まずは自分のをこじ開けてみる①
いつかこんなことを楽しみたくて
ずっと絵本を扱ってきたのかも
2月の半ばからの執筆者紹介を経て、やっとこさ始まりました。
連載を始めるにあたってのご挨拶文では、私なりに、最大限真面目な文章を認めたわけですが(あれでMAXなので、しれてます)、本編はほぼ素の状態で気楽に書かせて頂きます。他の皆さんにも、気楽に書いて下さいとお願いしてます。
実際のところ生き方においては、執筆メンバーの中で私が一番適当というか、ユルユルではないかと…。というのも、そもそもご挨拶文で書いたことは、私個人の反省によるところが大きいんです。今まで、向き合うべきと向き合わず、いかほどスルーしてきたことか。これから少しずつ、私なりに向き合っていきたい気持ちが、ようやくちょびっと、心に芽生えてきたとこなのです。
さてさて。今回は第1回目ですし、まずは自分の引き出しをこじ開けてみたいなあと思います。自分のこととなると、それこそバールのようなもの?で、強引にこじ開けなくちゃいけない。スッと引き出せない。もはや引出しちゃうやん、と自分でも思うんですけれど。
「誰かの話を聞くのが好き」ってことはつまり、自分のことを話す機会は少なからず失ってきたし、それに乗じて避けてきたようにも思います。
そんなわけで、自分のことを話す経験値が圧倒的に低いながらも、皆さんが疑問に思っていそうな問いを、自分なりに立ててみました。
「なぜ、あなたは絵本を扱っているの?絵本を扱っている人が、どうしてこんなこと(ここの連載)やってるの?」
昨年の今頃、Bookstore AIDというクラウドファンディングが立ち上がって、私のお店も支援を受けました(ご支援下さった皆様、本当にありがとうございました!)。ファンドを立ち上げて下さった有志の皆さんのお気持ちが本当に嬉しくて、支援を受ける側なのに居ても立っても居られず、私個人の給付金10万円のいくばくかを支援に回したりして。そのリターンの一つに、書店主さん寄稿による小冊子というのがあったのです。私も寄稿しました。
緊急事態宣言下の当時、自分のお店は毎日閉めたまま。もちろん旦那さんの仕事も完全にストップしていました。ベランダの外では爽やかな青空が広がっているというのに、当然自宅にこもったままで。テレビで世間の動向をみながら、数日かけて小冊子のための文章を書きました。
今はお店を開けないほうが望ましいし、そもそも開けたところで常連さんさえやってこない(というか、もちろんご自宅で安全に過ごしてもらいたかったんですけれど、一方で不安は解消されず)。
「この先自分はどうしたいんだろう。どうして自分はこんな目立たない場所(地元)で、これまで絵本を扱ってきたんだろう?」
これまで適当に生きてきた私ですが、さすがに、そうしたことと向き合いながら文章を書いたように記憶してます。結果としてこのことが、これまでの反省を大いに促すきっかけとなり、今に至るのですが。
私が絵本を仕事のパートナーに選んだ理由。それは、これほどにどんな人でも気軽に、身近に親しめる本のジャンルは、他にないからです。
性別も、年齢も、暮らす国や地域も、これまでどれだけの本を読んできたかとか、何なら、その日の体調だってかえりみずに、「ちょっと開いてみようかな」と手を伸ばし得る可能性。絵本はその点においてダントツに長けている。読めば、いえ、眺めただけでも、肩の力が抜ける。心が軽くなる。読む前と後とを比べたら、後の方が断然心地よく生きられる。
絵本とはそういうジャンルだと、私は思っています。
だから「絵本を扱っている人がこんなことをしている」んじゃなくて、「いずれはこんなことを楽しみたくて、ずっと絵本を扱ってきた」が、実は正解なのかもって思います。
暮らし慣れた町で、こうした立ち位置で絵本を扱うのが、自分は一番心地よくて楽しいです。似た認識でお店に足を運んでくれる方々との関わりが、本当に楽しいです。
と、そんなことを考えながら、日々お店にまつわる様々な活動を楽しんでいます。
次回も引き続き、自分の引き出しをこじ開けてみようかな、と思います。あ、関西ウーマンさんで担当している記事も公開になったところです。こちらも合わせてご覧頂けたら嬉しいです!