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絵本『どろんこハリー』にみる無邪気な愛情表現

『どろんこハリー』
文:ジーン・ジオン
絵:マーガレット・ブロイ・グレアム
訳:わたなべ しげお
出版社:福音館書店

<あらすじ>
ハリーは、黒いぶちのある白い犬です。なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ハリーは体を洗うブラシを口にくわえて逃げだして、ブラシを裏庭に埋めました。それから、家の外に出て行ってしまいます。泥だらけ、すすだらけになったハリーが家に戻っても誰も分かってくれません。がっかりしたハリーが、裏庭でブラシを見つけ出し、わんわん吠えると……。

福音館書店HP

冒険心豊かで活発なハリーは外遊びが大好きで、色々な場所で泥だけになって遊びます。
自分の体が汚れてしまうことなんてお構いなし。

我が子たちも、このハリーと同じようにどろんこ大好きでした(笑)
遊んでいる時は夢中で、服が汚れていることに気付きもしません。
泥団子作ったり、オタマジャクシなど水の中の生き物を捕まえては泥だらけ。小学生になって少しは成長したかと思いきや、野球やサッカーで夢中になり、やっぱり泥だらけ💦
いっぱい遊んでお腹が空いて、家に帰る頃になって、ようやく服を汚してしまったことに気付きます。
玄関先で服を脱がせて、抱きかかえてお風呂場まで連れて行ったこともありました。
一日に何回も洗濯をするのは、元気な子どもがいる証拠だと自分に言い聞かせて諦めていました(笑)

ハリーは汚れいている自分では家族に気付いてもらえないので、必死に様々な芸をして「僕がハリーなんだよ」と気付いてもらおうとします。
それはやっぱり家族みんなと一緒に暮らしたいから。
芸をしても気付いてもらえなかったハリーは、穴の中に隠しておいたブラシを咥えて、家族に大嫌いなシャンプーをせがみます。
芸を披露するのもシャンプーをせがむのも、ハリーなりの愛情表現のひとつ。安心できる自分の居場所を取り戻したい一心なのです。
そして絵本の最後のページの言葉が素敵です。

じぶんのうちって なんて いいんでしょう。
ほんとうに すてきな きもちです。
ばんごはんが すむと、ハリーは、おきにいりのばしょで ぐっすり ねむりました。
そして、どろんこになって とっても たのしかったゆめをみました。


家族に受け入れられて安心して、遊び疲れて眠ってしまうのですが、どろんこになった事を懲りた訳ではなさそうです(笑)
この事も幼い頃の我が子と重なるところ。
どろんこは元気な子どもの勲章と思っていた方がよさそうです(笑)



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