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What is ”GAP YEAR“??②〜僕たちのギャップイヤー~

3. 僕たちのギャップイヤー(川口編)

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・どうして、休学したのか

川口:ではまず川口のギャップイヤーの紹介についてなんですが、そもそもなんで休学をしたのかっていうところで、振り返って整理してみました!

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まず、まだ就職したくなかった
大体3回生の終わりごろから就活を始める人が大半の中で、正直まだ就職したくないっていうのが大きかったです。
もっと色んな国を見て回りたいし、そこでもっと遊びたいし。(笑)
3回生から始まったゼミの影響で、もっと勉強したいっていう気持ちもあって。
そんな感じだったので、今の川口は就活をすべきでないっていう流れで、休学を選択しました。

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っていう感じなんですが。
正直、さっきの3つの理由はあくまでも建前でしかなくて。

本当はこのスライドにもあるように、休学をしてみたかった(笑)
あとは立ち止まりたかった。これが本音でした。

色んな人達の休学やギャップイヤーの話を聞く機会が多かったのもあって、
「じゃあ自分も休学してみるか」っていう気持ちがありました(笑)

そんな時に新型コロナウイルスの流行が始まり…

「あ、これから世の中が混乱していきそうだな」っていうのも直感的に感じていて。このまま、自分の気持ちも整理できないまま就活をするのか、就活をせずに時を進めるか。どちらも今の自分には適さないなって考えていました。

そもそも社会のことを知らなさすぎるし、どんな仕事があるか知らないし、自分は何がしたいかわからないし。だから、このまま進むことは逆に自分にとってマイナスになる。立ち止まった方が自分にとってプラスだ。当時はそう考えていました。

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・ギャップイヤー中、何をしていた?

では、ギャップイヤー中、何をしていた??っていう話なんですが、
本来、休学して一番したかったことは海外に行くことだったんです。

そんな中、コロナがやってきてしまうんですね。

ということは海外に行くことはほとんど不可能…
そんな未来が確実に予想できました。

もちろん周りの人は、「本当に休学するの??」といったように反対の意見がたくさんありました。
それでも休学を選択したのは、勉強をもっとしたかったから。
海外はあくまでも勉強の手段の一つ。他に勉強の方法っていくらでもあるよねってことで休学に至ります。

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とはいえ、目の前の目標が消えたのは事実で。(笑)
どうしようかなって考えた時に、自分が就職をしたくなかった一つに社会のことが知らなさすぎることがあった。じゃあ、社会、仕事のことについて勉強しようと考えました!

じゃあどうやって社会、大人の人たちとつながろうかなってなったときに、たまたま大学の先生が学校の近くで、地域食堂を開いていらっしゃったんです。
近くに面白そうなところがあるじゃないか!!ってことで、ここに足を運ぶようになりました。

「ここに集まる人はどういう思いを持っているんだろう?」
「ここで働く人はなぜここで働いているんだろう?」

こんなことをたくさんの人たちから聞くことができました。

そんな中で、そこで働いていたある人との出会いがありました。
その人は大阪・ミナミで、困った人たちを支援するお節介屋さんで(笑)
しかも、メディアなどにも取り上げられていて。

これは面白いぞ!?ってことで、その人にずっとついて回らせて、たくさん勉強させてもらってました(笑)

そんな生活の中で、その人が独立して福祉団体を立ち上げるかもしれないということを聞き、「これはチャンスだ!!」と思い、一緒にその活動に参加させていただくことになりました。

その活動の中で市役所や府庁に訪れたり、NPO法人の方に会いに行ったりと、目的であった色々な形で大人や社会と携わることができていました。

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後は、今授業をしているように、昨年も先生に協力していただいて、ギャップイヤーの授業をさせてもらいました。

自分がギャップイヤーの授業を受けた時に、先生が授業をするよりも実際に休学を経験した僕たちからギャップイヤーのことを伝えた方が、リアルで面白んじゃないかなって思ったのも、実は休学の理由のうちの一つで。(笑)

自らが休学を経験して、休学のことを伝えて、広めたい。

これが実は一番やりたかったことなんじゃないかなって振り返って思います(笑)

