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【連鎖倒産】中小企業は冬の時代突入かもしれない

コロナによる売上減の影響から立ち直れない企業において、これからしばらくは苦境の時代に入るもよう、という話

同業他社の社長から電話が入った。

「急な資金繰り悪化に心強い商品の案内なんだけど、興味ある?」



ザックリ聞くと、一種の保険商品で、年間8万円の掛け金で取引先の倒産や売掛金の改修の遅延などに対して最大300万円が補填されるというものだそうだ。

年間8万円であれば、月換算で7000円弱である。毎月のコストとしては格安だと思うし、少し興味があったので資料を送ってもらうことにした。



その社長、2ヵ月前に取引先の倒産をくらい、未回収の売掛金が120万だったそうだ。そこにタイミングよく来社したメインバンクの営業が紹介したのが冒頭の保険商品である。

社長曰く、ここにきて例のゼロゼロ融資の返済の影響で、資金繰りが悪化し、支払いが遅れたり、そのまま雲隠れしたりする会社が増えているらしい。わたしも新聞などのメディアでは目にしていたが、実際に影響を受けている人の話を聞いたのははじめてであった。



むかしから零細企業の間では、こういったヤバい会社の社名は共有されることも多く、そういう意味では信憑性の有無は別として、わたしの耳にもすでに数社の名前が入っていた。

こうなると緊張感が高まる。わたしは思わず10数年前の最悪な時代を思い出していた。



わたしは当時会社の一従業員として働いていたため、市場の暗いムードは感覚的にしか感じていなかった。

会社も仕事のわりに儲かっているような雰囲気はなく、頻繁に○○建設が倒産しただの、○○工務店からの支払いが遅れているなどのお金にまつわるネガティブな言葉も耳にしていた。

そしていくつかの小さな倒産事件が起こったのちにくらってしまったのが2千万の売掛金の未払いである。相手は夜逃げ同然で姿をくらまし、父も必死に探すが手掛かりさえつかめず、そのまま借金として重く肩にのしかかることとなった。



その当時はそのようなネガティブな話が日常茶飯事であり、商売の怖さを肌で感じていたのは、今になるといい経験だったと考えている。

その後の経営者交代に際して、付き合う会社の与信調査や自社の請け負える仕事の大きさに比例する預金など、立て直しと並行して強化したのは会社の守りの姿勢であった。



今では定期的に与信調査を入れているし、会社の預金もそれなりある状態なので、冒頭の保険商品は必要ないかもしれない。今までも様々な売掛金保証などの商品を検討してきたが、やっぱり最後に頼りになるのは自前の現金である。

これからの冬の時代、どれだけ貯えがあるかが生き残る要素ひとつになるのかもしれない。

厳しい状況を乗り切るには攻守両方の姿勢が必要

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