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【お兄ちゃんと弟 ②】

なんとか世の中には出て来たが、2人の孫は生死の境を彷徨さまよっている。帝王切開をしたお母さんの身体も心配だ。

それから3日経ち1週間経った頃から、赤ちゃんに少しずつ変化が見えてきた。ミイラみたいだったお兄ちゃんの身体が段々大きくなってきて、弟のほうの水膨れも徐々に引いてきたのである。2人の赤ちゃんは、集中治療室の保育器の中で、それぞれが生きる為の戦いを続けていた。

そうして、少しずつ少しずつ育っていったのである。

・・・・・・・

やがて2ヶ月も過ぎた頃である。2人の体形が逆転する。1700gで生まれたお兄ちゃんのほうが、4000gで生まれた弟の体重を越えたのだ。痩せたお兄ちゃんには少しずつ肉が付いてきて、水分で膨れあがっていた弟からは水が抜け始めたのである。

そして、お兄ちゃんよりも経過が良好な弟のほうが一足先に退院することになったのだが、お兄ちゃんのほうは肝臓の働きが弱くてまだ暫くは入院していなければならないのだという。

弟くんの退院を皆んなで喜んだのだが、残されたお兄ちゃんのことを思うと、手放しで喜ぶ気にはなれなかった。

・・・・・・・

お兄ちゃんの容態は一進一退であった。

・・・・・・・

それから2・3日経った頃である。

「キンコ~ン❗️」

僕のスマホが鳴った。

長男からのメールだ・・それは以下のような内容であった。

「お兄ちゃんに問題が発生した!」・・・(つづく)


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