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テレワーク実態あれこれ。

GWが明けて今週から通常の出勤に戻った。
基本的には出社だが、公共交通機関を使って出社する人に車通勤が許可され、各個人の業務次第でテレワークも可能とゆるゆるの体制になっている。

月曜日、さっそく取引先、顧客とやりとりしてテレワークの実態が見えてきたのだが、今週からようやくテレワーク開始という水出しコーヒー並みの対応をしている会社もあった。
GW中にお試しで上司が家で会社のサーバーにアクセスしようとしたところ、そもそもPCがサーバーにアクセスできる設定になってなかったのが判明したらしい。
ちなみに派遣社員は出向先へ出勤しないと働いたとみなされないため、自然災害以外はたいていの場合出勤となる。
ところが派遣社員はサーバーへのアクセスは制限がかけられているので重要な情報は取り出せない。
ノートPCを渡された正社員はリモートでは仕事ができず、出社した派遣社員はアクセスできない。
それ本気?と聞いてみたけど、どうやら本気だった。この会社は世界中に支店がある大企業なのだが、トップが昔から捕手的で、あ、保守的で、受け止めるだけで十分経営が成り立つ会社なので、そんな判断でもやっていけるのだろう。
本当に日本の会社の対応ってミニマスク配布の政府をひな形とするだけある。

さて、テレワーク導入の先月を思い出してみる。
まず導入直前にテレワーク可能な人調べアンケートが実施された。デスクワークの人はモニターの大きいデスクトップのPCが多いので、当然だけれど持って帰れないよねとなった。
次に個人のPCからでは会社のファイルサーバーに接続できないようセキュリティがかかっているから、会社からノートPCを支給されないと仕事ができない。となると、もともとノートPCを支給されている人たちからテレワークを始めよう、の結論になった。

私はテレワーク先発部隊となり、初のテレワークの問題点を走りながら見つけるという状況の中で、早々にサーバーの問題に行き当たる。
就業時間にいっせいにアクセスが集中するから、テレワークを予期していなかったサーバーは、いや無理やし。と、悲鳴を上げたのだった。結果的に早朝と昼休み、そして夜の9時から集中して仕事をすることになった。フリーランスやクリエイティブな仕事をする人は普段からうまく時間を使われているのだと思うが、会社に行って仕事をするスタイルを長年やってると、いきなりテレワークになってもどこで息を抜いて時間をうまく使えばよいのか最初はわからない。
Skypeではいきなり質問が飛んできたりするので、数秒で到着するトイレに行くのもなんとなくダッシュで行ったりして、サボってないんですけどーと過剰に反応してしまう。
一日が終わるころになると、通常より明らかにパフォーマンスは落ちているのに疲労は右肩上がり。これは悲しい。というわけで、徐々にコツを覚えていった。
まずはSkypeで自分の状態を「連絡可能」「一時退席中」など、めんどくさくても都度変更することにした。
これやってないと、相手は席にいるでしょうと思ってガンガン話しかけてくるので、タイムリーに返信しないとサボってるんちゃうの?と思われてしまうことが分かった。

次に、上司だけでなく仕事の内容ごとの関係者には、ホウレンソウを過剰なほど伝えることにしたので、メールの送信は恐ろしく増えた。
会話なら不要だけど、メールやチャットだとくどいくらい伝えてやっと意思の疎通に誤解がない感じになるので、ここは手抜きしない方がいいということもわかった。そうして伝達関係はかなりコントロールできるようになり、心のゆとりが生まれた。

コミュニケーションと言えば、ビフォーコロナより意思の疎通が難しい人は、テレワークになったからといっていきなり心の距離が電波にのって近くなる!ということはなく、逆に行間を読める人は元々の会話も上手くいっていた人だったということを思い出した。
以前より話が通じない人は、リモートではさらに通じなくなるので、サーバーじゃなくて貴方の頭がダウンしてはるんやね、ということはたびたび体感した。

テレワークのドレスコードは、ひとえに「上半身」のみのコーディネートとなる。ボトムは見えないので、胸元辺りまでだけ気を使っていた。
背景は選べるのと選べないのがあるけれど、PCによってはカメラがかなり広範囲に映るので、背景がそのまま映り込む時は先にダッシュで部屋を片付けて話していた。

そして、いちばんの問題は間食。会社では食べにくいお菓子が家では全く問題なくなるので、テレワークで太ってしまう人がいるのはよくわかる。
しかもGW前からのテレワークと休みでエンゲル係数が一気に跳ね上がった。
食べることしか楽しみがなかったのだから、ここは相田みつを(人間だもの)でゆるくいくことにした。

今回を機にテレワークが根付いていくのであれば、長時間労働の見直しや業務の効率アップなど裁量労働に向けて少しは変わっていくのかも、と期待しているけれど、すぐには難しいだろうなぁとは思う。

浪花節のようなスタイル(上司が帰るまでは残る)、能力ではなく長時間労働出来る人の方が重宝がられる、というような時代錯誤な働き方を社員に求めるようでは、アンティークな年代の上層部が予想しているよりはるかに早いスピードで淘汰されていきそうな気もする。

そうなれば自然とバトンは若手に廻ってくるからやりやすくなるだろうけど、その前に会社を潰さないでねーと思った新緑の美しい五月。

明日は待ちに待った金曜日。
今日はプレ金曜日ということで、薄めのハイボールか濃いめのハイボールか。
やっぱり白ワインにしよう(なんでやねん)。

温かいお気持ち、ありがとうございます。 そんな優しい貴方の1日はきっと素敵なものになるでしょう。