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アジアカップカタール2023 日本vsイラン「激戦も日本散る」選手採点あり(2024/2/3)

2024年2月3日に行われたサッカーAFCアジアカップ2023で、日本はイランと対戦し1-2と敗戦しました。
この結果、日本はベスト8で大会を去る事になりました。
ここでは、敗戦の理由の分析や選手の採点等を掲載しています。
サッカー観戦好きの唯の素人が書いている記事ですので、多分に内容が間違っている部分もあるかと思いますが何卒ご了承下さい。
(見出し画像クリエイター:JOKER★(こたみか)様)


試合ハイライト

イラン×日本|ハイライト(DAZN)

スタッツ

監督・選手コメント

試合概要

前半

前節バーレーン戦から3人を入れ替え。
左SBは中山から伊藤へ変更。
DMFは旗手から守田へ変更。
左ウィングは中村から前田大然へ変更。
(前田大然はアジアカップ初先発。)

怪我の野澤ブランドンと旗手はベンチ外となっている。
刑事告訴された伊東は2/2付けで代表離脱。
日本は右サイドの攻撃の要である伊東が使えず、また伊東の報道のため正常なメンタルで試合に臨めるかが鍵になる。
この厳しい状況で大会中最も強大な相手であるイランと戦う。

日本は4231(守備時442)でセット。
イランはシンプルに日本の最終ライン裏へのロングボールを放り込み、そこから強烈なフィジカルとタックルで回収して二次攻撃へ繋げるプランを遂行してくる。

28分守田が上田にボールを付けて猛ダッシュ。上田がポストしてワンツー。守田が自らドリブルしてGKと一対一になりシュートしてゴールが決まる。
日本が1-0と先制する。

イランのFWアズムンは最終ラインで富安が見ているため、イランは前線にボールを放り込んでも中々チャンスにならない。
38分ボールを競った板倉が剥がされ際どいシュートを撃たれるが、ボールはゴールマウスを外れて日本は助かる。
42分にも左サイドからクロスを上げられるがイランは合わせ切れない。
44分のセットプレーでは毎熊がアズムンの肘をロックして体を固定しヘディングさせない技巧的なプレーを見せる。

前田大然は何度も守備ブロックに加わり、最終ラインのスペースを埋めて守備を助ける。
前半は日本が1点リードして折り返す。

後半

49分裏へのボールを板倉が入れ替わられ、鈴木が相手選手と一対一になるがシュートをセーブする。(その後オフサイドの判定)

50分久保からのセンタリングを上田がヘッドするが、僅かにゴール上に外れる。
54分鈴木のキックがハーフウェーライン付近でヘッドされアズムンのポストから日本の裏へのパスでイラン21番(モヘビ)が鈴木と一対一になりシュートがゴールに入る。
イランの同点ゴールが決まり1-1になる。

63分ロングボールから日本DF裏に抜けられ板倉がかわされてシュートに持ち込まれゴール。
しかしオフサイド判定になりイランの得点にならない。

66分ロストが増えた久保とスプリントを繰り返して消耗した前田大然を交代。三笘と南野が入る。
直後に右サイド深くにロングボールを入れられヘッドされるもゴール横に外れる。

67分DF裏へのパスをポストされシュートを撃たれるが鈴木が弾く。
その後オフサイドディレイ判定。
日本は防戦一方になる。

69分日本の右サイドをイランが突破してくるが鈴木が気迫のセーブ。
71分もヘッドから際どいシュートを撃たれるもゴールを僅かに外れる。

83分左サイドで伊藤が突破されセンタリングを上げられるが、鈴木がセーブ。
前田大然を替えた事で、前線や中盤へのプレスがかからなくなり、イランの放り込みの回数が増えていく。

93分アディショナルに入り、クロスからヘッドの折り返しを板倉が憶測を誤り空振り。更に蹴ろうとした富安が起き上がろうとした板倉と接触。
突進してきたイラン13番(カナーニ)に板倉が足を掛けて転倒させPK判定。
PKを決めたイランが2-1とリードする。

