Gage

はじめまして。ゲージとよみます。広告代理店のマーケターから転身、不動産システム開発の世…

Gage

はじめまして。ゲージとよみます。広告代理店のマーケターから転身、不動産システム開発の世界に飛び込んで「営業マンロボット」を作るという荒唐無稽な夢に向かって日々悪戦苦闘、失敗と反省の毎日。ヤラれてヘコんで立ち上がる、中年社長の青臭い葛藤日記。続けられるかなあ。。。

最近の記事

  • 固定された記事

IT会社を起業した中年”元”アドマンの冒険譚

広告代理店で20年もマーケティングをやっていた中年が、ある日ひょんな思いつきと妄想で古巣の大会社を飛び出し、システム開発の世界に足を踏み入れた。そして、かつて一度も踏み入れたことのない不動産の世界に首を突っ込み、そのままどっぷり首まで浸かってしまうことになりました。そこで見る風景は、まさに鏡の国、異次元空間。そこで立ちすくむ私の気分を言い表すなら、異星の酒場に紛れ込んだ若いルーク・スカイウォーカー(まったく若くはないところが残念ですが)といった感じでしょうか。 もともと、テ

    • 拝啓 ChatGPT様。

      あけましておめでとうございます。貴殿のお噂を耳にしたのが2022年の夏でしたでしょうか。あれから貴殿も大変ご活躍のご様子で、昨年の2023年は猫も杓子も貴殿のお名前で持ちきり。まさか貴殿が、IT業界のみならず、お茶の間のバラエティ番組のデビューまで果たすとは流石に想像しておりませんでした。 貴殿の繰り出す流暢で軽妙な会話力に、世界の多くの人々は感嘆と称賛の声を漏らしました。貴殿の登場をもって「人間の知性を超える」と息巻く知識人が未だに絶えません。「大規模言語モデル」という名

      • 元広告マンが見るポストGPTのマーケティング風景(後編)

        (前編)では、GPTのような生成系AIの登場で、デジタル・マーケティングがフレームデザイン型から、これまで機械化が難しかったプロポーザルデザイン型へと拡張する可能性を予想した。(後編)では、理屈はそうでも、それってどうよ?というちゃぶ台をひっくりかえす考察をしてみようと思う。 ロボットは幻覚を見る?GPT 4.0のHallucination(幻覚)問題 チャットGPTの開発元であるOpen AIは、GPT4.0になっても、根本的で重要な問題が解決されていないことを認めてい

        • 元広告マンが見るポストGPTのマーケティング風景(前編)

          Chat GPTは安々と「不気味の谷*」を超え、人間にその存在意義を突きつけてきている。広告会社にて言葉を扱う仕事をして20年、デジタルで起業し言葉のシステムに関わり10年、GPTについて思うことを書いてみる。 学歴至上主義をひっくり返す?GPTの得意分野は「合格点のある問い」 東京大学の副学長をして「ChatGPTの利用前提に全てを見直す方向へかじを切る」とまで言わしめているChat GPT。とある私立大学の文芸学科でもChat GPTの実験は始まっており、同学科の現役

        • 固定された記事

        IT会社を起業した中年”元”アドマンの冒険譚

          ジェネレーティブAI元年

          自然言語「処理」から「生成」へコピーライターは、嘗て広告会社の花形だった。人間の叡智の結晶であり、知恵と教養をこめた渾身の一行が、社会の合言葉になる時代だった。なので、5年前に「コピーライティングの自動生成を作る」と言ったら、広告会社時代の仲間に鼻で笑われたことがある。 2020年7月に発表されたChat GPT3は、言葉通り世を震撼させ、またたく間に世の中に広がった。わずか5日間で100万人の会員登録を達成、これはFacebookでも10日、Instagramでも2ヶ月か

          ジェネレーティブAI元年

          フィルターバブルをぶっ壊せ!

          バブルの中は阿吽の呼吸で酸欠状態 同類の嗜好性を持つ人同士の心地よい世界。Amazonが日本にやってきて20年以上、私たちは「協調フィルタリング」技術が繰り出す心地よい膜の中に優しく、それと気づかぬように閉じ込められてきた。 フィルターバブルの中は、同類同士の阿吽の呼吸の世界だ。だから、セールストークは20年もの間「他の人もクリックしています」「この商品を見ている人にはこちらもおすすめ」の固定文言だけで十分だった。 でも、「この商品を見ている人は」を繰り返されるうちに、

          フィルターバブルをぶっ壊せ!

          「くらしのアナキズム」を読んで

          島唄のようなアナーキー? 岡山大学文学部准教授の松村圭一郎著「くらしのアナキズム」を読みました。アナーキーといえばセックス・ピストルズを思い浮かべてしまうパンク出身の僕には、全く目からウロコの内容でした。力任せに要約すれば、アナーキズムとは、顔の見える相手同士がお互いの事情を斟酌しあって、現場レベルで貸し借りや取引をしている「市場(いちば)」の状態。これを、資本でもって大量仕入れでリスクをかぶり、不特定多数に売りさばいて利ざやを抜く胴元ができると「市場(しじょう)」ができる

