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【ホンネ】理想をどこまで手繰り寄せるか。その答えは自分の中にある

自身の中の「理想」は明確になっているだろうか?遠くの目標物がぼやけていると人は思うように動けない、という話

昨夜は同業者の会合に3年ぶりに顔を出した。

毎年ド平日の夜に都内で行われるため、なかなか都合がつかずご無沙汰していたのだが、2週間前にとある経営者の方からお誘いがあったこともあり、予定を調整して参加することにした。



会合では、昨今の業界の停滞した空気とは違い、みな楽し気に盛り上がっていた。そこで隣に座ったのは、わたしをお誘いしてくれた経営者の方だった。

近況から様々な話題が上がり、密度の濃い話を聞いていたのだが、ひとしきり話し終えたあと、その方が話し始めたのが「商売が消化不良」という内容であった。



どういうことかと言えば、その方は元々職人としてかなりの腕前であり、他社が断るような難解な仕事でさえ腕前と経験値でなんとかしてしまうのだ。その噂は多方から聞いていたが、仕事の内容をひとつふたつ聞けばその難易度は理解できる。

わたしなら他の方同様に手を出すことすらないような仕事だ。だが、そのような難易度が高い仕事ゆえ、高利益でも成立するということらしい。



なんともうらやましいスキルであるが、消化不良とはそのスキルとは裏腹に、日々の仕事は平均レベルの他社とかわらない業務ばかりという点で沸いている感情だ。

宝の持ち腐れというか、物足りなさを日常的に感じ、たまに依頼される高難度の仕事は高揚するが、頻度が圧倒的に足りないということらしい。

数人の従業員を抱えていることもあり、つまらない仕事でも受注する必要はあるのだが、やりがいのある仕事と食うための仕事とのはざまでホンネは「消化不良」ということらしいのだ。



「石山さんが俺だったらどうする?」と聞かれ、そんな突出したスキルを持ち合わせない凡人なりに考えてみたのだが、その答えは「まず、平均レベルの仕事を安定的にとれる基盤を構築する」というもの。

すべての固定費がまかなえる程度の利益を、平均レベルの仕事から捻出し、その上で高難易度のやりがい仕事を取りに行くフェーズに移る。そして徐々に高難易度の仕事の割合を増やしていけば、かなりの利益率と生産性の高い会社ができあがる。



言うは易く行うは難しであるが、どんな会社でもまずは食うための仕事を確保することからはじめていると思う。ホンネの部分で「理想」とする働き方があるのなら、道筋が明確であれば行動を起こしやすい。

逆に、頭の中でモヤモヤといつまでも妄想のみを楽しんでいては、いつまで経っても理想は手繰り寄せられない。

この方が今後どのような道を選択するかはわからないが、そのうらやましいスキルは世の中にもっと提供すべきだと嫉妬心を押し殺して思うのだ。

自身の理想は実現可能な小さな現実を少しずつクリアしていくことで距離が縮まる


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