【成果の時間軸】「じっくり取り組む」のじっくりってどれくらいの時間?
先週末に同業者の集まりに参加した際のこと、とある社長からこんな話があった。
「あれこれ取り組んでいるんだけどまったく成果が出ないんだよね」
話を詳しく聞くと、売上げを上げるために様々な取り組みをしているもよう。どれも一見成果につながりそうな話なのだが、うまくいかないとなげいている。
たしかに手数は相当なものなのだが、わたしの感覚では、そのなかでも一貫性のあるものだけに絞り、じっくりと取り組むことが重要かと感じてしまった。
このような話をした際に必ずと言っていいほど聞き返されるのは「じゃあ、それくらいの期間取り組めばいいの?」というもの。
これには残念ながら明確な答えはないし、その人がどれだけ時間を割いてどんな精度で取り組んでいるかによるので「これくらいの期間ですよ」とは言い難い。
ただ、平均的に真面目に取り組んでいれば3年から5年で何かしらの成果が出ることが多く、この期間を長いとみるか短いとみるかは人それぞれだ。
往々にしてこの平均的な期間を長いと感じる人がほとんどで、そんなに待てない、とか気が遠くなるという感覚であるのも理解できる。
時間軸を長く取ることは一般的にハードルが高いというのも「じっくり取り組む」ことへのむずかしさをあらわしているが、だからこそ取り組む意義があるし、差別化の要因になり得ると思うのだ。
逆に「5年はかかる」ということを覚悟できてしまうと、5年計画で少しずつ道を整備しはじめる。
だれだって成果は早く出てほしい。
だが、よっぽど運がいいか、チートのような裏技でないと取り組んですぐに出る成果などあり得ないことを早めに理解した方が身のためだ。
そもそも「取り組み」とはある程度時間をかけることを前提に使われる言葉であって、着手して数日や数ヵ月で芽が出るようなものは取り組みではなく賭けのようなギャンブルに近い。
賭けに勝ち続ける方が至難の業だし、凡人が成果を確実に出すことを考えるなら時間を味方につけ、やはり「じっくり」と取り組んだ方が近道だと思うのだ。
売上げで考えたときの時間軸は長いと預金などの会社の体力が問題になるが、5年もつ資金を念頭に借り入れを起こすか、取り組みの一方で、日銭を稼げる仕事をしながら耐え忍ぶか、いずれの方法を取る必要がある。
経験からいえるのは、始める前の5年は途方もなく長い期間のように思えるが、真剣に取り組むと5年という年月は驚くほど短い、ということだ。
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