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石川金子
2020年1月10日 14:04
太陽がだらだらと爛れて赤い体液をアスファルトに滴らせている夏の終わりに彼女は死んだ。 国道近くの緩やかで長い坂道を、黒ずくめの一行が陽炎に煽られるようにじりじりと登っていた。まるで蟻の行列が戦利品を抱えて帰るように、先頭からの何人かは骨壺や遺影や献花を抱えて、悲しみよりもうだるような暑さのために皆頭を落として歩いていた。彼はその葬列の一番後ろを、似合わない喪服を着て不貞腐れたようについていく。