新人ブログ【第7回】「編集歴5、6年ってどんな感じですか?」 編集企画インタビュー〈前編〉

皆さん、こんにちは。入社1年目の新人Nです。
 
さて、企画課志望の方々、お待たせしました!
今回は編集部企画課のOさんとNさんへのインタビュー記事となっています。
 
過去のブログでも、2名からお話を聞いていることはあまりなかったので、貴重な回ではないでしょうか!
ボリュームたっぷりなインタビューになりましたので、前編・後編と2回に分けてお送りします。
 
お二人の言葉で、企画の仕事について深く知っていただけたら嬉しいです!
 

先輩! 5年目、6年目ってどうですか?

【今回お話を伺った2人】
Oさん:入社6年目。主に法律書を担当されています。
Nさん:入社5年目。行政書と教育書がご担当です。
 
――さっそくですが、5年目、6年目ってどうですか? 就活生が「編集者になりたいかも!」と考えたときに思い浮かべるのって、おそらく研修中でもなく、ベテランの状態でもなく、ちょうどお二人くらいのキャリアなのではないかなと思うんです。研修が終わって、「初めて」の経験も一通り終えた後の、いわゆる「一人前」と言われる段階。まずはそこを夢見て応募するのではないかなと思うのですが、どうでしょうか?
 
Oさん:確かに、本作りの一連の流れは分かったかな。出し方は分かる。ただ、そこから伸ばしていけるかは悩んでるよね。
 
Nさん:1年目の頃に想像してた5年目って「大人!」って感じだったけど、先輩に教わりつつ、やっていったらいつの間にか一連の流れはできるようになっていました……!
 
Oさん:5、6年経つと、結果が振るった本を出せたこともあれば、自分はもっと頑張れたんじゃないかって思う本を出したこともあり、著者に褒められたこともあれば、怒られたこともあるみたいな。それぞれ一個ずつくらいはあるよね。
 
Nさん:ありますね笑
 
――5、6年働くと、酸いも甘いも経験できるということですね笑
 
Oさん:出版社を知らない友達に、この仕事の良いところと悪いところについて自分の経験を踏まえながら言えるくらいにはなったかな。
  

編集企画ってどんな仕事?

 
――では、苦楽を知っているお二人から見て、編集企画とはどんな仕事でしょうか? もちろん、「企画を立てる仕事」なのですが、例えば就活生の頃や入社当時にイメージしていたよりも違っていた点などがあれば、教えてください。
 
Nさん:入社した頃は、意義のあることを発信するんだって思ってました。でも、意義があることだけじゃ売れない。「大事なことだけ書いてるけどこんなの理想論じゃん」って読者に思われてしまったら買ってもらえないし、でも大事なことだから伝えたいし…。そこを上手く調整して、書き手と読み手のギャップを埋めつつお互いを繋げる仕事のように感じます。大事なことだから知ってほしいって思っても、読み手が要らないって思ったらそれは「要らない」ものになってしまうので、本当に読者が求めていることなのかっていうのは入社前よりも意識していると思います。
 
Oさん:ちょっとなんか、かっこつけるけど……笑 自分の感覚が社会の人にウケるかどうかをテストされてるような感じかな。辛口で返ってくることもあれば、高得点が返ってくることもある。その返ってくる結果を楽しむ仕事かなという気がしています。
 
――では私もかっこつけて申し上げますと、言い換えれば「人生を賭けた大喜利」…ということですね?
 
Oさん:うん、ウケるスベるの感覚に似てる気がする。自分の「面白い」と思う感覚が世間に試されてる仕事だと思う。


やりがい・楽しさ/大変なこと

編集の仕事の3段階

今回は、編集者の仕事を主に3つに分けて、それぞれの段階でのやりがいと大変なことを聞きました。
以下は、2019年入社の先輩S.K.さんのブログでの分類を援用しています!
 
①企画を立てる段階
文字通り、本の企画を立てます!
ビビッとくる著者を見つけて、執筆を依頼するのはこの段階です。
 
②いただいた原稿を整える段階
社内の企画会議を通過すると、正式な執筆の始まりです!
読者目線で原稿を読んで、分かりにくい表現などがあれば、加筆や修正をお願いします。
 
③本の魅せ方を考える段階
デザイナーさんとやりとりしてカバーデザインを考えたり、表紙に載せるキャッチコピーを考えたりします。
本は「読まれる」ものですが、どう「見られるか」も大変重要です!
 
