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noteを起点にゆるやかに繋がる関係性。キリンビールnoteのこれまでとこれから

オンラインはフィジカルな場かもしれない
インタビュー中にその言葉をお聞きして、ハッとしました。

SNSが普及する事で、情報の双方向的な「やり取り」が増えました。
一方的ではなく、お互いのやり取りによって生まれる関係性があるのかもしれません。
今回はnoteを活用して、ゆるやかな関係性を築いているキリンホールディングス株式会社 デジタルマーケティング部の平山高敏さんにお話を伺っています。

投稿コンテストに3000件以上の応募

ーnote開設の経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか?
キリンに転職して関わった仕事がEC サイトのDRINXでした。DRINXは直接買える場でもありながら、同時にコンテンツや読み物を提供しています。

取材の中でつくり手さんの話を聞くと、とても面白くもっと伝えられる場所はないか、と考えました。そんな中、僕個人がnoteで文章を書いていて、noteの独特なリレーションがある「街」で何か出来ないか、と思ったのがきっかけです。

ーnoteはいい雰囲気が流れてますよね。
noteのユーザーさんは、自分の言葉で発信されてますよね。
ファンになってくれる人が1人ずつ発信して下さるとしたら、その熱量が同心円状に広まっていくかもしれないなぁという期待はありました。

ー投稿コンテストのテーマもすごく秀逸だと思いました。そこのテーマに至った理由を伺っていいですか?
社会人1年目の私へ」については「企業ブランド」を考えている部門があるんですけど、そこが社会人1年目の方にキリンビールをもっと知ってもらいたいという課題が元々の骨格としてありました。
キリンとしては社会人1年目の方に「これからの実生活を応援したい」思いがあります。ただ「社会人1年目頑張れ」のメッセージが溢れている中で、僕達がやるべきことは何だろう、と。

僕自身がnoteを使っている中で、ユーザーさんが投稿するきっかけを欲しがっているのが分かっていました。社会人生活を何年か送り、今だから書ける事もあるしその実体験が社会人1年目の方の励みになるんじゃないかと。

1つきっかけを作ることで、皆さんが言いたいことを言える手助けができるんじゃないかなと思ったんですよね。

ーコンテストの応募自体は3000件以上来たわけですよね。反応は想定していましたか?

想像以上にたくさんの方からご応募いただき、驚きました。
全部読ませてもらいましたが、素晴らしい文章が多くて、僕自身が読んでて泣きそうになるくらい(笑)
noteユーザーの皆さんからもキリンが「いいよ。この街に来てくれて」と受け入れてもらえた感じがして、良かったなーって思いました。

ーコンテストを通して意外な気づきはありましたか?
キリンへの「ありがとう」っていう言葉がTwitter上で並んだり、コンテストがきっかけで受賞者の方がキリンビールのイベントを開催して下さったのは意図してませんでしたね。

次の投稿コンテスト「あの夏へ乾杯」にも4000件以上応募が集まりました。

その中で、あそこまではっきり「私はキリンが好きです」と言って下さるのは本当にありがたいと思っています。

キリンビール自体は宣伝しないコミュニティ。キリンビールサロン

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ーキリンビールサロンのコミュニティも始められていますよね?
あのコミュニティも元々は、工場で行っているビールセミナーの内容がきっかけです。
セミナーをもっと多くの方に知ってもらいたくて、募集のページをnoteにしたんです。

せっちん丸さんととみこさんのお2人をnote枠としてお呼びして、かつそのビールサロンはキリンビールだけじゃなくて他のビールも紹介する、ビールそのものを楽しむイベントにしました。
その中では、自社商品の宣伝は特にしておりません。キリンビールサロンはあくまでビールの魅力を知ってもらうためのものですから。

ー参加者は20代の方や女性の方が多かったとお聞きしました。
そうですね。加えてnoteをきっかけに来て下さったからなのか、参加者の方が凄く積極的に発信してくれているんですよ。

ーそれは嬉しいですね!当日の内容はどんな事をされるんですか?
サロン内容の1回目は、皆さんの思い出の一本を持ってきて下さいっていうオーダーだったんです。
そこはもう忖度しないで下さいとメールに書きましたが、本当に忖度しなくてキリンの商品を持ってきた人は1人くらいしかいなかった(笑)

ー宣伝を一切しないコミュニティ運営は特徴的ですよね。
ただ、新商品が出ると、キリンビールサロンの参加者の方がわざわざ見つけて買ってくれるんですよ。
キリンビールサロンのfacebookグループで商品の投稿を参加者の方がしてくれたり、キリンの商品をSNS上で薦めてくれるんです。

読者を信じて、伝え切る

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ー平山さんの仕事は、関係性を作り、深める印象があります。
大事な部分は、好きな人とどういう風につながるか、その好きな人が好きだよってみんなに言える雰囲気や環境を作る事じゃないでしょうか。
それが出来る場所がオウンドメディアだと思うので、想定以上に皆さんがキリンっていい会社だねって言って下さる雰囲気を最近は感じています。

