チャンバラの大切さ
こんにちは! 金沢市で活動をしているNPO法人ガイア自然学校です。
今回は、ガイア自然学校の代表、成田裕(なりたゆたか)によるコラムです。
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「木の棒であそばせるの、あぶなくないですか?」
自然教室ガイアキッズは、月に1回、金沢近郊のさまざまな自然の中でたっぷりあそぶガイア自然学校のメインプログラムです。
この日は、はじめてガイアに来る子どもたちに体験会と保護者の方への説明会を行いました。
子どもたちは、Gリーダーと一緒にシェア金沢の森や周辺で自然の中でのあそびを楽しみました。
説明会でされた質問には、安全に関するものがいくつかありました。
その中で、実際に体験中に木の棒でチャンバラをしている子どもたちを見て、心配になった保護者の方から質問がありました。
確かに、あぶない事はたくさんあります。木の棒とか、目に入ったら…とか考えたら怖いですよね。
木の棒を拾ったら60%くらいの子どもが、その棒でリーダーをたたき始めるか、チャンバラを始めます(笑)
もちろん、リーダーは痛かったら「やめて!」って言いますし、チャンバラがエキサイトして危険な状況になったら止めに入ります。
しかし、チャンバラを禁止したり、木の棒であそぶの禁止にはしません。
「ケガしたらどうするんですか?」
よく聞かれます。
ケガしてしまったら、応急処置や場合によっては病院に行きます。誠意を持って対応します。
としか、言えません。
「絶対ケガさせないでください。」
と言われるのであれば、ガイアに来ない方がいいです。
子どもたちは、あそびの中で「何が危険で、何が危険でないか」を学んでいます。
それを大人が取り上げてしまったら、逆に危険が分からないまま大人になってしまいます。
その方が危険だと思いませんか?
チャンバラの中で、距離感とか痛さ具合とか、気をつけるポイントとかを体で学んでいるんです。
もちろん、大きなケガや事故は起こしたくありません。
なので、そこに関する対策は本気で行っています。
「安全」のために「危険」を排除することは「教育」じゃないと思うのです。
文:成田裕
(「ガイア通信」バックナンバーより再掲載)
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平日ガイアでは学童保育を行っています。
敷地内に小さな森があり、その中にある焚き火台で子どもたちは焚き火をすることができます。
もちろん、焚き火をする時は大人と一緒じゃないとできないルールです。
現在学童で一番年上の子どもたちは5年生なのですが、彼らが1年生の頃は焚き火でヒヤヒヤすることが少なくありませんでした。
火は触ったら熱くて火傷をすること。メラメラ燃え上がっていない黒い炭火も熱いこと。火の中に突っ込んだ火バサミの先っぽはしばらく熱いこと。
焚き火を始める前に学生ボランティアであるGリーダーが注意事項を伝えても、一定数はそれを忘れて怪我をすることがありました。
入学したての1年生で、火は熱いということを知識としても実感としてもわからない子が、毎年一定数いるように思われます。
火そのものを間近で見ることができる環境が、今の日本では多くはないからかもしれません。
それでも、回数を重ねるごとに今の5年生たちが焚き火で怪我をすることは激減しましたし、火のつけ方や火を絶やさずに燃やし続けることが上手になりました。
彼らならライフラインが止まってもたくましく生きていけると思います。
もちろん、大怪我に至らないように時には体で止めることもあります。
しかし、幼少期に小さな怪我を経験することで脳が発達し、受け身を取れるようになったり、怪我をしないような身体の動かし方ができるようになると言われています。
(上の書籍で、全身の筋肉の無意識な動き全般と空間認識を司る小脳の発達のためには、生活体験や外遊びが大切であるということが述べられています。)
冒頭のチャンバラも、木登りも、釣りも飛び込みもスキーもそう。
大怪我をしないために万全な装備で、安全を維持できる行動をとることで、安心して小さな怪我を負うことができます。
そのためにも、保護者の方々のご理解とご協力が必要なのです。
ガイア自然学校は、子どもたちに遊びや怪我を通して危険についても学んでほしい思いがあること。
大怪我や遊びに支障が出るような怪我を防ぐために、服装や持ち物のご理解とご用意をお願いしたいということ。
わからないことがあれば、なんでも聞いてください。
子どもたちが、自分の力で自分の望む人生を切り拓いていけるように支援していきます。
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