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人生という旅路で出会うもの

こんにちは。げしさんです。
久しぶりの読書ログ、今回はこちらの本をご紹介します。

ライフトラベラー~人生の旅人~(喜多川泰,2013,ディスカヴァー21)

久しぶりに読み返してみて

 以前の記事に喜多川泰さんのファンであることをお伝えした通り、著書は一通り全て読み、本棚の一等地には喜多川作品コーナーを作っております。
 ただ、本は買う派+積読が山ほどあるので、一度読んだ本は基本的に読まないことが多く、本棚の肥やしになっています。(最近は収納場所にも困ってきました・・・)

 そんな中、久しぶりに喜多川作品を読みたいなと思い手に取ったのがこの本です。
 その昔、発売と同時に読みましたが、8年前の作品ですので内容はうる覚えということもあり、今回新鮮な気持ちで読むことができました。今の自分にとってピッタリな言葉の数々で、改めて喜多川ワールドに引き込まれた次第です。

 ということで、今回はその中でも心に響いた言葉を3つご紹介したいと思います。

①人生を変える旅はどこまでも自由な不自由な旅(p.28略)

 本書は、卒業を目前に控えた男子大学生2人が海外旅行へ向かう準備の過程で行われるやり取りについてストーリー仕立てで書かれています。
 とはいえ、そこはさすが喜多川作品。人生における格言の数々が随所に散りばめられています。

 ざっくり内容を説明するとすれば、主人公の男子学生の一人が「人生を変える旅をしたい」ともう一人の主人公に対して話したことが、今回の旅のきっかけです。
 「どこまでも自由な不自由な旅」というのは、旅先でできるだけ「0」を「1」にする経験そのもののことだと述べられています。
 要するに、同じ旅行でもパッケージツアーなどは、宿泊先の手配から現地で訪れる場所や飲食する場所に至るまで、ほとんどすべてが決められていて、不自由が無い半面、自由も無い旅だということです。その方が、確かにストレスも少なく快適な旅になります。しかし、一方で自由も無くなり、0を1にする経験も得られないということになります。

 これは、旅だけに限らず日常の場面でも直面することですよね。その中でできることと言えば、如何に不自由さにつきまとうストレスに対して、自分を開いて適応していくか。そのストレスを越えた先には、これまでとは違った世界に出会える可能性があると思えるかどうか。
 もちろん、何でもかんでもストレスのかかる方を選んでいたらしんどくなるので、取捨選択はしていきますが、この感覚は忘れずに生きていきたいものです。

②経験だけが真の財産(p.49)

 財産と聞いて、お金や物を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。私自身もその一人です。
 しかし、本書では本当の財産は経験であると述べられています。なぜなら、お金や物はある分を使ったら終わりだけど、経験は何度使っても涸れることが無く、人生を通じて幸せを運んでくれるもの(p.44)だからということだそうです。
 言われてみれば確かにそうで、給料一つをとっても、年齢を重ねるから給料が上がると思われがちです。しかし、仕事を通じて重ねた経験に対して給料が上がっていくと思えば、経験の価値は高くなりますよね。しかも、それが自分にとってプラス・マイナスどちらの影響があったとしても、その後の人生に必ず活きてくると考えれば、どんな経験も無駄では無いということに気付かされます。
 同じ体験をしても、感情を含めて得られる経験はその人だけのオリジナルな価値を持つからこそ、様々な経験を重ねることの大切さを教えてくれたような気がしています。

③いまを生きる(p.66)

 「目の前にやってくることに全力で取り組めば、楽しく感じて、その中からやりたいことが湧いてくる」(p.66) 

 私は、「今=目の前に起こること全て」と捉えて、瞬間、瞬間を味わうことこそが、今を生きるということなのだと思っています。もちろん、先々を見越した未来のビジョンというものは、その後の指針として持つ必要があると思いますし、そこから逆算することが重要だと思っています。(過去の振り返りも同様)
 しかしながら、過去を取り返すことも未来を先取りすることもできません。そう考えると、尚更今この瞬間にフォーカスして生きることがとにかく大事なことのように思えます。
 