          「くらしのアナキズム」を読んで

          信・神・真とCredit, Trust, Believe

          ジーマスコア 中国のジーマスコア(芝麻(ジーマ)信用・セサミクレジット)というのが話題になっています。中国の電子決済のアリペイでポイント的に使える、個人の与信スコアのようなものです。お金をちゃんと返した、良いレストランで食べた、友達にいいね!された、といった”善行”をしていくと、その人のスコアに加算されます。逆に、自転車を駐輪の枠からはみ出して駐めたり、スコアの低い友だちや学歴の低い旧友とのチャットがあるとスコアが減点される、といった具合で、お金のやりとりだけでなく、人脈や

          信・神・真とCredit, Trust, Believe

          二匹の鯛と盲腸コアラ

          間違い探しが大好きな私たち日本人 エビスビールのラベルの恵比寿様が背負った魚籠(びく)には、おめでたい鯛が一尾入っています。この鯛を二尾背負った恵比寿様がごくたまにいて「ラッキーエビス」といい、これを引き当てると酒の宴がぐっと盛り上がります。 似たようなものでは、ロッテのチョコスナック「コアラのマーチ」の「盲腸コアラ」。膨大な種類のコアラの絵柄がある中、盲腸の手術の縫い傷を腹につけて泣いているコアラがおり、これに出会うと幸運を呼び込む、といった都市伝説。 どちらもよく知られ

          二匹の鯛と盲腸コアラ

          Amazon占いの功罪

          「こちらもおすすめ」しか言わないAmazonの思惑 Amazonがそれまでの通販サービスと一線を画したのは、言うまでもなくそのおすすめ(レコメンド)システムです。書籍販売からスタートし、やがてCDなどの「ライブラリ型商材」のオンライン販売へとジャンルを拡げてきたAmazonは、本やCDの選択からその人の嗜好性を見事に見抜けるところに着目しました。万人が買うマクドナルドのポテトではその人の嗜好性を見抜くのは難しいけれど、ミッシェルガンエレファントとブルーハーツの両方を選ぶ人の

          Amazon占いの功罪

          新しい町ができる、ということ

          「町ができる 町ができる 新しい町ができる 傷つき息絶えた大地の上に」 大ファンのT字路’sタエちゃんの歌で知った、カンザスシティバンドのこの歌詞は、世界中のあちこちで酷いことになっている、いろいろな風景を頭によぎらせる、いつ聞いてもおなかになにか火がつくような歌詞です。もうちょっと続けます。 「東から来た男が 土を耕し 南から来た女が 苗を植える 西から来た男が 火を熾し 北から来た女が 飯を炊く やがて川には 橋が架かり やがて家が建ち 道ができ やがてこの町で 初めて

          新しい町ができる、ということ

          とんぼのめがねの「みずいろ」は何バイト?

          「みずいろ」はけっこう重たい 「みずいろ」のひらがなテキストデータなら12バイト。「水色」の漢字なら6バイトです。では、この「みずいろ」を、MS明朝の12ポイントで10人のイラストレーターにメールで送って、水色をデータをCMYK(4色指定)で返してもらうとしましょう。果たしてまったくおなじ「みずいろ」が帰ってくるでしょうか? かつて「五感ブランディング」という、ブランドの「らしさ」を音や色、匂いや触り心地で探して定義する、という、これまた摩訶不思議なことを真面目にやってい

          とんぼのめがねの「みずいろ」は何バイト?

          花火職人と包丁職人:クリエイターとエンジニア、それぞれの風景

          驚くほど頭硬い!には理由がある あるクリエイティビティで名を馳せるシステム会社の人とブレストをしたときの話です。確か、僕が前職の広告代理店をやめて間もない頃だったと思います。ポストイットを大量に持ち込んで、いつもの感じでブレストをしたんですが、広告代理店出身の人間からみると、そのシステム会社のアイディアというのが、拍子抜けするほど硬かった。失礼承知で言えば、どれも面白くなかったんです。以来、色々なシステム会社の方とアイディアブレストをしていますが、その印象は正直、まだ変わり

          花火職人と包丁職人:クリエイターとエンジニア、それぞれの風景

          「ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク」の呪文

          呪文でわかる人は通ー このタイトルで「野菜非常に多め、スープのタレ多め、背脂少なめ、ニンニク多め」というのが一発でわかる人はジロリアンさんですね。商品のスペックを並べて注文する人はマニア、その世界のことに精通している人というのはジャンルを問わないでしょう。 これは、一昔前(40-50年ぐらい?)は自家用車の世界でも近いことがありました。ファミリーセダンに「Twincam24」なんてエンブレムが貼られていたのですが、意味わかりますか?ツインカム、つまりエンジンのカムシャフト

          「ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク」の呪文

          なぜ、不動産のキャッチコピーは今でも「日当たり良好」なのか?

          世紀の名コピー「日当たり良好角部屋」 大昔、「日当たり良好!」なんて漫画がありましたね(知らないよね)。不動産の名キャッチコピーとして、ひょっとしたら1世紀ぐらいつかわれているのではないでしょうか。 不動産物件のキャッチコピーは、こうした定番の名コピーのほかにも「詳しくは信頼と実績の○○不動産へお問い合わせください」とか、定型文のコピペ・使い回しが多くみられます。 でも、住居って、売買なら数千万円、賃貸でも更新までの2年住むなら軽く100万円前後にはなりうる、けっして安く

          なぜ、不動産のキャッチコピーは今でも「日当たり良好」なのか?