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noteフェス 第4日

noteフェスとは、「つくると、つながる!」をテーマに9月2日から4日にわたって開催されたオンラインイベント。

さまざまな分野のクリエイターのみなさんに、取り組んでいることへの
想いや魅力をうかがっていきます。

ということで、豪華ゲストが次々と登壇し続ける4日間でした。

僕はこのフェスを盛り上げる「サポーター」に申し込むも、フェス前は盛り上げ番組の視聴飲み、フェス中もバタバタしていてリアルタイムで見れず。ということで、最終日まで、なかなか盛り上げられず

意を決して、最終日こそ、事前に申し込んだサポーター特典の会場観覧で、その場からツイートするなどして盛り上げよう!ということで、行ってきました。ってか、最終日は旧知の石川善樹さん、浅生鴨さん、加藤貞顕さんがご登壇、そして、現場で徳力基彦さんが大奮闘、となれば、行かない理由がありません!

なお、会場は、この時節柄の配慮が徹底されていました。入室時には、もちろん検温とアルコール消毒。そして、会場の設営は、配信スタッフの皆さんは間隔を開けて配置、登壇席もアクリル板が不要な距離、そして、観覧席は200人は入れるところにサポーター7人のみ。かなり広々していました。

会場では、徳力さんが!

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その会場では、普段は出役として登壇している、さとなおラボ仲間のとくりっきーこと徳力基彦さんが現場を仕切っていてびっくり!本番前のカウントダウンなどをされていました。

そんなとくりっきーが奮闘する会場で、素敵な3セッション&打ち上げが行われました。どのセッションも魅力的だったのですが、まずは最初のセッションをまとめてみます。

上手くなる方法と、強くなる方法(石川 善樹 × 森内 俊之)

登壇者は予防学者の石川善樹さん、将棋の森内俊之九段。ファシリテーターはnote CEOの加藤貞顕さん。

「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとする石川善樹さんに、こんなに面白いテーマが提示されたら面白くないわけがない!加えて、ファシリのnote CEOの加藤さんは大の将棋好き。ということで、主なやり取りは、こんな感じでした。

ー森内棋士
(加藤さんからの紹介後、「将棋が強い」とは?との問いに対し)
読みが深い、大局観がある、直感、論理的など、いろんな要素がある。

ー石川さん
(加藤さんからの紹介後、写真のスライドを使いながら)
脳科学の研究から、イノベイティブな人、クリエイティブな人は脳の中を3つを行き来できる人であるということがわかってきた。重要なのはSN。 大局観と論理を行ったり来たりできることが大事。

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このように、将棋の強さのポイントは大局観と直感と論理、イノベイティブな人やクリエイティブな人は直感・大局観・論理の三つを行き来できる人、という話の後に、次の話に続きます(スマホで取れたメモの限界&石川さんが繰り出すパンチラインが強烈、ということで石川さんのコメントが多めです)。

ー森内棋士
打ちながら、今、そして、将来どうなる?と、いろんなパターンを考える。
想定未来や、相手はどれだけ力が残っているか、など。

ー石川さん
大局観を俯瞰しつつ、ディテールを見れることが大事。「ビッグピクチャー」と「ディテール」(加藤さんから、編集も「方向性」と「字面」の往復
とのコメント)あのスティーブ・ジョブズは、細かかったことで有名。

ディテールとは、今この瞬間という時代を見ること。俯瞰は、歴史的な流れを見ること。この二つができること。

そして「複数の視点」を持つこと。時代(今)だけ見ると「AI ×○○」というテーマでモノをかけば売れるはず。しかし、人類の歴史に身を置くと、AIは大切だが、それほどか、とも思う。時代に名を刻むのか、歴史に名を刻むのか、をいつも考えている。

ー石川さん
うまくなって、打って出るタイミング時間には制約がある。うまくなる、打って出るタイミングうまくなるから強くなるは、難しい

ー森内棋士
対局などもあり、勉強に当てられる時間には制約がある。しかし、今はAIがある。勉強の環境は、過去に比べて恵まれている。どうしてそのように打ったか、を後で考えることができるようになった。
(石川さんから「でも、みんなにとって楽なのでは?」との問いに)AIは、限られた人が使えている。みんなが使えるものではない。

