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【妻からの電話】

雨が降ってきたから、洗濯物を部屋の中に入れといてくれという電話がさっきあったばかりなのに、また家内から電話が掛かってきた。

「もしもしぃ・・父さん寝てた?」

「いいや、なにぃ?」

「・・あのねぇ・・・」

家内の声に元気がない。なんか嫌な予感がする。

果たして・・クルマをぶつけたんだという。やっぱりか!

大した事故ではなくて、駐車していたクルマに家内のほうからぶつけたらしくて、先方のクルマに小さな凹みが出来たらしい。自分のクルマも少し凹んだんだという。一応、保険会社に連絡したが、先方は直ぐにディーラーにクルマを持って行くという。

「父さん、どうしよう?」

「保険屋に任せといたらええよ・・」

やれやれ、昼過ぎのユックリとした気分が吹き飛んでしまったではないか・・

人身事故のような大事ではなかったのだから、まぁいいじゃないかと思い直そうとするのだが、どうしても不機嫌になってしまう僕なのであった。暫くは機嫌が戻りそうもない。

理性と感情とは別物なのである。

家内がしおらしくなるのはいいのだが、これが何日持つことだろうか? 統計では、 あっと言う間に元の家内に戻ることになっているのだ。


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