日本はFWの浅野、細谷を入れてファイヤーフォーメーションへ移行。
中盤を省略してロングボールに活路を見出すが、アディショナルで殆ど追加時間が取られずイランのゴールキック後タイムアップ。
日本はベスト8で大会から姿を消した。

データ面

結果

日本 1 - 2 イラン

日本代表フォーメーション

4-2-3-1(守備時4-4-2)

日本代表得点

守田(1)

日本代表スタメン

【GK】
 鈴木彩艶(シントトロイデン)

【DF】
 伊藤洋輝(シュトゥットガルト)
 毎熊晟矢(C大阪)
 板倉滉(ボルシアMG)
 冨安健洋(アーセナル)

【DMF】
 遠藤航(リバプール)
 守田英正(スポルティング)

【OMF】
 堂安律(フライブルク)
 前田大然(セルティック)
 久保建英(レアル・ソシエダード)

【FW】
 上田綺世(フェイエノールト)

日本代表選手採点

■採点基準
E 非常に良い(Excellent)、MOMクラス
良 良い、得点に関与、失点を防ぐ等
普 普通、良い部分と悪い部分が合った
悪 悪い、得点機を逸する、失点に関与
W 非常に悪い(Worst)、敗戦の直接的原因

鈴木 普 シュートセーブを何回か見せた。失点シーンは止む無し。大会中かなり批判されたが、このアジアカップで相当修羅場を経験出来たのではないか。今後はこの経験を活かして欲しい。

毎熊 普 板倉との間のスペースを狙われ続けたが好きにはやらせなかった。セットプレーの守備で巧さを見せた。最後の失点シーンはモヘビとの競り合いに負け、ヘッドで折り返されたボールをDF同士が交錯してPKを与える基点になった。

板倉 W 前半24分にイエローを貰ってから動きが硬くなった印象。その後精彩を欠き、執拗に狙われ続けた。1点目はマークを外され2点目はPKを献上。後半以降普段ではやらないようなミスが増え、最後は板倉の中で何かが決壊したように見えた。恐らく前節の怪我からコンディションが悪い中強行出場したのだろうがその弊害が出てしまった。

冨安 普 相手FWアズムンをマーク。鬼気迫る表情でチームを鼓舞しキャプテンシーを見せた。失点シーンは板倉と被りDFの連携ミスが出た。

伊藤 悪 軽い守備で何度か突破される。敵の攻撃に晒され続けた。攻撃面でも序盤にいいクロスはあったが、その後は効果的なパスや上がりはなし。本来はイラン戦でこそ裏のカバーや対人に強い中山を使いたかった。

遠藤 普 連続出場による疲労、アウェーでのプレッシャー、伊東の代表離脱の喧騒と、キャプテンとしても選手としても厳しい状況の中奮闘したが、劣勢を変える程のプレーは生まれなかった。

守田 良 1点目はドリブルとワンツーからいい意味でらしくない突破を見せて先制点を挙げる。しかし後半は間延びした中盤でほぼ何も出来なかった。

堂安 普 フィジカルでイランに負けず中盤の守備を助けた。攻撃面ではほぼシュートは撃てず持ち味は出せなかった。

久保 普 前節と同様堂安とポジションチェンジしながら攻撃に絡んだ。
上田へほぼ1点ものの正確無比なクロスを上げる。
敵陣のライン間でも十分戦えていたが、アフター気味に削ってくるイランの守備にボールロストが増えた所で交代になった。

前田 良 中盤や最終ラインまで戻ってのプレスバック、スペースを埋める等、守備面での貢献が大きかった。攻撃では余り見る所はなかったが、そういうタスクを与えられていたのかもしれない。

上田 普 1点目は守田とワンツーで得点の基点になる。その後は防戦する時間が増えた事でボールが来ず見せ場は少なかった。50分過ぎの久保からのクロスのヘッドはゴール上に外れた。

南野 普 後半から出場したがほぼ見せ場無く終了。どちらかというと試合最初から使いたい選手だが、今の代表では久保を中心にした前線の連携が強まっている事から、トップ下は久保が先発し久保が疲れた後半からの出場になってしまう。

