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大統領師匠の、本

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大統領師匠の台本(主にボツ)です。
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2022年12月の記事一覧

台本「処方🈡」

台本「処方🈡」

医者「生きているっていう事は、毎日生きていられるっていう事は、それだけでもう何物にも代えがたい宝物なんですからね」
男「は、はぁ……」
医者「ですから私はあなたに逝く事をお勧めはしません。どうか、どうかもう一度、考えて治してはもらえませんか?」
男「……わかりました……考えてみます……」
医者「良かった……良かったです。もし何かありましたらいつでもいらして下さい。今日は精神安定剤を処方しておきまし

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台本「処方③」

台本「処方③」

医者「この人はカード使わないの、逝く方なの、だからカードはいらないの」
男2「え、逝く方なんですか? (男に)あなた、逝くの?」
医者「そうだよこの人は逝くんだから」
男2「……(男に)あなた、青いの、怖くないの?」
男「ごめんなさい、青いのって言うのは……?」
看護婦「(男2を強引に掴んで)ほら、戻りましょう。戻らないと引っぱたきますよ」
男「でも……」
看護婦「カードあげませんよ」
男2「それ

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台本「処方①」

ボソボソと暗闇の中から声がしてくる。
 
看護婦の声「はぁ……あぁ、そうなんですか……クビになられて……」
男の声「ええ、そうなんです……」
看護婦の声「それは、いつ頃……?」
男の声「半年前で……」
看護婦の声「……何度か、チャレンジなされました?」
男の声「やってはみたんですけど……ちょっと、なんていうか……」
看護婦の声「……やりきれない感じ?」
男の声「です、ね。そう、なんですよね……」

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台本「千切れてちょうだい🈡」

台本「千切れてちょうだい🈡」

悠々と室内に戻る芳江。

芳江「雇用頂くのは1500人で結構です」
蓮見「あの……1回、1回、外がどういう仕組みになっているのか見させて頂いても宜しいですか?」
芳江「はい?」
蓮見「何回も、落っこちたり戻ったりしているから、不思議で仕方がなくて……どう、いう事になっているんです? ネットですかこれ?」
泉田「私も全く分からないんですけども、」
芳江「私だって分かりませんよ」

窓から、ガバッ!と

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台本「千切れてちょうだい⑨」

台本「千切れてちょうだい⑨」

芳江「早速契約を」
蓮見「ですな。では、」

蓮見、バックから契約書を取り出す。
泉田、不信に思いトイレのあるドアの方に近づく。

芳江「え? 泉田さんなに?」
泉田「いえ……社長はどうされたのかと、」
芳江「だからトイレよ」
蓮見「共同経営者の奥様のサインをここに、」
芳江「あ、はいはいここね」

突如、窓からガバッ!と戻ってくる隆。

隆「うぉぉぉぉ―――――――!!!!」
芳江「!!」
泉田

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台本「千切れてちょうだい⑧」

台本「千切れてちょうだい⑧」

妻が再び飛び降りた事に、呆然としている隆。

泉田「ほ、本当ですか!?」
蓮見「どうです。神田さん?」
隆「……」
泉田「社長? ……まさか、まだ不服なんですか? これ以上はいくら何でも、全員というのは無理です」
隆「……」
泉田「社長!」
隆「……ん」
泉田「1500人で、手を打ちましょう」
隆「1500……?」
泉田「過半数以上救う事が可能なんですよ、」
隆「ああ、そうか……。もうちょっと、イ

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台本「千切れてちょうだい⑦」

台本「千切れてちょうだい⑦」

泉田「神田社長と密接な関係になったのも、正直当初はそんな営業活動の一環でした。私の手帳には、社長と初デートの日は「初デート」とは記載されてはおりません「初枕」と書かれてありました」
隆「……どうしてしまったんだ泉田君!」
泉田「美千代でお願いします。でも、神田社長とお会いして真実の愛に目覚めたんです。社長の包容力と優しさに両のまなこの曇りは晴れました。そして思ったのです。あぁ不要な営業活動は止めよ

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台本「千切れてちょうだい⑥」

台本「千切れてちょうだい⑥」

隆「俺の事?」
芳江「昔2人でさぁ、学生の頃一緒に行ったじゃない浜名湖」
隆「大学ん時?」
芳江「浜名湖着いてさぁ、いざ白鳥のボート乗ろうって時に足滑らせてあたし湖に落下しそうになってさ。その時にあなた私助けようとして私の手握ってさぁ、結果2人で落っこちたでしょ。憶えてる?」
隆「あ~……」
芳江「それ思い出したの落ちながら。あぁ~あの時は結局2人揃って落っこちたけどあなた優しかったなぁって思った

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