【娘の散歩】

［祝：1000回作品］

家内のスマホに電話が掛かってきた。仙台に引っ越した娘の T からだった。

それは、生後４ヶ月の孫娘の E ちゃんと、愛犬・黒ポメの〈のあ君〉についてのことだった。

しばしの会話を終えた家内が言った。

「ねぇ父さん、T ちゃんがね」

「あぁ」

「E ちゃんを抱っこしてね」

「あぁ」

「〈のあ〉を連れて散歩してたんだってぇ」

「あぁそぉ・・仙台の街にも慣れてきたんだろうな」

「そうかもね・・で、散歩してたらさぁ、前から4・5人の小学生がやってきてさぁ、男の子の」

「あぁ」

「そしたら男の子達が〈のあ〉のところに集まってきたんだって」

「あっそぉ、〈のあ〉は可愛いからなぁ」

「うん！そしたら１人の男の子がさぁ」

「あぁ」

「可愛い赤ちゃんと可愛いワンちゃんがいて幸せですね❗️って言ったんだって❗️Tちゃんに」

「えぇ～っ❗️おマセちゃんか❓️」

「でも、なんか可愛いよねぇ」

「そうだなぁ・・」

「Eちゃんと〈のあ〉を褒められて嬉しかったんだって・・」

純朴というか純真というか、中々に好感が持てる仙台の小学生ではある。

〈お母さんも可愛いですね〉

なん言ってたら単なるナンパエロ坊主に成り下がるところだったのに、それを言わなくて正解ったのだ。それとも言えなかったのかな？

いやいや親バカなどではない。娘は実際に可愛いのだから・・