三笘 普 後半から出場したがほぼ見せ場無く終了。コンディションが思ったより上がっていないのからしいプレーは見られなかった。しかし、チーム(ブライトン)で酷使されていたであろう事から、日本代表に合流したのは休息や代表での連携を考える上でプラスだったと思える。

浅野 普 (出場時間が短くコメントなし)

細谷 普 (出場時間が短くコメントなし)

森保 W 第一次森保ジャパンの2019年に続き2期連続でアジアカップ優勝に手が届かずベスト8に終わる。
現有戦力を考えると最低でも決勝進出がノルマであり、ベスト8は外国人監督ならまず解任に追い込まれていただろう。
(JFAの)信頼の厚い日本人監督、ドイツやスペインに勝利した森保という事で、直ぐに続投というコメントが田島(JFA会長)から発表されたが、普通の感覚とは乖離している。

先発の前田の起用は当たったが後半の押し込まれた状況を変えられず抗おうとしなかった。
前田を下げた事でイランの圧力に徐々に押しつぶされるようにラインが下がり、両サイドのDF裏へ放り込んでくるイランの攻撃にも傍観を貫いた。
板倉は傍目にも限界だった。前半で既にイエローを貰っているのだから、上背のある町田や中東の選手とマッチアップに慣れている谷口等に後半から替えるべきだった。

恐らく延長を見ていたのだろうが、その前にイランは試合を決め切ってしまった。イランが試合を決め切るかもしれないが、恐らく大丈夫だろうと見ていたのだろうか。

具体的な指示を一切発しない森保の映像

日本代表の活動をYoutubeに上げている日本代表TeamCamでは、イラン戦のハーフタイムに選手同士が戦術のすり合わせを図っているのに対し、森保は何もせずただ部屋をうろついている映像が映っている。通常の監督であれば、戦術ボードや手元のタブレットで選手に修正点を伝え、激を飛ばす筈だ。

「六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間」では、2002年の日本代表監督のフィリップ・トルシエが鬼の形相でホワイトボードで立ち位置やプレーの指示をし、フローラン・ダバディが絶叫しながら通訳している姿があったし、他のプレミア等のチーム映像でも同じように監督を中心に指示がされている。

試合中の映像を分析班が分析してハーフタイムに修正・指示しなければ、分析班がいる意味が無い。が、それをせず選手個人間の会話だけで修正しようとするのは、最早チームビルドが崩壊しているとしか思えない。
唯一具体的な指示が可能なハーフタイムの時間を無駄にしているとしか思えず、職場放棄に等しい。
この状況で「監督のせいで勝たせてあげられなかった」と試合後に言われた選手はどう思うのだろうか。

Team Cam vol.07|AFC Asian Cup Qatar 2023|SAMURAI BLUE

15分2秒頃…ハーフタイムで選手が控え室に戻る
15分20秒頃…上田、堂安が2CBの間の事を話しながら部屋に入り、富安が加わる
15分31秒頃…縦パス入るよと森保が話しながら部屋を横切る
15分34秒頃…遠藤と久保が会話し堂安のサイドでハメてキック力のない4番に蹴らせる等具体的な戦術を打ち合わせする
15分57秒頃…セルティックチームメイト同士の旗手が前田にアドバイス
16分4秒頃…森保がゼロに抑えながらもう一点取って試合決めて行くよと話す

戦術的な理由から映像でボードを映していないという可能性もあるが、自分にはそうは見えなかった。
普通の監督ならハーフタイムの全てを使って何か伝えたい筈だ。であればここからは映像を使えない等と言っている余裕はない。
しかし、実際に森保がボードを動かしながら指示している様子は一切無いので、恐らくハーフタイム中での具体的な指示は皆無なのだろう。

召集選手にも疑問が残る。GKでは前川、鈴木、野澤を招集したが鈴木は5試合8失点で大きな批判に晒された。しかし3人共Aマッチ経験が少なく今後の成長を見てという言い訳で鈴木を使わざるを得なかった。

