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自閉症と自尊心【この靄を抜けて】小説


私は価値の低い、大切に扱われなくて当然の人間なんだ。

これは被害妄想とかではなくて実際にそうだった。

周りが動き回る中、ただ何もせず、ぼーっと傍観しているだけのまま何年も経っていくのがわかった。

そんな事を相談したって「そんな事ないよー何言ってるのよー」と言われて終わるだけで、親は何も見えてなかった。

私がただ止まっている事も周りが動いている事も

親からちぁんと注意してないからーと言われればその通りだったかもしれない。しかし、ずっとちぁんと注意している事なんて疲れすぎてできない

それも私が悪いんだろうか。

そもそもの生き物としての性質がちがうようにしか思えなかったが、変わるしかないんだという言葉に鼓舞されるしかなかったのだった。

無気力な自分を奮い立たせて3年、
明らかに新しい精神病の症状が顔w出していた。

恐怖心で確認しすぎてしまう。

異常なほどの確認癖。
テレビで不安症という特集を見かけた。

これに違いなかったが、どうする事もできなかった。だって、どうせ精神科で薬図家になり戻したりすることを繰り返すだけだったから。
理解されない世界でわたしにできる事と言えば、社会的なブランクを少しも作らずに「普通」に過ごしているフリをする事だけだった。

自分をさらけ出したら迫害されるだけなんだから。

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発達障害という言葉がない時代を生きた私の普通の人として歩んだ人生録。

まだ発達障害という言葉が世間になじみがない頃に生まれた私。 普通の子として人生を生きて生きた私の「大人になるまで」をここに記録しました。

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当事者しか描けない必死で自閉症を生き抜いて、大学まで卒業した人生を追体験できます。社会からの迫害の有様、当事者の身に起こる不可解な症状。誰にも信じてもらえない孤独。誰にも言語化できなかった当事者の感覚から、最新の脳の医学知識まで知る事ができ、物語としての迫力と感動満載のマガジンです。

当時世間にまだ知られていなかった、重度の発達障害を抱えて生まれてきた「私」の半生を描いた自伝小説。 社会から迫害されないように「普通」でい…

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