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ここでの連載について

自分に合った、自分だけの生き方を見出すために
「素敵だな」と感じた欠片を、集めて、つないで。


皆さんは、何か自分にとっての「愛してやまないこと」って、ありますか?

ここで連載してゆく文章は、ギャラリーリールの店主が、日々のお付き合いの中で「この人のお話がもっと聞きたい!」と思った方に声をかけ、執筆のご協力をお願いしたものです。

皆さんに共通しているのは、「愛してやまないこと」や「(なぜだか)無性に好きなこと」を何かしら持っていて、日々の暮らしを楽しんでらっしゃる人々だということです。

そして、ここでテーマとして取り上げられている、たいていの「愛してやまないこと」や「無性に好きなこと」は、いわゆる「不要不急」と呼ばれるものにあたります。短期間の緊急の場合には、ぜひとも控えてほしいと呼びかけられる類のものです。

けれど、今回のコロナ禍もそうですが、先が見えない不安と閉塞感が、いつまでとも知れず漂っている世の中にあって、どうにか試練を乗り越えていかなくちゃいけないような時。心の支えとなってくれる存在は、むしろ「不要不急」にあたるものたちです。

執筆者の皆さんがこの場で語って下さる、そうした“不要不急”なものとの関わりを大切にしてきた日常は、別な言い方をすると、「未来の自分が幸せであってほしい」と願いながら、ご自身が心地よいと思えるペースで、「心を養う」営みを丁寧に積み重ねてこられた経験談とも言えます。
穏やかな日々が続く時は存分に楽しんで。試練が続く時には心の支えとしながら。

誰かのそうした日常の断片は、様々なケーススタディとなります。

それは、そのままでは、すぐに役立つノウハウとは、なりません。
誰かの生き方の中にある、自分が「素敵だな」と感じた欠片だけを、色々なところから集めて、自分なりにつなぎ合わせて、自分に合った、自分だけの生き方を見出していく。私は、こうした「誰かの生き方にふれる」ケーススタディは、読書の喜びにも通じることだと考えます。

現代では、インターネットに繋がれば、自分で考えずに済んでしまう便利なノウハウがいくらでも転がっています。そうした「便利な無料の情報」に優ろうとした本、あるいは、まとめた本がベストセラーとなることも、もはや当たり前となっているかもしれません。

そうした便利さだけに価値を見出した生き方は、一見、賢くスマートに映るかもしれません。でも、そうした情報の役割は、いわば人生のサプリメントです。あくまで補助的な役割を担っているもの。その一方で、長い人生を考える上では、心の根っこをしっかりと養ってくれる日々の食事にあたるような経験が、ぜひとも必要です。

自分に備わった感覚器官をしっかり使って、心で感じ、頭で考え、自分自身をよく観察すること。様々な生き方、ものの見方にふれて、自分で自分に合った生き方・あり方を、時間をかけて紡いでゆく。
紆余曲折、遠回りでも、それ自体が楽しい。

そして興味深い物語には、様々な生き方やものの見方が詰まっています。
だから読書は、楽しい。

「愛してやまないもの」がある喜び。健やかな心を養う読書の喜び。
そうした喜びの先に、創作やライフワークなどの活動が芽生え、大切に育てながら続けてゆく喜びがあるんだよって、伝えたい。

私たちは連載を読んで下さる皆さんと一緒に、これらの喜びを分かち合うべく、こうした理解において、ここで執筆活動を始めることにしました。
私たちのささやかな喜びが、「未来の自分が幸せであってほしい」と願う皆さんにとっての、未来へ向けた小さなヒントとなりますように。

…と、堅苦しいご挨拶はこれにて終了です。
私たちもこの場を楽しみながら、連載してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

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連載は、4月から始まります。
次回から3月いっぱいをかけて、
執筆者のご紹介を毎週掲載していきます。
どうぞお楽しみに!
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