朝食のテーブルの上には、いつものように〈目玉焼き〉が乗っている。
〈目玉焼き〉と〈ウィンナソーセージ〉と〈キャベツの千切り〉という、まぁ定番なものだ。
ところが、今朝の〈千切りキャベツ〉はいつもと違っていた。
「S 子ぉ~、今朝のキャベツ、物凄く緑色だなぁ」
「そうなのよぉ」
「なんかあれだなぁ・・古びた食堂の陳列棚に並んでる、食品サンプルみたいに見えるんだけど」
「あっ❗️ホントそうだわぁ」
「これでチョッと埃でも被っていたらサンプルその物だぞ」
「サンプルみたいだけど、柔らかくて美味しいんだから食べてよぉ」
「ホイホイ、いただきま~す❗️」
そう言うと、僕はサンプルのキャベツから食べ始めた。