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・休学を終えて

こんな感じの休学生活を送っていたわけですが、振り返ってみて大切だなって思うことを3つ挙げてみました。

1つ目は、今日の授業の目的にもあった「当たり前のアップデート」
僕がアメリカに滞在していた時に、写真にもあるように仲良くなったアジアの若者たちが僕の当たり前をぶっ壊してくれたんです。

例えば、自国の大学を卒業後、他国の大学に行く子がいたり、
僕と同い年だけど、飛び級してもう卒業する子がいたり、大学生でありながら、エンジニアとして働いている子がいたり。

それぞれの国で、それぞれの当たり前がある。

じゃあ、今日本で生きている自分が持っている「当たり前」って本当に当たり前なのかと考えさせられたことが休学を踏み切れた要因の一つにありました。
それに加えて、役所で働く人、NPO法人で働く人、生活支援を受けている人、たくさんの人達と出会う中で、それぞれの考えを聞けたことも、自分の「当たり前」のアップデートに繋がりました。

2つ目は、「結果を求めすぎないこと」
これは休学のデメリットでも言ったように、「なんで休学をしていたのか」と理由を求められることがある。しかし、結果だけが先走ってしまうと、中身が伴わないという風に感じています。

また僕が休学中に取り組んでいた福祉団体の設立。
結果としては団体設立には至らなかった。終わってみれば、色んな場所に行って、色んな人にあって情報収集をしていただけだった。
一緒に大人たちと活動していたけど、結果は残らなかった。
それだけ結果を出すことは難しいということを痛感しました。

今、結果は出なくても、自分が今できる目の前のことを一つ一つ積み重ねることで、いつかの結果に繋がる。だから、目先の結果を求めすぎないことは大切だと考えています。

3つ目は、「自らアクションを起こすこと」。
これは休学以外にも言えることだと思うんですけど、今こうして授業ができているのも自分からお願いをしたから、自分のやりたいことができている。
自らアクションを起こしているから、いろんな話も舞い込んでくる。

自分からあの地域食堂に足を運んでいなかったら、色んな大人に会うこともできていなかったし、社会を知ることもできていなかった。

休学中においても、人生においても、何をしても良い。
でも自分からアクションを起こさない限りは何も起こらない。

休学を経て、ひしひしと感じました。

以上が僕のギャップイヤーです。

3. 僕たちのギャップイヤー(高倉編)

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高倉:では、僕のギャップイヤーをお話ししていきます!
まずこのスライドなのですが、実はこれ、去年の授業でも使わせていただいたもので、「7ルール」という番組のものを真似しました(笑)

自分の人生の7ルールを挙げるというワークなのですが、自分を振り返る上ですごくいいツールでした。ちょっとカッコつけた言葉も入っていたりするんですが、自分の譲れないものを7つ挙げることって意外と難しくて(笑)

就活する人とかにもおすすめなので、ぜひやってみてください!

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・どうして、休学したのか

僕がギャップイヤーを選択した目的としては「自分をもっと知る」「自分に素直になる」の2つがありました。

僕はどちらかというと、すごく周りの意見を気にするタイプで、(この人はこうしたら喜ぶかな?)(こうしたら、かっこよく見られるかな?)とか、周りの意見が常に頭にありました。
でも大学一年生の時に、そんな自分の考え方が大きく変わるきっかけがありました。そのきっかけが、大学1年生の時に一緒にボランティアをしていたエクアドル育ちの帰国子女の子で、とてつもなくわがままなやつでした(笑)

ほんっと、何気ないことでもなんでも誘ってきて(笑)
こっちのこと考えて誘ってないやろ!!ってこともたくさんあって。でも、今考えると、参加するしないを選択する権利は自分にあるのに、そうやって誘ってくれたどこがわがままなんだろうって。その子との出会いからは色々と思うことがあって、もっと自分も素直になって良いんじゃないかなって思う機会がありました。

それから、就活で自己分析などを進める中で、自分の価値観や好きなことなど、自分について何も知らないことも不思議で(笑)

そういう気持ちから、「自分に素直になる」「自分をもっと知る」の2つを目的として、休学を選択しました。

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とはいえ、休学を選択するにおいて、不安なことはたくさんあって。