(加藤さんから「藤井さんが強い理由は?」との問いに)もともと強いことは間違いない。特に計算能力が高く、さらにAIを使って検証もしている。加えて、論理が強い。若いし、まだ、伸びる。

ー石川さん
伸び悩みが生じる原因は、飽きていること。強くならない、上手くならない自分に飽きている。その際に、自分の取り組みが良くないと考えられるか。

上手くなる、強くなるには、あるタイミングで「目的」を置くことをやめること。そして「発見する」ことに集中すること学んだこと、見つけたことを大切にする
そうしないと、努力しても伸びない、やっても止まる、という時に、努力をやめてしまう。取り組みが良くて伸びるのに、途中で止まるのはもったいない。(森内棋士から「確かに。成長は階段状のことかがある」とのコメント)。モチベーションの維持は難しい。

ー石川さん
羽生さんは、将棋以外にチェスをやる。努力の時間の間に他のことをやると、それはいいのか?と思うことはないのだろうか。しかし、努力は飽きることがあるだから人間修養する。結果につながるかわからないのに、本業と違うことに時間を費やすことで、修養する(森内棋士から「弱っている時は、クイズ出てるからダメだと言われた」とのコメント)。

ー石川さん
何をやるかは、自分で決めるしかない。他の人が決めたことに従わなくていい。基本は守破離。まずは勉強して定石を知り、強くなる。そこからどう離れる?個性を活かす?でも不安?ネットでも、こうすればPV伸びる、という定石があると思う。しかし、それをみんながやると、ダメになる。

ー加藤さん
羽生さんに名言がある。勝ち負けだけならジャンケンでいい。
個性やストーリーを感じにくい
個性を出そうと思うと、強くないことをやろうとする

ー加藤さん
森内さんは「ウケ」がうまい。しかし、受けてばかりでは危ない。それでも、なぜ受けられるのか。

ー森内棋士
自分を信じてやるしかない。お手本はある。しかし、ウケは潰される可能性がある。(潰されそうになったり、間違った手を打った場合は?との問いに)将棋中は、テンションが上がる。名人戦は、耳が赤くなることもある。その場合は顔を洗いに行って、出直すしかない。

ー石川さん
ビジネスで「勝ち負け」は分かりづらい。自分が書いたnoteは勝ってる?よりいい?はわかりにくい。自分は、1日の終わりに「ハイライト」と「ローライト」を振り返っていた。しかし、振り返ってると疲れることに気づいた。
「勝ち負け」というフィードバックはわかりやすい。

ー森内棋士
将棋は時間制限により集中力高まる。

ー石川さん
学術界は、何年かで成果を上げないと教授になれない。論文などの「締切」がもたらす効果を自分で作る。その締切は、ひと様に決めてもらったほうがいい、いやだけど。

ー加藤さん
習い事の意味はなんだろう?  上手い、強いはあるのか?

ー森内棋士
締め切りと勝ち負けのフィードバックが大事。将棋には、どの手が良くて、悪くて、の採点あり。また、昔は正しかった手が今はダメとか、その逆もある。対極を振り返る「感想戦」が好き。好奇心を掻き立てられ、自分の世界を深められる。

ー石川さん
毎日の仕事の後に「感想戦」は、しない。上手く強くは普通にしてると思わない。趣味では思わない。そして、仕事はそこそこでいい。

ー森内棋士
バックギャモンは、楽しかったので、努力と思わなかった。調べるのが好きな、マニアだった。どうせやるなら世界一、と思っていた。

ー石川さん
どうせやるなら世界一、の気概が大切。最近、緑茶にハマってる。STAY HOMEでコーヒーを飲み過ぎ、他の飲み物をと思い、お茶に行き着いた。ルーツ好きなので今の針金のようなお茶のルーツを調べてみると、永谷園の永谷さんによる、江戸時代の15年の試行錯誤の結果と知った。茎に葉っぱを巻き付けて、手もみで煎じる策に行き着いた。

