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「目からウロコ」の本day2「薔薇の名前」

長い間ストップしていたブックカバーチャレンジ駅伝、再開です。

今回は、ウンベルト・エーコのミステリー小説「薔薇の名前」。
私はまず、映画で観ました。

映画「薔薇の名前」

主演のショーン・コネリーが、宗教裁判で批判を受けたことのある、高名だが進歩的すぎる修道僧ウィリアムを演じ、ウィット溢れる演技が好評でした。
誰が、何のために、何を隠そうとしているのか。
ウィリアムが核心に迫ると、また殺人が起こる、金田一耕助みたいな展開。
中世イタリアの修道院、変死、宗教裁判、迷路の図書室、模写本の妖しい美しさ、魔法使いみたいな僧院長の容貌など、ワクワクドキドキする道具立て満載の映画。
おどろおどろしさの中、パズルを解いて進んでいくような緻密な伏線をたどるのが面白く、今でいえば「ダビンチ・コード」くらい評判になった記憶があります。

封切当時は、筋ばかり追って、イマイチよくわからない部分があったのですが、
後にテレビでの吹き替え放送を久しぶりに見たら、描写一つひとつに緻密に意味が盛り込まれていて、ものすごく感動しました。

原作小説「薔薇の名前」(上下)

原作を読んだのは、それよりもかなり後。
古本屋で、偶然、それこそ「カバー」に惹かれて買いました。ぶ厚い上下2冊本です。めちゃくちゃ面白くて、圧倒された! 

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お恥ずかしいことに、ウンベルト・エーコがすごい人だということを、これを読むまで知りませんでした! 映画は何度も見ていたのに! 原作が発行された当時「今世紀最高の傑作」とか言われてた理由を実感しました。
とにかく、百科全書的なマルチ教養をエンタメにする力がものすごい!

ぜひ読んでいただきたいです。長い小説に慣れていない人は、映画を観てから読むのをお勧めします。

映画「ナインス・ゲート」もオススメ

もう一つ、関連で紹介したい映画が「ナインス・ゲート」
監督ロマン・ポランスキー、主演ジョニー・デップです。
(リンクを貼ろうとしてページを見たら、関連オススメ作品に「薔薇の名前」が入っていて、やっぱりこの2作はテイストが似てるんだろうなー、と思いました)

「世界に3冊しかない古書を、探し出してほしい」。
1本の電話だけにもかかわらず、破格な報酬に食指が動いて依頼を引き受ける男が、ジョニーデップ。 ある蔵書家の遺産整理に古本屋が来る前の、その間髪を縫ってデップが首尾よく1冊目を得ると、その晩、第一の殺人が起こる・・・。

情報をたぐってヨーロッパ中を駆け巡るデップ。
その先々で古書の持ち主が殺されていく。
ある時は彼を助け、ある時は罠にかける、猫のような妖気を漂わせる美女は誰か。
その古書の挿絵が示す謎とはなにか。

もう、面白すぎて、テレビの前から離れられない~!

実は、外出するちょっと前に何気なくつけたTVでやっていたのです。
たまたま映ったのが「ナインスゲート」でした。 しかし、出かける時間が迫る・・・。これは、最後まで見ないことには、成仏(?)できない。
仕方がないので、あと10分ってところで録画して家を出ましたが、 バスに乗っても私の心はデップが潜入したフランスの館の地下室へ。

そして帰ってきて最後まで見た。
「え~っ!? こんなのあり~!?」
・・・っていうのが、正直な感想。
ラストシーンについては、賛否両論あると思いますが、 とにかく一見の価値あり。
謎解き、サスペンス、そしてデップが好きな人なら、 絶対見るべし!




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