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さらばポメラ【日記2】

 長いことポメラを使ってきた。

 ポメラというのは、キングジムから出ている電子メモ帳である。
 軽くて電池長持ち、起動が早く、機能は(ほぼ)テキスト入力のみ、というシンプルさがうけて、作家やライターには愛用者が多い。


ポメラ(DM20)。筆者が使いだしたモデル。

 ノートパソコンなどは余計な機能が多いし、何より重い、バッテリーももたない。ゲームとかで遊んじゃう誘惑も多い。
 その点ポメラは文章を書くだけ。しかも安い。いいことずくめである。

 これを持って、あちこちの喫茶店に出かけたものだ。

 折りたたみキーボードのモデルの後も、大型化したが使いやすいモデルも出た。
 これも買った。

ポメラ(DM100)。辞書もついた。便利!

 これはこれで使いやすいし、膝の上に乗せて打ったりもできるので重宝した。これで色んな小説や脚本を書いた。
 さらにディスプレイが大型化してevernoteにもつなげるモデルがでた。

ポメラ(DM200)。今年の初期まで使ってた。

 これも買った。
 初期モデルよりかさばるが、ゆったりしたキーボードは打ちやすく、これまたあちこち持っていった。
 Twitterにこいつの写真をのっけたらなぜかバズったこともある。

 だが最近はクラウドに保存が当たり前で、さらに複数のファイルを同時に開いたり、調べ物もささっとしたくなってきた。
 原稿を直接編集部に送れないのも地味に辛い。
 Wi-Fiに繋げられないことはないのだが、Googleのセキュリティに拒否されることが多くて実質、役に立たない。
 ポメラではどうも能力不足を感じることが多くなった。

 しかもそこに新モデル(DM250)が出てきたのだが、これがーー高い。
 六万円である。
 もうiPadが買えてしまうではないか。

 売り文句も「文章のプロ向け」のハイエンド感が漂っていて、しかもシナリオモードなんて機能までついてる(たぶんプロは使わない)。
 もはやポメラに「安くて便利な電子メモ」の面影はなくなりつつある。

 潮時か。
 そう思ってしまった。

 自分の仕事のスタイルも変わってきている。
 前は執筆中、ネットに繋がるのを避けるためにポメラを使っていたのだが、最近はガマンできるようになってきた。iOSなら集中モードもあるし。

 そういうわけでポメラをやめた。
 気分転換の意味もある。
 どうせなら身軽さを徹底しようと考えて、日頃使ってるiPhoneに折りたたみキーボードのみという構成にしてみた。

文章書きなんて、これで十分。

 アプリはWrix2というテキストエディタだ。昔の秀丸ライクだがGoogle driveやDropboxにアクセスできる。
 何より文字数・行数が指定できる(これができないアプリのなんと多いことか!)。
 この構成ならドトールとかの小さなテーブルでも執筆できる。

 二〜三か月はこれで仕事をしていた。
 でもまあ、やっぱりさすがに画面が小さくて疲れる。
 調べものもやりづらい。
 キーボードも打ち間違いが多くなったような気がする。
 バッテリーは十分もつんだが。

 特にキーボードは少しはいいものを買った方が良さそうだ。
 (そういう意味ではまたポメラに戻ってもいいのだが)
 それで今はこういう構成になった。

iPad(第6世代)とロジクールのMX Keys Mini

 うちでほとんど電子コミック専用機となっていた古めのiPadを、ダイソーで買ったタブレットスタンドで立てた。
 キーボードだけは高級にMX Keys Mini(17,000円くらい)。
 で、アプリは同じWrix2。
 かさばるし重いが、まあ許容範囲だ。ノートパソコンよりはずいぶん軽い。

 これはいい!
 画面のサイズも十分だし、キーボードの打ちやすさも申し分ない。
 調べものや辞書はスライドオーバーで表示。
 文章を打つなら、古めのiPadでも十二分の働きをしてくれる。
 というわけで、ここ三〜四か月はこの構成で仕事をしている。

 膝のせで書いたりはできないが、野外でやりたい時はまたポメラを使ってもいいだろう。

 そんなこんなで、執筆環境の話でした。

(おしまい)

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