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【仲人かよ!】世話焼きジジイの精神

商売とは人と人の間で成立する。積極的に誰かのお役に立てるように心がけると道は自ずと開けるかも、という話

最近の私のスポット的タスクは外注先の開拓である。

ここ数年、自社の忙しさに比例して仕事をこなすのが厳しくなってきている。そこに並行して自社の商売のスタイルを整えていくと、「これってウチじゃなくてもいいんじゃね?」な仕事を多く抱えてていることに気がつくのだ。

いただいた仕事をすべて受け入れるというのも悪くはないのだが、弊社のように小さな零細企業はバリューを発揮できる仕事を重視し始めると、どうしても「できる仕事」と「やるべき仕事」とを取捨選択しなければすぐにキャパオーバーをむかえることになる。

「できる仕事」が必ずしも自社の得意分野であるこというケースばかりではない。その仕事がお金をいただける最低限のラインであっても客観的に見れば他社の方が圧倒的に得意としているパターンは多い。

その場合、当然のことながらお客様は得意な他社にやっていただいた方が気持ちよくお金を払えるわけで、なにも「一応かたちにできる」程度の弊社に依頼するメリットはハッキリ言ってあまりないと私は思うのだ。

ということで、数ヵ月前に自社で現在請負っている仕事のカテゴリーを整理して、「やるべき仕事」(価値をお渡しできる得意な仕事)を数種類さだめて、あとの「できる仕事」(ウチじゃなくてもいいんじゃね?な仕事)はその仕事がメインな他社に紹介する、というかたちをとることにしたのだ。

そんなわけでご紹介できそうな他社探しを粛々と進めていたところ、数社の候補をみつけた。そして、いきなりその会社に丸投げ、というのも失礼にあたるので、丁寧なメールで打診をして面会に出向くということを空いた時間に行っていた。

夏季休暇前から何社か面談をしていたところ、その紹介先同士にも意外と仕事の需要があることに気がついたのだ。あるA社は一つのカテゴリーに特化しているがその他は対応できず困っている、そこにB社ならA社の対応できない仕事を得意としているといった具合。

数社の面会をしてお話を聞いているうちに「それならば最適な会社がありますよ」と会社間の関係を取り持っているうちにいつしか弊社のまわりで小さな価値を共有するグループのようなものができてきている。

発端は弊社の困りごとの解消であったが、そんな世話焼きジジイのごとく仲人的な役割りをしていると相思相愛カップルが高確率で成立するようになった。

そんな立ち回りをしているうちに、そのグループ内から弊社に仕事の依頼が舞い込んだりという好循環も生まれ、困って始めたアクションが結果的に自社に思いもよらないメリットを呼び込む事態となったのだ。

誰かに助けを求める際、自身の都合ばかり押し付けるのではなく、相手方のメリットは何だろうということを念頭におき、先に価値をお渡しすることを心がけると想定外の道が開けることもあるということだ。

紹介とは一見無責任な所業のように思うが、相手のことを考えて配慮すれば喜んでもらえるのである。根回しや下準備などの骨の折れることも多いが、自分のまわりで価値が一人歩きしてくれるのなら、世話焼きジジイも悪くないと思った所存。

誰かの困りごとは誰かが解消できる、その仲介役にも一定の価値がある


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