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展覧会レポのすすめ [アウトプット最高!]

美術館めぐりが趣味という人がいます。でも、後から振り返ると「あれ?どんな展覧会だったっけ?」という具合に、おぼろげな印象しか残っていないということ、ありませんか?

私も学生時代や新人学芸員の頃は、勉強のつもりでせっせと展覧会を見に行きました。東京から関西にも夜行バスや新幹線でちょくちょく遠征して、美術館・博物館めぐりをしていました(今は忙しくて数えるぐらいしか行かなくなってしまった…。すいません!)。

ちゃんと観たぞ!という満足感はあったのですが、それぞれの展覧会の内容や感想はものすごくふわっと頭に残っているだけで、それも時間が経つごとに薄れていき、新しい展覧会を観ると上書きされてしまう始末。

そうならないためには、どうしたらいいか?

■展覧会チケットの半券をノートに貼っておく。
→私、日記がわりに使っていたMOLESKINEのノートにせっせと貼っていた時期もありますが、見返して「あぁ行ったなぁ」と懐かしむことはできますが、展覧会内容をビビッドに思い出すことはできません(注 できる人もいるでしょうが)。

■展覧会図録を購入する。
→展示されていた作品を見返すことができるので、効果はあります。でも大抵の場合、買って終わりで後は本棚の飾りになっているのでは?たくさん展覧会を行く人ほど、毎回図録を購入するのは金銭的にも厳しいかと。

というわけで、私のオススメは

展覧会レポートを書く。

です。ようするにアウトプットするのです。

ポイントは、自分の日記に書くのではなく、人に読ませるつもりで書くことです。
自分のブログがある人はそこに書いてもいいですし、このnoteを使うのもオススメです。noteは機能がシンプルなので、ほぼテキストを書くことに集中できます。

noteで展覧会レポート、展覧会レビューを書いている人は多いですね。さすがです。

人に見せるのは恥ずかしいから、公開はしたくないという人もいるでしょう。気持ちはわかります。でも、非公開で展覧会の感想を書くのはあまりオススメしません。

なぜなら十中八九続かないからです。やってみると分かりますが、展覧会の感想をまとめるのはなかなか大変です。誰も読まない、いつやめてもいい、という状態で自分のためだけにコツコツ文章をつづり続けるられるほど人間は強くありません。

そして読み手を意識して書くかどうかは大きなポイントです。
勉強も人に教えると、自分が一番理解するって言うじゃないですか。展覧会を人に伝えるつもりで観ると、作品と向き合った時の本気度が変わります。
「この絵、すごく良い!でも『すごく良い!』て書いても伝わらないな。何がそんなに心に響くんだろう。どうやって書いたら伝わるだろう」そんな風に考えながら、観ることで自然と深い鑑賞ができるようになるはずです。

そうは言っても、展覧会レポートなんてどうやって書けばいいか分からない!という人へ簡単なアドバイスを。

最初から、長文を書くつもりでいる必要はありません。
慣れないうちは、とりあえず展覧会の中の作品一点だけを誰かに紹介するつもりで、その作品だけについて語ってみましょう。

少し余裕が出てきたら、語る作品の数を2、3点増やしてみましょう。作品同士の共通点なども見えてくるはずです(ひとつの展覧会に並んでいるということは、何らかのテーマで集められたもののはずだから)。

ここまで来たら、最後は自分の気づきを書きましょう。作品を観る前と観た後のあなたは同じではありません。力のある作品は、人の常識や固定観念にゆさぶりをかけます。自分でその変化を感じ取ることができるようになればしめたものです。

ここまでできれば、展覧会をただ観ただけ、という残念なことにはならないでしょう。書きためたレポートは、後で読み返しても面白いですし、本当の財産になります。

恥ずかしがることはありません。誰も最初は読んではいませんから。
それにひょんなことから、同じ趣味の人とつながるかもしれません。noteに書いた展覧会レポートに一つでも「スキ」がついたら、がぜんモチベーションがわきますよ。

だまされたと思って、ぜひお試しください。

私ももっとレポート書かなきゃな…。


バックナンバーはここで一覧できます(我ながら結構たくさん書いてるなぁ)。