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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2016年11月の記事一覧

蒲田健の収録後記:羽田圭介さん

そもそも「生きて」いるとは何なのか?

羽田圭介さんの最新刊「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」

芥川賞受賞後、満を持して上梓した長編は、ゾンビが跋扈する

クライム小説。なんだ手垢のついた単純なホラーストーリーか、と

思うなかれ。中身は死んでしまっているのに体は動いているという

ゾンビは、様々なメタファーとなっているのだ。

重要なキーワードが、タイトルにもなっている“コンテクスト”。

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蒲田健の収録後記:のぶみさん

今回の自己採点は98点。パーソナルベスト更新!

絵本作家のぶみさんの最新作「いのちのたね」

小さい頃壮絶ないじめを受け、それが反転する形で不良の道に走り、

やがてワルの頂点に。ジェットコースターのごときアップダウン、

紆余曲折を経て、現在は絵本作家として活躍する、のぶみさん。

170を超えるその作品のほとんどは、

自らの持ち込みで出版されたものだという。

伝えたいことは、生きているこ

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蒲田健の収録後記:佐藤多佳子さん

誰にでも輝ける場所があるはず。

それはもしかしたらラジオであるかもしれない。

佐藤多佳子さんの最新刊「明るい夜に出かけて」。

ご自身が中学生時代からラジオの深夜放送をよく聴いていたという

佐藤さん。作品は完全なフィクションでありながら、

登場する番組は実在の人気番組。しかもその番組のリアルな

ヘビーリスナーでなければ描き切れないであろう熱さや空気感を見事に

伴った形でエピソードが躍動

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蒲田健の収録後記:西寺郷太さん

戦国時代の最終的な統一者は、ジャネット。

西寺郷太さんの最新刊「ジャネットジャクソンと80’sディーバたち」

マイケルジャクソン、プリンス、などをキーワードに80年代ポップスを

多角的に分析してきた西寺さんが持ってきた最後のピースは、

ジャネットジャクソン。

もちろんビッグアーティストではある。

だが、マイケル、プリンスに比肩するほどの存在なのだろうかと疑問に

感じる向きもあろう。

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蒲田健の収録後記:原田まりるさん

哲学とは、全く知らない知識を与える学問ではなく、

すでに知っているものについて「そうか、そういうことだったんだ」と

覚醒し解釈を深めてくれるものである。

原田まりるさんの最新刊

「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた」。

帯には“哲学エンターテインメント小説登場!!”の文字。

可愛らしい挿絵、軽妙な語り口も相まってスルスルと読めてしまう。

が、侮ってはいけない

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