【朝礼】
中学校では、今朝も〈朝礼〉が行われていた。
どこの学校にも〈不良〉がいるもので、僕の通っていた中学校も例外ではなかった。
朝礼での整列の仕方は、男女は別々にひとクラスが縦に1列に並ぶという形をとっていた。背の低い者が前のほうに立って、後ろにいくほど背が高くなっていった。
ところが、■■は男子の中でも背が低いほうだったにも拘わらず、〈不良〉の本領を発揮して最後列に並んでイキがっていたのだ。
さて、中学には〈●★先生〉という、生徒達から大変に恐れられていた男の先生がいた。
その先生は朝礼の間中、睨みを効かせながら、生徒の回りを歩いては監視をするのが常であった。
背が高い連中の最後列で、ポケットに手を突っ込んでイキがっている、背が低い〈■■〉はよく目立った。
それを直ぐに見つけた〈●★先生〉はヤツの近くに行って注意した。
「■■❗️ポケットから手を出せぇ❗️」
言われた〈■■〉はグラウンド中に響き渡るような大いな声で反撃に出た。
「自分が入れとるよぉ~❗️」
瞬間、生徒達の間には笑いの渦が沸き起こったのだが、他の先生達は笑うに笑えず平静を装うのに苦労していた。
〈●★先生〉は、両手をズボンのポケットに突っ込むのが癖だったのである。
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