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歴史や古典理解のきっかけとなる強烈な“点”を作る キャラクターから知ることの意義

歴史を学ぶ方法は様々だと思います。個人の相性もあるし、組み合わせた方がよいこともある。
よくある話が、同じ時代のことを並列して学ぶこと(横で見る)、1つの地域の歴史を通してみて、終わればまた別の地域の歴史を通してみる(縦で見る)という2つの方法です。

それぞれの有機的な繋がりを理解できるのが横、変化・流れを理解できるのが縦、どちらも大切な見方です。
最終的には全ての視点を取り入れたいところですが、どうも何から手を付ければいいかわからない。
興味を持ちたいけど湧かない、全く知らないからどう見ても頭に入ってこない、こういう人は多いのではないかと思います。

そのとっかかりとなるような真新しい壁に最初の小さな穴を打ち込んで引っかかりを作る、つまり強烈な“点”を作ることが、第一歩として1つ有効な方法ではないかと思います。

ひっかかる強烈な“点”を作る

1人の人物、1つの作品、1つの出来事…。興味ある、または強く印象に残った1つのことを学び強烈な“点”にする。
織田信長でも、源氏物語でも、なんでもいいのですが、1つのことを記憶に残り気になる“点”にしておく。

すると、歴史を横(同時代の地域並列)で見るにせよ、縦(1地域の歴史)で見るにせよ、その点が登場すれば、そこでひっかかります。気になります。
興味があること・知っていることに関係しているなら、何も無関係な時よりも、その周辺のことを覚えやすいですしモチベーションも上がるでしょう。


強烈な“点”になりえるキャラクター

特に人物、キャラクターは印象に残りやすいです。
歴史上の人物に直接興味を持って入ってもですし、架空のキャラクターから入ってもそうです。
自分が楽しんでいるゲームやマンガのキャラクターならば、強烈な“点”を作る動機づけは高くなります。
動機づけは、歴史や古典を理解しようではなくとも、ゲームやマンガをより楽しみたいでも良いのです。


“点”になりえるものを“点”にするきっかけを広めたい

史実をベースにした全てのキャラクターが“点”のきっかけに成り得ます。
私は古典の朗読・解説動画やテキストを投稿していますが、「清少納言」の『枕草子』のような学校でも一部扱われる古文だけでなく、一番初めは「刑部姫」が出てくる『諸国百物語』の文章を扱いました。(一番下にリンクを貼っています)
私自身、刑部姫に関心を持ったのはゲームFGOきっかけです。古文を読んでみると、やはり面白い。江戸時代の民間伝承ということで、平安文学中心の主流な古典とは離れておりあまり扱われませんが、伝承における「鬼」の役割、あるいは姫路城という1つの城のこと…様々な要素を知ることができます。

勉強のために狙って“点”づくりをしてもいいし、純粋な興味から増やした“点”が思わぬところでつながっても面白い。
古典解説を作っているのは、もちろん単純にその話自体が面白いと思ったのもありますが、せっかく“点”になりえるキャラクターを“点”にする機会をもっと広げたい、という思いもあります。
そのキャラクターの原典を読んでいる、これは深く刻まれる“点”に成り得ます。


別の世界と繋がる。 ―「学び」に対する意欲―

一度、印象的なことが歴史を学ぶ上での“点”になる経験をすると、様々な歴史はつながっているという体感が得られると思います。それは、すなわち学びの楽しみ、学びに対する意欲になります。
知るということ、学ぶということそのものが楽しくなれば、興味のなかったことを学ぼうとするモチベーションも高まると思います。そうなれば好循環です。

もちろん、誰もが意欲を恒常的に高めることができるわけではありません。歴史を広く学ぶことはエネルギーも使います。時期などによって意欲が下がることはあると思いますが、その際は興味のあることから“点”を刻むことで、学びの楽しみのきっかけがまた生まれるのではないかと思います。

制作動画・文章


動画と同様の内容で、テキストでも原文・現代語訳・解説を載せています。ぜひ、各自に合う媒体でご覧ください。


専門である教育学を中心に、学びを深く・分かりやすく広めることを目指しています。ゲーム・アニメなど媒体を限らず、広く学びを大切にしています。 サポートは文献購入等、活動の充実に使わせて頂きます。 Youtube: https://www.youtube.com/@gakunoba