ー関係性を作る上で、やっては いけないことは何だと思いますか?
ユーザーさんを見なくなったらおしまいだと思っています。
直接会わずともちゃんと向き合い続けるのは意識していますね。

noteだけではなく、TwitterもInstagramも一緒ですが、オンライン上のプラットフォーム運用に携わる場合は、自分がどっぷり浸からないと分からないことがあると思います。
後は主語を忘れないことですかね。
キリンの人格があって伝えたいことがあるのであれば、ブランドが主語を持ち「伝え切る」はやった方がいいんじゃないでしょうか。

ー「伝える」ではなく「伝え切る」なんですね。
キリンの記事は長いコンテンツもありますが、僕はあえて「書き切って下さい」と言ってるんですよ。
もちろん読みやすさの担保は必要ですが、読みやすくし過ぎる弊害があるかもしれません。読者の方が「分からないから」と勝手に決めつけて「分かりやすくし過ぎる」ケースもあると思います。

自分たちがちゃんとした素材を持っているなら、読者を信じてもいいと思うんです。もしかしたら読まれないかも知れませんが、それでも1万字に近い文量になるインタビューを出したりもします。

ー1万字ですか!
「伝え切る」っていうのは、読者の方を信じてるんですよね。
半年後にやっぱり、より多くの人に読まれなきゃだめだよねって思ってる可能性はありますけど(笑)。
今は読者の方を信じて作ってますが、noteのユーザーさんからの要望があればまた違った見解になると思います。

社内に必要な企業、ブランドの思想を言葉で表現出来る人

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ー以前、社内で書ける人が必要って仰っていたのが印象的です。「書ける人」について詳しく聞いてもいいですか。
「書ける人」はライティングの技術のみではなく、企業やブランドの思想を言葉で表現出来るかどうか、が大きいです。
キリンだと、クラフトビール、ワイン、ウイスキーなどお酒をつくってる人の言葉をまずちゃんと聞くこと、その人の想いを背負うことだと思っています。

ー「背負う」ですか。
その人が「どこを目指していて」「何を見ているのか」。
非常に難しいのですが、その人の想いやその人自身を背負ってnoteで記事化することになるので、下手なこと書けないんですよ。

ー重みを知ってしまうからこそ、背負うってことですよね。
テクニックは書き続ければある程度出来ちゃう部分があるじゃないですか。
でも、背負って書くか書かないかは一番最初のスタートラインで、ここが本当にに忘れがちです。

だから、僕はとにかく聞くんですよね。
インタビューは、基本的にはパートナーのライターさんが担当しますが、その前のコミュニケーションは僕が入ってます。

関係性を広め、深める。noteは起点であり、ハブになる

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ーnoteは起点でありハブであるって以前仰っていた記憶があり、詳しくお聞きしてよろしいですか?
noteがあることで、InstagramやTwitterへの繋がりが出てきます。
企業のビジョンや商品への想いを一番長文で伝えられるのがnoteです。そのコンテンツをInstagramだと、どういう色に変えて出したら良いだろう、Twitterならどういうふうに出したら良いだろうと考えていく必要があります。

ー最近ではInstagramとも連携したコンテストを開催されているのが印象的です。
例えば、Instagramで言えば「シーン」に惹かれる印象がありますよね。シーンで切り取った中に商品のこだわりや想いをInstagramの文脈に合わせて伝えることで、Instagramとnoteを行き来する人を増やせるようになるといいな、と思っています。

SNSは相互にやり取りが生まれますよね。なので、個人的には「フィジカル」な場所だと思っています。オンラインだからこその関係性を育てていくことで、共感されるだけでなく応援されるメディアになっていきたいですね。

ー平山さんの仕事のこれからについて、お聞かせ下さい。
関係性を「広める事」と「深める事」の両方を考えています。
今年はポプラ社さんや、cocoroneさん、山口さんとコラボさせていただきましたが、今後もこういった繋がりはより強くしていきたいですね。

より、共感してくれた方とはイベントなどオフラインで繋がるような事もしていきたいです。

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【プロフィール】
平山高敏さん
web広告代理店の営業、株式会社昭文社ことりっぷのwebプロデューサーを経て、2018年キリンホールディングス株式会社に入社。
現在は、デジタルマーケティング部にてキリンビールのnote公式アカウントやコミュニケーション戦略を担当。


文・編集/佐藤政也 撮影・デザイン/熊谷怜史

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目の前の人たちの幸せに貢献することが自分の幸せに繋がる、そのために成長する=「貢献のための成長」という考え方を大切にしています。2018年2月よりフラット型組織へ移行。働きがいのある会社ランキング5年連続入賞。ホワイト企業大賞「大賞」受賞。http://gc-story.com/