尾東タケシ

はじめまして。お笑い好きが高じて、お笑いについての小説を書いてしまいました。 それほど…

尾東タケシ

はじめまして。お笑い好きが高じて、お笑いについての小説を書いてしまいました。 それほど長くありませんので、読んでみていただければ幸いです。 好きなお笑い芸人:吉田さん(ブラマヨ)、武智さん(スーマラ)、林さん(ギャロップ)、石田さん(ノンスタ)

最近の記事

「お笑い」のプロになる 「お笑い講座 入門編」補遺12

「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺12を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。 「自分はライブにも出ているし多少なりとも給料をもらっているのだから、プロのお笑い芸人で間違いないですよね」 というメッセージをいただきました。ここでおっしゃっているプロとは、プロフェッショナルの省略形だと推察します。 プロフェッショナル(以下、プロ)には様々な定義がありますが、おしなべて「専門的

    • 大喜利は何が面白いのか 「お笑い講座 入門編」補遺11

      「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺11を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。 「大喜利が得意ではありません。どうしたら面白い答えを出せるようになりますか」 というメッセージをいただきました。 もともと寄席における大喜利とは、一度出演した芸人たちが中トリや大トリに再登場して、そのうちの誰かが司会役となって他の芸人たちに、なぞかけ・ベンベン・あいうえお作文・とんち問答などの軽

      • お笑いの「世界観」 「お笑い講座 入門編」補遺10

        「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺10を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。 「先日、舞台袖にいた先輩から『世界観がある』と言われました。喜んでいいのでしょうか」 というメッセージをいただきました。 そもそも世界観とは世界をどう感じるかというモノゴトの見方を表す用語なのですが、創作業界において意図的に敷衍された結果、その作品特有のフィクショナルな設定を指すことが多くなって

        • 「お笑い」の勝ち負け 「お笑い講座 入門編」補遺9

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺9を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。なお当記事におきましては、お笑い賞レースのブックメーカーを論点に含めておりませんので予めご了承のほどお願いいたします。 「お笑いの勝ち負けをつい意識してしまいます。みんなを笑顔にするために始めたはずだったのに」 というメッセージをいただきました。 ここでお笑い芸人の卵さんがおっしゃっている勝ち負けと

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          お笑いと「AI」 「お笑い講座 入門編」補遺8

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺8を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。(以下、敬称略) なお、当記事は「マクルーハンの光景 メディア論が見える」宮澤淳一著(みすず書房)を参考にさせていただいております。 「どうしてもネタが書けません。AIに書いてもらってもいいですか?」 というメッセージをいただきました。 このメッセージを受けてお笑いにおける生成AIの役割について考え

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          人を傷つけない笑い 「お笑い講座 入門編」補遺7

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺7を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。なお当記事におきましては、「傷つく」という語彙は「感情などが損なわれる」という意味で使用しております。また「あきらかに他人が笑われていても、自分が傷ついてしまう傾向の方」については論点に含めていませんのであらかじめご了承のほどお願いいたします。 「自分は人を傷つけたりするのはイヤなので、人を傷つけな

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          お笑い芸人の「自信」 「お笑い講座 入門編」補遺6

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺6を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。 「『自分が世界で一番オモロイ』と思っていたのですが、養成所に入ってからその自信がグラついています。どうしたらいいでしょうか」というメッセージをいただきました。 それにしても、「自信」とは一体何なのでしょうか。 ものの本によりますと、自信とは「自分の能力や価値を信じること」あるいは「自己肯定感」と

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          「お笑い」は誰のもの? 「お笑い講座 入門編」補遺5

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺5を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。なお当記事においては、著作権および著作隣接権を含む法的権利ならびに誹謗中傷などの人権侵害を論点に含めておりませんのであらかじめご了承のほどお願いいたします。 「お笑い評論家が嫌いです。特に、自称お笑い評論家がゴチャゴチャ言ってくるのは不愉快です」 というメッセージをいただきました。 お笑い芸人の

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          お笑い芸人の「青春」 「お笑い講座 入門編」補遺4

