【継続】ものごとの判断基準は「続けられそうかどうか」
10年前のわたしかと思うほど状況が似通った経営者の方と話す機会があった。
先代から引き継いだ小さな会社は借金まみれで、しかもここ数年は赤字続き。とどめは今年からはじまったコロナのゼロゼロ融資の返済による影響で資金繰りが悪化した元請先が売掛金を支払わないまま夜逃げ。
詳細な内容こそ若干違うが、わたしが会社を引き継いで喘いでいた時期の状況とは酷似している。
だが、最近思うのは、これは零細企業あるあるであり、10人の零細企業経営者にヒアリングすれば半分近くは似たような状況を耳にするのではないだろうか。
わたしも当時はまわりを見渡す余裕がなかったため、自分だけが災難に遭っていると勘違いしていたが、おそらくこの手の状況は零細企業の通過儀礼というのか、この状況をふまえて皆が奮起しているのが底辺の経営者界隈なのだと今では理解している。
だからといって、現状で苦境に立たされている冒頭の経営者の方へ「みんな一緒ですよ」と伝えたところで何の救いにもならない。欲しい情報は、どうしたら商売が上向くかの一点である。
わたしも経験があるが、このような状況の際につかみがちな情報は、一発逆転系。はやくラクになりたい一心で、「すぐに」「だれでも」「儲かる」といったわかりやすいワードで情報提供しようとする本やセミナーなどに飛びつきたくなるのだ。
様々な失敗と遠回りをしてようやく気がついたのが、この手の情報は本質的な解決にはつながらないということ。現状を打破するために取り組む施策なら、そういったこととは真逆の地道系を選択しなければならない。
前提として、会社の立て直しには5年から10年の時間が必要と心得る。そのことが理解できていれば、安易な方法をつかんで時間や労力をムダにすることからは解放される。
むしろ、習慣や継続というキーワードで情報を収集する必要があり、長期戦を強いられる立て直しに際しては、いかにその施策を続けることができるか、という点がキモになるのである。
着手する前までは、3年や5年の計画を途方もなく長い時間のように感じるが、いざその活動をはじめてしまえば数年の単位はあっという間だ。気がついたらあちこち改善され、商売がラクになっている、なんてことだってあるだろう。
一番むずかしいのは精神的に不安定な状態で、いかに正しい選択ができるかどうか。少々の失敗はしても地道な方向を選択すれば道は開ける可能性が高いが、どうなることやら。
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