ボランチで召集した佐野はほぼ使われず。主将の遠藤が出ずっぱりなのに佐野を使おうとはしなかった。
DFの渡辺もほぼ使われなかった。
三笘は怪我の状態が悪く大会期間中殆ど使えなかった。(2試合で40数分のプレー時間)チームでの酷使から守るためには有効だったかもしれないが、一枠無駄にした感は否めない。

MOM モヘビ(イラン21番)

敗戦理由の分析

イランがイエローを貰っているCB板倉と右SB毎熊の間と裏を狙い続け、守備陣、特に板倉のミスで失点の機会が生まれた。
SB伊藤の守備が軽いため左サイドでも敵の圧力が強まった。

日本は裏へのケアが出来ずボールの2次回収で負けて走らされ体力を疲弊する事になった。その結果徐々に最終ラインと中盤、前線の距離が間延びし、イランが使うスペースが生まれて2次攻撃でボールを上げられる悪循環に陥った。中盤でボールを悉く拾うイランは、4トップのようになった前線にボールを放り込んでくる。

攻撃面では前半1点に留まったが、体力のある前半のうちに2点目を死に物狂いで取りに行くべきだった。しかし妙に落ち着いてしまい、イランに立て直す時間と猶予を与えた。イランは後半立ち上がりで得点し流れに乗った。
守田もリードしている前半でハーフタイムになった時、(イランが反攻に転じようとしているため)嫌な感じで引き上げたとコメントで振り返っている。

日本は切り札と言える左サイドの三笘への質の良い展開も殆ど試みが無かった。
また今の代表の攻撃のダイナミズムを司る久保がいない後半は、日本の攻撃は停滞した。
代わって出た南野はシャドー/セカンドトップ系のポジションが得意だが、久保のような即興でトライアングルを作ってスペースを生み出すようなプレーメーカーではないので、久保を下げて南野に同じ働きを期待するのは間違っている。
加えて守備で利いていた前田大然を下げた事で中盤でボールの回収が難しくなり防戦一方になってしまった。

イランの狡猾さと執念が日本を上回ったのは間違いない。だがそれだけではなく、森保の判断ミスも敗因に直結している。問題が起こっているピッチの中の状況に対して、指示や交代等何でもいいのに変化を付けられない。
試合を傍観したままフリーズ。傍観している時間が長過ぎる。
フリーズが解けて何かを決断しても、試合後のコメントで自分で言っているようにカードの切り方がおかしく状況と合っていない。

守田英正の言葉

結果から言うと森保の即刻解任が必要だが、今更ボトムアップ型のチームビルドに慣れた日本に適応出来、世界で戦える戦術的な監督等まず探したとしていないだろう。
2026年W杯は森保体制でこのまま戦うしかないのが実情だ。
アジアカップが終わっても、W杯を目指す過程なのは変わらない。今後はW杯に向けて意識を切り替え、この敗戦を分析し何故負けたのか、何が間違っていたのかを理解し今後の代表活動に繋げて欲しい。

最後に守田英正の言葉を掲載してこの記事を締めたい。
「どうすれば良かったのかはハッキリ分からない。考えすぎてパンクというか、もっとアドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこういうことを徹底しようとかが欲しい。チームとしての徹底度が足りなくて試合展開を握られるということがゼロじゃないし、この大会でも少なからずあった。ボランチとして、プレイヤーとして、チームのために考えないといけないし、その思考は止めないけど、そこの決定権が僕にある必要はないのかなと思う。あくまで僕は最後の微調整だけでいいのかなと。担っているものを重みには感じないけど、もっと欲しい」

「結局、だれが出てるかの人次第、質次第になっている。チームとしてやろうとしているスタイル、チームとしての哲学があっても、そこに差は必然的に出てくるものだけど、こういうことをしようというものがないと、受け身になり始める。相手の雰囲気だったり、同点ゴールを決められて、オフサイドだったけど追加点も取られそうになって、僕自身を含めてボールを握るのが怖くなる」

「チームとしてどういう動かし方をして、どこを狙っていくかというのはもっと明確にしないといけないし、それがあるのに個のところで負けたというのは逃げだと思う」
(掲載元:https://web.gekisaka.jp/news/japan/detail/?400971-400971-fl

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