          当記事は「お笑い講座 入門編」の内容を直接的に補うものではありませんが、お笑い芸人の卵たちへの応援歌として書きましたので「補遺4」とさせていただきます。(以下、敬称略) 「自分は思い出づくりのためにお笑い芸人になったので、売れなくても構いません。仲間と『青春の答え合わせ』をしたいだけです」というメッセージをいただきました。 この方が、「芸人として売れて金持ちになりたい、イイ車に乗ってモテたい、ゆくゆくはタワマンに住みたい」などという欲望を仮面の下に隠しているだけなのなら安

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          お笑い講座 入門編

          AIを専攻する大学生「僕」は、お笑いサークルに入りそびれたこともあって、ある芸能事務所が主催するネットのお笑い講座を受講することにした。そこには、中年男性の講師と性別も年齢もバラバラな受講生8名が参加していた。「僕」は各受講生の個性の強さや講師の発する「笑いとは何か」や「人はなぜ笑うのか」などの根本的な問いに右往左往しつつ、お笑い芸人として売れるための必要条件やマンネリの効用、笑いの「対象」・「標的」という2つのターゲットなどの講義内容に関心を寄せていく。そして「第三者を笑い

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          「面白くない」の活用法 「お笑い講座 入門編」補遺3

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)補遺3を上げさせていただきます。当記事にも本作の内容に触れざるを得ない箇所がありますので、ネタバレを好まない方は事前に本作をご一読ください。 「こっちの苦労も知らない人から『面白くない』とか『笑えない』とか言われるのは心外です」というメッセージをいただきました。 面白いと言ってほしいから芸人をやっているのに、否定的な反応をされるのはあまり嬉しいものではないですよね。でも「面白くない」とか「笑えない」と言ってもらえるのは、今のうちだけかも

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          「お笑い」のコンプライアンス 「お笑い講座 入門編」補遺2

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)を公開してから既に1ヶ月近くが経ち、その間に寄せられたご指摘に応える形で「自作解題にかえて」や「補遺」を上げることもできました。 その後さらに様々な感想をいただき、中には「お笑い芸人の卵応援団」の一人としては無視できない内容も含まれていたため、その内の一つに対する考え方を「補遺2」としてアップいたします。 なお当記事につきましても本作に目を通された方を想定読者にしている関係上、若干のネタバレを含むことになるかもしれません。ネタバレを好まない

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          お笑い芸人が幸せになる方法 「お笑い講座 入門編」補遺

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)を公開してから3週間以上が経ち、寄せられたご指摘に応える形で「自作解題にかえて」という記事も上げさせていただくことができました。 おかげさまで「お笑いに人生を賭けようとしている若者に応援歌をとどけたい」という作者の意図を、以前より多くの方に受け入れていただいたような気もします。一方で、本作では十分な記述を尽くせなかった点についての様々なメッセージをいただくことにもなりました。その中には、何らかの対応をすべきではないかと思われるものもいくつか

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          「お笑い」にマーケティングを! 「お笑い講座 入門編」自作解題にかえて

          「お笑い講座 入門編」(以下、本作)を公開してから約2週間が経過し、この間note内外から様々なご質問・ご批判を受けたにもかかわらず、諸事にかまけてそのままにしてしまいました。大変申し訳ありませんでした。そのかわりと言っては何ですが、短い記事を上げることにいたしました。これをもって返信にかえさせていただくことを、どうかお許しください。 1.本作の執筆動機について 作品は書き手を離れた瞬間に読み手の物になりますので、どう受け止めるかは読み手側の自由だということは理解している

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          お笑い講座 入門編

          「では、定刻になりましたので始めさせていただきます」 ワイヤレスイヤホンから聞こえてきた中年男性の落ち着いた声に、慌ててパソコンのモニターの方へ向き直った。 画面全体は九分割されて、真ん中に講師と思われる中年男性のバストショット。その周りに少し小さな画面が八つ、講師を下から取り囲むように配置されている。 僕はどこかな? 講師の左下の角にパンダのイラストが映っている。僕のアバターだ。 「本日は、FSC主催オンライン版お笑い講座入門編を受講いただきましてありがとうございま

          お笑い講座 入門編