例えば、周りと比べて1年遅れるにあたって、その間に周りの子たちは社会に出てたくさんの経験を積むこと。そこで一年間の経験の差が生まれるんじゃないかと。だから、周りのみんなが一歩先に行っているように感じていました。

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でも、困ったときは自分の座右の銘である「やらぬ後悔よりやる後悔」にカムバック。元々、長期で留学に行きたかったけれど、短期間でしか行けていなかったり、自分と向き合う時間がまだまだ足りなかったり。探せば探すだけ、休学をする理由が見つかりました。そして、最終的には、休学をしなかった場合の後悔の方が大きいと思ったからこそ、僕は休学を選択しました。

・ギャップイヤー中、何をしていた?

僕は、休学を利用してデンマークに留学することを決めました。デンマークに決めた理由は、一冊の本との出会いがあったから、そして学びたい参加型デザインのメッカのような場所だったからという2つの理由がメインです。ワーキングホリデーの協定国に該当していたという事も、理由のひとつではあります。

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①ギャップイヤー
僕がデンマークに留学中に何をしていたかというと、現地でインターンシップに参加していました。先ほど留学という言葉が出てきましたが、実は留学ではなく、ワーホリという形でデンマークに渡航しました。

インターンシップ先の会社は、日本と北欧の貿易コンサルティングを行う会社でした。ひたすら、街中を歩きまわって記事になりそうな内容を探して記事を作ったり、業務依頼の調査を行ったりということを繰り返していました。

これから就活をする人達へのアドバイスとしては、インターンシップって非常に大切で、その会社のことを内側から知ることで、実際に入社したときにその会社と自分が合うのかどうかを肌で感じることができる。
そして、営業や広報のように、たくさんの仕事の種類をインターンシップの段階で経験しておくことで、入社後の業務内容のミスマッチを減らすことができる。

それから、インターンシップで、大人たちと仕事をする中でたくさんのアウトプットも求められるので、そういう部分でもインターンシップは有効だったなと感じました。

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実際のインターンシップの様子はこんな感じでした!

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②様々なアクティビティ
インターンシップ以外には、様々なアクティビティもしていました!
例えば、中学校の地理で習ったフィヨルドの観光。当時は写真だけ見て、なんやそれ??って感じだったのが、実際に間近で見てみると、教科書で習うつまらないだけのカタカナとは違って。その他にも、色んな日本との違いを知りたくて、写真の場所をはじめとしたちょこっと旅をしていました。

休学においても、制度自体は聞いたことあるけれど、どんなものかは想像つかない。でも実際に体験してみることで、学ぶことがたくさんあったように、自分で実際に体験して学ぶことの大切さに気付けた気がします。

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③毎日日記
休学期間、僕は毎日日記をつけていました。これがすごくおすすめなので、是非やってみてほしい!!(笑)

特に休学中は今までにない色んな体験、情報が飛び込んでくるのであっという間に日が過ぎていってしまう。ただでさえ、時間があっという間に過ぎていく日々だったのですが、この日記を始めてからは、すごく時間の流れがゆっくりに感じられるようになっていきました。

日々の中で自分が感じたこと・思ったこと・経験したことを、自分の言葉で残しておくことで記憶に留めやすくなる。それを続けることで、一日一日の重みが増したように感じます。でも今は週2回くらいしかできていないんですけど(笑)

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・毎日日記のルール
この毎日日記をするにあたって、僕は2つのルールを掲げていました。

1つは、「他人に見られるなんてことは考えない」ことです。
あくまでこれは、自分に素直になることが大前提。僕は当初、気取った言葉で日記をつけていたので、いざ振り返ってみると(ダサっ、、、)て感じることもありました。でも、その時の素直な感情なので、それはそれで味があっていいなと思ったり(笑)

もう1つは、「固定の内容と自由の内容に分ける」ことです。
固定の内容があれば、毎回内容を考えなくてもスラスラっと書き始めやすいので、続けやすさの点からこのルールを設けました。

毎日日記は自分と向き合う上で、本当におすすめなので、是非やってみてください;)

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・休学を終えて

以上が休学ライフの簡潔な説明だったのですが、僕もギャップイヤーを終えて大切だと思うことが3つありました。

1つ目は、自分に素直でいること。
→決断を迷っている時には、しない・できない理由はいくらでも出てきます。しかしそれと同時に、自分に素直になるとしたい理由もたくさん出てきます。休学を決断したときに、自分に素直になって双方を並べてから決断することの大切さを学びました。

