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【レジの女の子】

出張先で雨に見舞われた。ところが傘が無い。

家を出る時、クルマに傘を積んでくるのを忘れていたのだ。仕方がないのでコンビニに寄って傘を買うことにする。

クルマをコンビニの駐車場に突っ込んだ。

傘は店の奥の方に並べてあった。その中から1本の傘を選んでレジに向かう。

精算し易いようにと、バーコードを上にして傘をレジのテーブルの上に置いた。そして改めて店員の顔を見ると、そこに立っていたのは日本人ではなかった。胸の名札に〈ルシー〉と書かれた白人の女の子であった。

おそらく、この街にある外語大の留学生だろう。日本語科の学生だろうか❓️慣れない日本語で一生懸命に接客してくれる彼女に心を動かされた僕はチョッと話し掛けてみた。

「どちらの国から来られたんですか❓️」

すると中々の日本語でこう返した。

「フランスデス」

僕は彼女を元気付けたくなってしまった。

「日本語上手いですよ。頑張ってくださいね❗️」

そんな激励の言葉をプレゼントして店を後にしたのであるが、レジを離れる際に「アリガトウゴザイマシタ」って言ってくれた時の彼女の表情が、マスクに隠されて分からなかったのである。少しは喜んでくれたのだろうか・・・

違法滞在者や悪意を持って日本にやってくる外国人は排除しなければならないが、こういう外国人は大切にしなければならないのだと心から思ったのだった。


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