 その中で私自身、著者も講演会等でよく言っている「目の前に起こることを楽しむ」ことの大切さを身に染みて実感しました。というのも、詳しくは後述しますが、私はこの春から新たな世界に飛び込みます。
 先日、その受験をしましたが、「何があっても起こることを楽しむ」ということを心の中でつぶやき続けて挑んだ結果、合格という(現時点で)最大の目標を手に入れることができました。もちろん、その過程で対策は行いましたが、合格できた最大の要因は、試験自体を楽しむことができ、ほど良い緊張感で望めたからだと思っています。
 とはいえ、日常の全ての場面でそう思えているわけではないので、1日の中でその場面を少しでも増やしていけるよう、日々心を整えていくことの重要性を感じています。

メッセージを受けて

 著者が本書で伝えたかったメッセージは、①不自由の中から生まれる自由さ、②1つでも多くの「0」を「1」にする経験、③出会いの大切さの3点だと思います。
 
 これらを私自身の経験と重ね合わせてみます。
 
 やりたいことってなんだろう?何かおもしろいことないかな?
 日常の中で、ふとした瞬間にこんなことを考えてしまう場面はありませんか?そして、気付いたら何時間も動画を見たりゲームして過ごしてしまったり…。その後に抱くのは、時間を浪費してしまったという後悔。
 このようにモヤモヤした気持ちを抱えて過ごし、何かを変えたり新しいことにチャレンジしたいと思いながら、一歩を踏み出せずに過ごす日々…。

 私自身、この10年間こんな思いを抱えながら過ごし、大事な20代を棒に振ってきました。そんな20代を過ごし、依然モヤモヤした気持ちを抱えながら迎えた30代。ここ数年、やっと重い腰を上げて少しずつ行動を起こせるようになってきたところです。

 そんな中、私はこの春から人生の第2ステージとも言える、新たな道へ進むことを決意しました。
 丸10年勤めた会社を退職し、新たな地で新たな仕事を始めると共に、再び学問の世界へと足を踏み入れることにしました。
 
 ただ、この決断に至るまでには、様々な葛藤がありました。
 簡単に言うと、やりたいことをやるというワクワクする気持ちと、これまで積み上げてきたものを一旦リセットするという恐怖心が日々同居し、とにかくメンタルが不安定な毎日。当然、退職することになるので、同僚に一切相談することもできず、悶々とする日々。でも、期日は刻々と迫る。この精神状態は、できることなら二度と経験したくないと思っています。(笑)
 
 そのような精神状態から、今回の決断へ至る原動力となったのは、間違いなく人との出会いでした。途中に著者の連続講座への参加やコーチング等、様々な出来事がありましたが、これらとの出会いを導いてくれたのは全て人の出会いといっても過言ではありません。
 これまでの人生を振り返って、人との出会いが大事だと思ったからこそ、その直感を信じ、生み出された今回の決断
 本書の内容に無理やり重ね合わせるとすれば、人生の第2ステージにおいては、やりたいこと(目標)に向かいつつ、新しい人に出会って人生という旅路を航海していくために環境を変えるという表現の方が正しいかもしれません。

 新しい環境で経験することは、全てが0から1の経験です。加えて、環境が変わることで感じる不自由さの中から、自由を見つけていく楽しさ。そして、共に働く&学ぶ仲間との出会い。
 「旅」と「新生活」という、別のジャンルでありながらも、共通点が多い本書の内容。 
 春から新しい環境に身を置くにあたって、嬉しさを感じる半面、どこかスッキリしない気持ちを抱えていた今日この頃ですが、その不安を解決する一助として、今この時に読み返して良かったと心から思えました。
 
 一時間程度でサクッと読めてしまう本なので、新たな世界に飛び込むことへの不安を覚える方や、何気ない毎日に停滞感を感じている方などにオススメの一冊です。
 また、私自身、旅行は好んで行くタイプではありませんが、アフターコロナにはリュックサック一つでどこかに旅してみたいと思わせてくれるような素敵な一冊でした。

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