当て、役者の影が出るようにしました。


脚本・演出より

何年に生まれたか、なんて何の意味もないのです。だから、私たちが1999年生まれだということにも何の意味もないのです。でも、私は彼らとの出会いを無意味だと割り切れなかった。だからこの物語を書きました、なんていう単純な話ではありませんが、この舞台を作ったことで、そこに僅かな意味を見出せたと感じています。

私は演劇において重要度が高いものは言葉(セリフ)だと考えています。小説のように活字ではないから、耳からしか情報源がない。その上、よっぽど凝ったセットがない限り、映画のような小物や風景などの視覚情報も少ない。そんな限られた情報源の中では、役者の発するセリフが力強く物語を押し進めていってくれなければなりません。

だからこそ、“言葉”をテーマにした芝居を作りたかったのです。人の口から飛び出してくる言葉というものには何か特別な力がこもっていると思います。今はマスクという布切れで隠されてしまっている、その口から。

唯一、舞台上でなら、口から飛び出す言葉を見せることができます。役者4人の口から、吐息と共に飛び出た言葉たちは、時には濁流のように、時には春風のように、時には閃光のように、観る人の耳に届いたかと思われます。劇場という空間が揺らぎかけているこの時代に舞台をするのです。生の芝居でなければ意味がないものにしよう、と心に決めていました。こうした自身の理想が、僅かでも実現できていたのなら本望です。

観客の皆様、そして、劇団員を支えてくださった多くの方々、本当にありがとうございました。自分の演劇活動、そして人生の節目として、作品を作り上げることができた私はとても幸せ者です。


劇団いちいち

永らく、お付き合いいただきました我々の春ごもりも明け、外は暖かい気候になりました。『吐息のおもかげ』をたしかな誇りとして、次の一歩を踏み出していきたいと思います。

最後になりましたが、ご来場くださいました皆様、お手伝い・応援してくださいました皆様、誠に有難う御座いました。8人組(+α)のパワーが10倍以上もの方に届いたこと、このご時世にあんなにもお客様でいっぱいの劇場を見れたこと、たしかに私たちの糧と自信になりました。

我々のこれからにご期待ください。

劇団情報

劇団いちいち
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Mail:theater111999@gmail.com
※お問い合わせやご依頼は各SNSのDMまたはメールまでお願い致します。

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