2つ目は、他人の恩は遠慮なく受け取ること。
→僕は、デンマークで家から追い出された時に友人に支えられたり、大人に面白い経験をさせてもらったりと、たくさんの恩を受けながら休学ライフを送りました。恩は、受けて初めて、その大切さが分かるものだと思っています。だから、頂ける恩はたくさん頂いて、周囲で困っている人に返すもよし、かつての自分に大人がしてくれたように、自分が次の世代に恩を繋いでいくことが大切だと思います。

3つ目は、価値観は変わりゆくものということ。
→気がつけば、かつて大切だと思っていたことが大切じゃなくなったり、もしくは、その逆の状態が起きていることがあります。でも、その価値観の変化は、新たなものを見聞きして出来上がった今の価値観なので、決して恐れなくてもいいと思います。大切なのは、新たな情報全てを取り込むのではなくて、自分の中で一度、咀嚼してから今の価値観に取り込むべきかを決めることだと思っています。

ちなみに気になっているであろうこの写真の人物は、デンマークに滞在時、住まわせてもらっていた老夫婦と大喧嘩して、追い出されたときに救ってくれた恩人です(笑)
彼は25歳のデンマーク人で、大学2年生(2021年当時)です。年齢は上だけど、自分よりも学年は下に当たるんです。ちなみに、彼もギャップイヤーを経験しています(記事はこちら)。大学卒業後は、大学院に進学し、その後働くかどうかもその時に決めると言っていて、デンマークで身近にあったカルチャーショックでした。

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周りの反応

川口:以上が僕らのギャップイヤーでした。それでは、実際に休学を選択した自分達が、周りからどのように見られていたのかについて、少しお話ししようと思います。

・プラスな反応

プラスな反応で言うと、まず「休学した僕たちへの羨ましさ」がありました。「休学」という選択しにくい選択をして、休学に踏み切って色んな経験を積んでいて、すごく羨ましいと言ってもらった印象が大きいです。

他には、「自分自身に興味を持ってくれる」ことが増えました。休学をしている人が少ないからこそ、「休学中どんなことをしていたの?」と、学生だけでなく、大人も興味を持ってくれることが多かったです。一方で、プラスの反応だけではなく、マイナスな反応もあったことも事実で。

・マイナスな反応

さっき高倉が話したみたいに、自分達は社会人になって働こうとしている中で「まだ学生しているの?」と直接言われることはなくても、そういうような見方をする人も中にはいました。

後は、やはり休学を選択する人が少ないため、なかなか理解されないこともあります。せっかく休学したのに、何も結果がなかったのであれば意味なかったんじゃないの??とか。

まあ僕から言わせてもらえれば、「逆に休学して、のんびりフラフラすることはできますか??」って感じなんですけど(笑)

高倉:この「理解されない」というところは、少し救いだと思える点でもあって。「休学なんてダメだ!!」という感じで反対されるのではなくて、「休学とは??」という感じで、親世代や年配の方などから「理解」が得られていないだけなんです。

これって僕たちにとっては救いで、「休学」が何者かハッキリしていないから理解できないだけだということに気づけたんです。だから、様々なギャップイヤーライフを紹介することで、何者かを示していこうということで、私たちはこの授業や記事作成をしています。

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川口:じゃあ実際にインタビューした中で、どんなギャップイヤーライフがあるのかを説明すると、

・パイロットの夢を目指すために、休学して勉強する
・ママチャリで日本一周を目指し、休学し、自分の居場所が見つかった
・学校が嫌で、休学して、オーストラリアに旅立つ
・休学して、長期インターン
・世界一周

こんな人たちがいました。

僕は100人いれば、100通りのギャップイヤーがあると考えています。
例えば、世界一周を例に考えてみても、人それぞれ世界一周に至る経緯は異なるし、それぞれ世界一周での目的も違うだろうし。

色んなギャップイヤーライフを知ってもらう中で、自分のより良い選択に生かしていただければいいなって思っています。

What is ”GAP YEAR"??③に続く


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