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最近注目されているアート思考についてまとめてみた【読書のすすめ♯3】

こんにちは。今回は最近ちらほらと目にするようになったアート思考についてまとめてみようと思います。

あとで参考文献を紹介しますが、まだアート思考について見解が一致していないような状況で、今回の記事はめちゃくちゃ大変でした(笑) まぁ僕の苦労はどうでもいいのですが、現在の共通解的なところをまとめたものだということを前提に読んでもらえればと思います。

1.なぜアートが注目されているのか

さて、まずはなぜ今アートが注目されているのかについて簡単に見ていきましょう。

そもそも僕がアートに興味を持ったのは、去年の秋ごろに大学の先生が「最近アートが注目されている」という発言をしていたのがきっかけです。

論理的思考力については法律を勉強している以上ある程度鍛えられましたが、0から1を生み出す能力が僕には欠けているな~と思っていたので、アートはそのヒントになるのではないかと感じ、アート思考に興味を持ちました。

そして今の社会でアートが注目されているのも同じような理由です。現代はものすごいスピードで社会が変化しており(オンラインでしゃべるのが当たり前になるとは思っていませんでしたよね)、その中でこれが生き方の正解だ!、というようなものを見つけるのは困難になってきています。

そのような状況下では、もはや時代に対応して正解を見つけるというのは困難であり、自分なりの正解を見つけることが必要となります。そういった自ら正解を生み出すような能力のヒントが現代アートにあるのではないか?と注目がされたわけです。

2.現代アートは何を表現したものか

では、ここからはそもそも現代アートは何を表現したものなのか見ていきましょう。

かつてアートにおいては、個性的な表現よりも生き写しのような正確な表現をすることが正義とされていました。しかし、カメラの登場に伴って正確な写しの価値が減少すると同時に、アートの方向性も変わっていきました。

現代アートの作品とは、自分の興味・関心に従って探求をし、その探求の結果が表現されたものなのです。後に紹介する参考文献①でも言われていますが、植物にたとえると、自分の興味に従って探求の根を伸ばし、その結果アート作品という花が開くイメージです。

従って、現代アートのもとでは「美≠アート」となります。美とは、主観的に決まるものというよりは他人の目から見て判断されるものですが、アートは主観に従って自分の見ている世界を表現するものだからです。

3.アート思考とはどのようなものか?

さて、自分の興味・関心に従って探求した結果としての現代アートですが、その1つの特徴として「常識を打ち破り、新たな世界観を提示する」という点があります。

ここで、ピカソの「アビニョンの娘たち」という作品を見てみましょう。

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出典:https://artmuseum.jpn.org/mu_avinyon.html「西洋絵画美術館」 

なんだかおかしな絵だな~と思ってしまいますが、ピカソはどのような探求をしてこの作品を描いたのでしょうか。

私たちは、遠近法を用いて2次元に3次元空間を表現することに慣れており、遠近法がリアルな絵をかくための方法であることを当然と考えています。しかし、実際には遠近法は1つの固定された視点から見た世界にすぎず、3次元空間を完全に表現できているわけではありません。

そこでピカソは二次元上でのリアルさについて探求しました。私たちが3次元の世界でものを捉えるときには、様々な視点から得た情報を脳に取り込んで再構成しています。そのような状態を2次元で再現しようとして、ピカソはいろんな視点から見た女性たちを1つの平面上に表現したわけです。

このようにして、アーティストの探求は私たちが当たり前にしていることに対して疑問を抱き、常識を打ち破ることにつながっていくわけです。そして、このような自らの興味関心に従って探求し、常識を打ち破るような世界観を生み出すことこそがアート思考ということになります

4.アート思考を獲得するために

では、アート思考を獲得するにはどうすればよいのでしょうか。

まずは、自分の偏愛・違和感といったものを大事にすることが必要です。これまで見てきたように、自らの興味関心を出発点として、それに基づいて探求した世界が常識を覆していきます。特に自分が日々感じている違和感のようなものを探求することで、新たな世界を構成する方法が見えてくることがあります。

次に、身体的感覚を大事にすることが必要です。身体の感覚は千差万別であり、常識を打ち破るようなアイデアは頭の中だけの思考からではなく、身体と世界との相互作用の間で生まれてくると言えます。

そして、何よりも効果的なのが、アート作品に触れることです。アート作品を見ても、「よくわからないなぁ」となって終わりがちだと思います。

アート作品を鑑賞するということは、アーティストが提示する世界観を受け取るということになります。そのためには、まずは作品と対話することが重要です。

対話の方法としては、まずは背景事情は全て取っ払って、作品から感じたことを言語化するというのが有効です。その際に、作品の特徴的な部分があれば「そこから何を感じたか」、作品から悲しい・明るいなどの感覚を感じた場合には「どこからその感覚を感じたか」という形で言語化すると、思考が深まっていきます。

例えば、さっきのピカソの絵が「変だ!」と思ったなら、ピカソの絵のどういう点に変だと思ったのか言語化していきます。逆にピカソの絵が「いびつな形をしている」と思ったなら、そこからあなたがどう感じるのかを言語化していきます。

その上で、作者の人生・歴史的背景・評論家による分析などの背景事情を知ることによって、より作品への理解が深まります。最初から背景事情を踏まえないことによって、作品に対して固定化した見方をすることを防ぐことができます。

5.最後に(文献紹介)

今回はかなりふわふわとした話になってしまいましたね(笑) 最後に今回参考にした本を紹介しておきます。

①「自分だけの答え」が見つかる13歳からのアート思考

まず最初の一冊としてはこの本をおすすめします。現代アートがどのような過程で作られているのかを知ることができます。

②ハウ・トゥ・アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法

次の1冊として、この本をおすすめします。①は結局のところ「自分の関心に従って探求する」ということしか書かれていませんが、②はもう少し踏み込んだ形で記述がされています。もっとも、この本を読んでも結局アート思考はわかるようでわからず、モヤモヤすることになると思います笑

③ArtThinking アート思考 ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

この本は、アート思考を理解するという観点からは、読まなくてもいいかな~という感じがします。ただ、同じ内容でも表現の仕方が異なることで理解が深まったりすることもあるので、そういった意味で一読の価値はあるかもしれません。

というわけで、今回はアート思考について紹介していきましたが、自分でもしっかりと理解できていないので本当にふわふわした話になってしまいました(笑) これから理解度を高めるためにも、現代アートを定期的に鑑賞してみたいなと思っています。

それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!

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是非以下の記事も読んでみてください!

読書のすすめ①

読書のすすめ②



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