 

①企画を立てる段階

Oさん:企画立案の段階の、著者と話せるときが一番楽しくない?

Nさん:……私は一番苦しいです。公務員の方ってあまり名前を公表して活動していないので、著者の方を見つけるのが難しいです……。弁護士の先生は結構お名前を出されてますよね?

Oさん:そうそう。名前も出てるし、本もいっぱい書いてらっしゃるから、頼みやすい。そういう方にアポを取って、会いに行くのが楽しい
 
――ご担当のジャンルによって違いが出ましたが、会いたい人に会いに行けるのは編集者の楽しさの一つですよね! では、Nさんにとってこの段階のやりがいは何でしょうか?
 
Nさん:探すのが大変だからこそ、良い人に出会ったときは「探し当てた!」という達成感があります。ネットの海に潜ったり、雑誌を読み漁ったりして見つけた人とようやく話せたときはやりがいを感じます!
 
――では反対に、著者と会うのが大好きなOさんにとって大変なことは何ですか?
 
Oさん:会いたい人に断られたり、会いに行っても渋い顔をされてしまったりしたときかな。そういうことが続くとつらくなるなあ。
 
 

②原稿を整える段階

 ――やりがいについて教えてください。Nさんにとって①は苦しい段階とのことでしたが、ここはどうでしょう?
 
Nさん:原稿を読んでいるのが一番好きですね!  一緒に考えたり、「こんな原稿出してくれた!」「あのとき話していたことがこんな形になった!」って感動したりします。

Oさん:自分もNさんと一緒で、話した内容が良い原稿になって出てくると、読んでいても楽しい。「いいね、いいね~」って思いながら読んだりするよ笑
 
――では、大変なことは?
 
Nさん:伝え方かな。著者の先生を傷つけないように、指示を出すのが難しいです。でも読者の読みやすさのために、「こうしてほしい」と伝えなきゃいけないときもあるので、著者の先生も同じ気持ちだと思って、言うべきことを頑張って言ってます。そういうときは大変だなって思いますね。

Oさん:催促しなきゃいけないことがつらいかな。一応出版社として締め切りを設けているから、原稿が来ないときは心を鬼にして言わなきゃいけない。本業もある中で書いてくださっている方に催促するのは難しいなと思う。
 
――それはある意味、学陽書房ならではの大変さかもしれませんね! 本業が別にある方に執筆を依頼するからこその苦しみなのではないかと思います。書くことが仕事の作家さん、漫画家さんに催促するのとは意味合いが少し変わってきますね。
 
Oさん:それから、原稿に手を入れるのも気を遣う。誰だって、自分の書いた文章に指示出されるのは嫌じゃないですか。それをこんな若造が、先生の文章におこがましく手を入れちゃうわけだから、言い方には特に気を遣います。扱ってるのが専門書だから、知識も経験も自分より上の先生に何かを言うのは難しいよね。
 
――これも先ほどと同様、専門出版社ならではの苦悩のように思います。「言い方」「伝え方」が今回のキーワードになりそうですね!
 

③本の魅せ方を考える段階

 ――さて、ここに関してはお二人とも若干渋い顔をされてますが…笑

Oさん:この段階については実は自信がないんだよね。言葉のセンスとか、デザインセンスとか、全然自信ないから……。センスが良かったらもっと楽しめるんだと思う。
 
――デザインにも関心があるというような方にとっては、楽しい段階ですね!
 
Oさん:そうそう。普段からパッケージとか、物の形とかを見て、「かっこいいな!」って思う感覚を持ってる人は楽しい分野になるんじゃないかな。
 
Nさん:キャッチコピーとかタイトルとか、私はすごく苦手で。でもここってかなり売り上げに関わる重要な部分ですよね。心くすぐる言葉を見つけるのは大変だなって思います。本屋さんに行ったりネットを見たり、街中の広告を見たり。言葉集めの日々です……。
 
Oさん:そこはつらいところの一つだよね。土日も考えてしまう。


 
はい! 大変申し訳ありませんが、今回はここで区切らせていただきます!
休日の話が出てきましたね。皆さん気になるところではないでしょうか。
次回は編集者のオンオフについての質問から始めたいと思います。
 
そして、5月から私Nが担当してきた新人ブログですが、次回でいよいよ最終回となります!
就活生の皆さんへエールを送れるような回にしたいと思っていますので、あと少しだけお付き合いいただければ嬉しいです。
それではまた次回!