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【悪女】

家内に訊いてみた。

「世の中には悪い奴等がいるけど、男のわると女の悪を比べたら、なんか女のほうが性質たちが悪そうだよなぁ」

「そうそう、女は執念深くて陰湿だからね」

「そりゃ、男の悪だって酷いんだけどさぁ、女と比べると、なんかチョッと違うような気がするんだよなぁ」

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そこで、残虐だと言われる〈中国三大悪女〉について調べてみた。

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【中国三大悪女】

① 呂雉(りょち)

漢王朝の初代皇帝・劉邦の妻。貧しい役人だった劉邦に嫁ぎ、苦労しながら1男1女を育てる。

秦王朝滅亡後の紀元前206年から約5年間繰り広げられた「楚漢戦争」で項羽を破った劉邦により、新たな統一王朝「漢」が成立。夫を支え続けた呂雉は皇后(呂后)となる。

劉邦が逝去し、息子が二代皇帝・恵帝として即位すると、呂雉は次第にその権力を振るい始める。まず呂雉が行ったのは、皇帝の寵愛を受けていた側室・戚夫人(せきふじん)への復讐だった。戚夫人を投獄して奴隷にすると、地方に赴任していた戚夫人の息子を呼び出して毒殺、さらに、戚夫人の手足を切り落とし、両目をえぐり、薬で耳と喉をつぶすと、便所へ放り込み「人豚」と称して見せ物にした。かつて中国の便所は排泄物を豚に処理させていたが、あまりに残虐な仕打ちである。

皇帝の後見人として権力を振るい続けた呂雉だったが、最期は病によって死去。権力を掌握していた呂氏一族くは、劉邦の遺臣らに皆殺しにされる。

② 西太后(せいたいごう)

清の第9代皇帝・咸豊帝(かんぽうてい)の妃で、第10代皇帝・同治帝(どうちてい)の母。咸豊帝が亡くなり息子の同治帝が即位した後は、皇帝の背後から政治を操り、74歳で亡くなるまで事実上の皇帝として中国全土を支配した。

因みに「西太后」とは、咸豊帝の正室であった「東太后」と対になる名称で、同治帝が即位したときに皇太后となったことで「西太后」と呼ばれるようになった。

彼女の残虐さを伝えるエピソードで最も有名なのは、1900年に起こった「義和団の乱」で、第11代皇帝・光諸帝(こうしょてい)の側室であった珍妃を、生きたまま井戸に投げ落としたというもの。光諸帝の寵愛を受けていたことに加え、諸外国の軍勢に迫られて北京から脱出することを批判したために、気性の激しかった西太后の逆鱗に触れたと言われている。

その他にも、「正室である東太后を毒殺した」「咸豊帝の寵愛を受けていた麗妃の手足を切断し、生かしたまま瓶に詰めた」「自らが死ぬ前日に光諸帝を毒殺した」といったエピソードが伝わっているが、これらは西太后=悪女のイメージによって作られた悪評なのだとか。(麗妃の話を聞いたことがある方も多いと思うが、これは映画「火焼円明園」のワンシーンが元ネタの完全なフィクションだという説もある)半世紀にも渡り女性が権力を振るい続けたことを考えると、こうした悪評も本当なのでは?と感じてしまうのだ。

③ 武則天(ぶそくてん)

中国の歴史上唯一の女帝となった人物。日本では皇后としての側面を重視した則天武后という名称が広く浸透している。

武則天は、中国・荊州の官僚の次女として生まれ、14歳で唐の第2代皇帝・太宗(李世民)の後宮に入り才人(妃嬪の地位、正五品)となる。その才気を買われ太宗の寵愛を受けるも、太宗の崩御にともない出家。しかし、ほどなくして第3代皇帝・高宗(李治)に見初められ後宮に戻ると、寵愛をうけた武則天は高宗の娘を産む。

しかし、皇后の座を狙っていた武則天は、なんと自分の娘を自ら絞め殺し、それを子供のいなかった王皇后の仕業だとして、王皇后を皇后の座から蹴落とす。さらに皇后となった武則天は、王前皇后とライバルであった蕭淑妃(しょうしゅくひ)を百叩きにした上に、四肢を切断し、「骨まで酔わせてやる」と言って酒壺に投げ込む。正皇后と蕭淑妃の二人は酒壺の中で数日間泣き叫んだ後絶命したと言われている。権力を手に入れるためなら自分の娘をも手にかける冷酷さに悪寒がはしる。

こうして唐王朝の実権を握ると、病弱な高宗に代わって「垂簾の政」(すだれの奥から皇后かを皇帝を操つる政治)を行う。さらに武則天は、身内の武氏一族を重用する一方で、冷酷非道に子であろうと自らに反抗する者は容赦なく抹殺し、また密告により反対派を徹底して潰すなど、独裁的な恐怖政治を横行させる。

高宗の死語、中宗・睿宗という幼い息子を即位させるも、ついに690年に国号を「周(武周)」に改め、自ら皇帝として即位。病床に臥せがちとなり退位した705年まで中国史上唯一の女帝として君臨した。

(チャンネル銀河:歴人マガジンより引用)

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いやはや、錚々そうそうたる〈悪女〉のオンパレードであるが、「欲」は元より、どうやら、異様な「女の嫉妬心」が、彼女達の行動に大きな影響を与えているようである。

他には〈ポルトガル女王イザベラ〉〈イメルダ・マルコス〉〈エレナ・チャウシェスク〉〈サロメ〉〈江青〉・・・挙げれば切りがないのである。

そして、歴史の表舞台には出てこない幾多の〈悪女〉が存在するのも間違いないだろう。

ウチの家内?・・ウチの家内は、武則天ほどではないので有難いと思っているのである。


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