【高速道路の変】
先日のことである。
西名阪自動車道から近畿自動車道を経由して中国自動車道の下り線に入り、西に向けて僕はクルマを走らせていた。
昼時になったので何処かで昼御飯を食べようかと思った。カーナビを見ると10km程先に〈西宮名塩SA〉が近づいてるのが分かったので、そこで昼御飯を食べることにした。
じきに〈西宮名塩SA〉に到着する。ここはなかなか人気のあるサービスエリアで、いつ立ち寄っても駐車場はクルマでいっぱいである。
クルマを降りると、早速フードコートへと向かった。食券販売機の前に立ってしばしのあいだ何を食べようかと迷ったが、結局〈肉蕎麦〉を食べることにした。〈肉蕎麦〉だけではチョッと寂しいかな❓️と思ったので〈おむすび〉を追加注文して席に着いた。
ここの〈食券販売機〉は、食券を買った時点でキッチンにオーダーが入るシステムになっているので、そのまま席で待っていればいい。注文したものが出来ると食券番号をマイクで知らせてくれるようになっているのだ。水やお茶はセルフサービスになる。
・・・・・・・
「452番、453番でお待ちのお客様~お待たせ致しましたぁ~~うどん・そばコーナーまて お越し下さいませぇ~~」
〈おっ❗️僕の肉蕎麦が出来たぞ〉
麺類コーナーのデシャップ前まで行って食券を手渡す。旨そうな〈肉蕎麦〉と〈おむすび〉がトレイの上に並んで乗っている。以外だったのが〈おむすび〉だった。〈肉蕎麦〉が¥780―と結構いい値段なので、¥170―の〈おむすび〉は1個の値段だと思っていたら、お皿にはシッカリと2個の〈おむすび〉が乗っていたのだ。チョッとボリュームがあり過ぎるかもしれない。
程なくして〈肉蕎麦〉と〈おむすび〉2個を食べ終ったのだが、ヤッパリ〈おむすび〉1個分が多かったようで、僕のお腹はパンパンになってしまった。
お腹がいっぱいになると腸の運動が活発になる。僕はトイレに行って出す物をシッカリと出し切ってから再びクルマに乗り込み、中国自動車道を西へと走ったのである。
やがて〈神戸JCT〉に差し掛かり、クルマは山陽自動車道方面へと入っていく。
山陽自動車道に入って暫く経った時である。余計に食った〈おむすび〉が祟ったのだろうか・・お腹が痛くなってきたのだ。
〈さっきあれだけ出してきたのになんでだよぉ・・〉
5年前に大腸癌手術をしてからというもの、タマに下痢に襲われることがあるのだが、こんな時にくるとは・・
既に〈三木SA〉は過ぎてしまった。ブツブツ思ったって仕方がない。次の〈権現湖PA〉まで我慢しなければならない。あと10数kmの距離がヤケに長く感じるのである。繰り返し襲ってくる便意と闘いながら、クルマはやっと〈権現湖PA〉に到着した。
トイレに直行❗️
〈ふぅ~~~救かっ たぁ~~〉
僕はホッとして再びクルマを発進させる。
〈やれやれ、一時はどうなるかと思ったよ・・・ん❓️んんん❓️えっ❗️またかよぉ❗️〉
〈権現湖PA〉を出て1分も経っていないのにまたもや便意が襲ってきたのだ。
〈勘弁してくれよぉ❗️〉
今回のはさっきのよりも数倍強烈だ。水のような便が肛門のすぐそこまでやって来ているのが分かる。一瞬でも気を抜いたらアウトだ。
それでも、便意は物凄い腹痛と一緒になって容赦なく襲ってくるのだ。運悪く、今日は股上の浅いジーンズを穿いているので、ベルトの位置が丁度下腹部を圧迫するもんだから堪ったもんではない。
カーナビを見ると、次の〈白鳥PA〉までが17kmと示されている。
〈17km❗️❗️❗️〉
グルグルグルゥ~~~便意が来た❗️今回だけはもうダメかもしれない❗️泣きそうだ❗️
〈わわわわわっ❗️わぁ~~~っ❗️もう肛門から出そうだ❗️〉
もう限界だ・・・いやクルマの中をウンコまみれにする訳にはいかん❗️
〈グルグルグル・・ギュ~~~〉
もう諦めようと思った❗️遂に人生で初めてクルマの中で洩らすのか❓️
それでも阿鼻叫喚の中、前を走るクルマをビュンビュンと追い越して突っ走った。
とうとう、長かった残り17kmを走り切って〈白鳥PA〉に入ることが出来たのだ。駐車場所を探している暇などない。見れば〈身障者用P〉が空いている。なりふり構わずにそこにクルマを突っ込んでトイレに走る。
1番近いところの個室に飛び込んだ。そこは〈和式便器〉のトイレだったがそんなことはどうでもいいのだった。
ベルトを外してファスナーを下げようとするのだが、慌てているので上手くいかない。ファスナーが半分しか下りていないのに、もうしゃがまなければ間に合わないぞ❗️
そしてまだしゃがみ切れていないうちから便が一挙に❗️
(敢えて擬音は割愛する)
・・・なんとか便器内に出てくれたのが幸いであった。
・・・・・・・
以上が「高速道路の変」の顛末である。
家に帰ってから、そのことを伝えたら家内がこう言った。
「父さん、今度クルマに乗る時はオムツしたほうがいいよ」
結構マジで、そうだよなぁ~~と思った僕なのであった。
今までに何度となく同じ様な経験をしたし、その都度〈note〉にも書いてきたのだが、今回ほどの地獄ドライブはなかったと思う。
もしも仮に、クルマの中で〈ウ●コ〉を洩らしていたとしたら、恥ずかしくて恥ずかしくて、流石の僕でもエッセイにすることは無かったかもしれない・・
いやいや、更に調子に乗って書いたりして・・・うん、充分に有り得るな。
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