見出し画像

【スティグマのデコン】カミングアウトしてみた話その1

こんにちは。寺浦(仮名)です。
この前一気に想いを勢いで書ききったら少し落ち着いてしまったというか笑。
でも今回はタイトル通り、つい最近あったカミングアウトについて記してみようと思う。

ストレスや不安は少ない方がいい。

当たり前のことですよね。かの有名なデール・カーネギーも「今日一日を生きろ」と言い、ストレスや不安、恐怖というのは今日を一生懸命生きるエネルギーを失わせてしまう…というようなことを言っていた気がする(もう一度「道は開ける」、読み直そうかな‥)。
そして自分はやっぱり、過去の自分分析の通り、おそらくだけどゲイであることとその影響によるストレス下には晒され続けているのだと思う。


というか、たぶん自分がゲイであることで悩まなかった人はほぼいないのではなかろうか。

ただし悩むならファクトベースで。

ただ、もしも「こうではなかろうか」「こう思われているのかもしれない」と勝手に妄想を膨らませて、それが結果としてストレスになっているのならこんなに莫迦げたことはない。ファクトフルネスみたいな言葉も流行っているように、意外にも思い込みで一歩進めないことは世の常としてあるようだ。
これに気づけたのは自分のnoteを見返してのことだと思う。結構、過去にとらわれすぎているというか、仕方がないことだが、多感な時期を依然として差別的なの中で育ってきた影響も多分にあると思う。とはいえ、今はNPO団体や議員先生、タレントさんなどの色々な先駆者のお陰で、感情論の差別だけでなく雇用や法整備などあらゆる面で環境は変わりつつもある…はずなので(SNSなどのコメントがよほどの性格の悪い二重人格でなければ…)。

ノンケ(ストレート)の方にカミングアウトをしてみた。

そこでこの鬱積した気持ちに新たな風を吹き込みたかったのと、実際はどうなのだろうかという気持ちもあり、カミングアウトをしてみた。
それも実名で知り合った方にだ。
数週間前の自分が見たらなんとことを!と驚くだろう。

出会いのきっかけは、ビジネス上の出会いだ。
もし「自分とのことか」と思う方はこっそりメッセージください。
ビジネス上の出会いなのでもちろんお互いフルネームだし、社名も仕事内容も明らかにして出会っている。
実際の業務に関係ないところで人生相談というような形でお話を聞いてもらった。お相手の方の名前は仮にスギ氏としよう。
スギ氏はメンタリングとかもやられているので話を引き出したり誘導するのがうまいなと思ったし、営業職ということもあってか非常に前向きなメンタルは”営業職男性”ならではだな‥と個人的に思った(これももしかしたら、なり切れない自分へのコンプレックス・強要される男性性の思い込みかもしれないが、世の中の営業職の男性はこういう性格や精神性でなければならないと思うので純粋に体現できている氏を尊敬)。

最初は隠していた。積極的にカミングアウトをする必要はないと思っているから。

そんなわけでスギ氏とのメンタリングが始まり、過去の経験や自分の今、将来どうしたいかという話にまで及んだ。
そこで将来の話に及んだ時、全くビジョンが見えないのだ。
唯一あった理想のライフスタイル像を叶えることを考えても、「一人で生きるのは寂しい」というような寂しさが先んじて邪魔をする。
この寂しさというのは、一歩踏み出せないと感じる人間関係の希薄さもあるし、ゲイ恋愛への憧れなんだと思う。彼氏と同棲をしたいとか、そういう(スギ氏にはそこまで話していなかった気がするが)。
やはり、障壁を掘り下げるのに「なんで?」という問いはメンタリングにつきもので、これに関してもやんわりと「まだ東京で遊んでいたいからかもな~」なんて誤魔化していたけど、なんだかニュアンスが伝わっていない気もしたので、カミングアウトをして話してみようとその時思ったのだ。
スギ氏とはメッセージのやり取り数回、そしてこのメンタリング――その時は40分経過したぐらいだっただろうか――での出会いだったので、ほぼしがらみはゼロ。気になる点といえば、社名も知られており、私が所属している会社の社員とスギ氏の会社とで実は過去に関りがあったことぐらいだけ。程度は知らない。

”実はさっき一つだけ嘘をついてしまったんですよ”

男性の方が好きで。

と、カミングアウト。そこから、少しゲイ寄りの思想や価値観を話す。やはり東京の方が出会いの数は多いことや、受け入れられる土壌は整っていることなど、出会いの方法など。
少しの沈黙はあったものの、意外にも反応は悪くはなかった。二重人格でなければ。「バイではなく?」ということも聞かれたような気がする。
スギ氏は漸く彼の身の回りのことを話してくれた。自身の友人に「レズの女性もいる」と言っていた。そこはビアンと言いなさいよ、と一言添えたくなった。
さらに彼は学生時代の部活動(運動部)にもゲイの人がいたと言っていた。運動部ゲイって自分にはおよそ関わりのない人たちだったので、神話と思っていた。しかもさらにカミングアウトもしているだなんて、マジか。
一つ言うならば、「自分の周りにもそういう人がまた現れたら紹介するよ」って言われたけど、いや、そうじゃない、それは悩んでいない。ちょっとだけ、温度感というか文化的な差異を感じた瞬間である。おれはあなたに出会いがないことを相談したかったわけではないのだ。
『きのう何たべた?』の1シーンを思い出してしまった。ゲイということを知っているノンケ女性から、頼んでもいないのにゲイ男性をアウティングおよび紹介されて狼狽える筧史朗さん。あのノンケ女性の対応が「ノンケとしてゲイ男性への対応として是」とされているのなら、ちょっっっとだけ違うような、気もする。
大丈夫だよ、君たちが知らないところで出会いはアプリでも現場でもあるから。ありがとう。

自己評価は半々。

この唐突なカミングアウトを振り返ると、プラスマイナスは半々ぐらいだったと思う。
よかった点としては、より的確なメンタリングに移行したこともある。
しがらみの関係値もあるし、スギ氏が二重人格でなければの話ではあるが(笑)「なんだ、カミングアウトしてもこんなもんか」といったような、ある意味での受け入れてもらえたということに対する安心感と少しの成功体験にはつながったように思う。
懸念点としては、もしこれがスギ氏が本当はホモフォビアで「うわこいつホモかよ」と感じていたのに、お互い社名出してるからこその「オトナな対応」を強いてしまったら申し訳ない。あとは、前述の通りスギ氏の会社と自分が所属している会社と関りがあったようなので、何かしらのルートで会社にバレるアウティングに繋がったらどうしようという新たな不安が生まれたこと。でもこの「どうしよう」という新たな不安も、アウティングされて会社で不当な扱いを受けたり差別に繋がったらどうしよう、ということではあるが、これってファクトに基づいていない不安だよね。アウティングされたけどスギ氏のように「あっそうなんだ」で終わればまぁあまり何もないというか…。
もしなんかあったらやっぱりゲイであることが原因で自分に自信を無くすし、何もなければスギ氏やっぱ純粋に尊敬に値する人だなとなるだけだ(無暗にアウティングをしなかったことや、受け入れてくださったことに対して)。

今後についてはまたファクトに基づいて考えたいと思う。今判明しているファクトと言えば、スギ氏からその後連絡が全くないことだ。
結果としてカミングアウトをしてしまっただけであって、計画的にだとか実験的な側面は全くなかったことは明記しておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?