それを江戸で売ってくれと、山本山の山本さんに頼んだ。だから、永谷園のお茶漬けには、のりが入っている(笑)。趣味として、15年も人知れずここまで努力できるのがすごい。

そのためには、ライバル設定が必要自分は、何に勝とうとするのか?永谷さんはきっと、抹茶なんて!って思っていたと思う。

ー加藤さん
「覆す力」は大事だと思う。自分は「何に悔しい」と思うのか、を意識する。

ー石川さん
自分は、何に勝とうとしているのか?それは、年齢で変わる気もする

ー森内棋士
間違った手を打つと、トイレに行って顔洗って出直すしかない。そうやって、気分を切り替える。そして、精度が下がる下げ幅を少なくする

ー加藤さん
やらかした後に、また、やらかすことが多い。

ー石川さん
頭に血が上らないようにするのは、無理。

ー石川さん
発想するにはクリエイティブが必要。エモーショナルダイバーシティが大事。ポジティブとネガティブを行き来できる人は、疲れる。ポジティブは視野を広げる。ネガティブは視野を狭める。失敗したら笑う。

ー森内棋士
席を立って笑うことがある。指し手以外でおかしな行動があっても、その場で笑うことがない。感情を抑えている。棋士は、感情を抑える訓練をされている。

ー石川さん
上手くなり、強くなるには、世界一を目指さなきゃダメ。勝ち負けのフィードバックは大事。そして、日々、感想戦。

(この後、石川さんと森内さんと加藤さんで、スポンサーのキリンさんのビールを飲みながら、1時間近く感想戦を行ったそうです)

なんで僕たちに聞くんだろう。(幡野 広志 × 浅生 鴨)

これは本番前のマイクチェックの時点で、(僕の中の)盛り上がりは最高潮に達しました。

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マイクチェックは、このセッションのファシリの方の苗字にひっかけて始まりました。ちなみに、ファシリはcakes編集長の大熊(だいくま)信さん

浅生鴨さんが、ある年齢を超えた関東在住のラジオっこにはおなじみの、あのCMのキャッチを発し始めました…「ダイナミック、ダイクマ〜」。

一緒に登壇される幡野 広志さんも、ダイクマさんも、ポカーン
そこに浅生鴨さん、さらにかぶせます。「CMと言えば…」

幡野さんに「それ、何屋ですか?」と問われるも、浅生さん「わかんない」。でも、何度も「ハンター!」とチェック。

(質疑応答は、すでに他の方がまとめてくださっていた><)

noteが目指す創作の街(加藤 貞顕 × 深津 貴之)


ー加藤貞顕さんとの関わり
初めてお目にかかったのは、とある方のご紹介で、僕がロンドンから2泊4日で帰国した2017年の春。会食の後、日を改めて、道玄坂上にある事務所へお邪魔しました。

当時から、noteの法人版(当時の呼称はnoteプロ)のイメージや、世の中のサイトの基本は全てnoteになればいいとか、検索がなくなりサイトを立ち上げると望みのものがリコメンドされるようになる、などなど、いろんなことを語っておられました。

そうして3年半の月日が過ぎ、今やブログをはじめとするクリエーターの創作の場は「note」に収斂されつつあります。加藤さんからすれば、もっともっと、なのかもしれませんが、かなりお話しされていた世界に近づきつつある気がします。

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そんな加藤さんと、主に技術を担当されている深津さんのnoteに関する話でした。いろいろ書くとヤボな気がするので、印象に残った点をまとめます。

ー加藤さん
かつては、ものを作ることは出版社やテレビ局などの限られた人たちだけのものだった。しかし、インターネットの登場により、それが民主化され、誰にでもできるようになった。表現の民主化により、人がつながるようになった。

そして、インターネットの世界で過ごす時間が長くなったが、リアルのように住所がない。なので、noteで住所を提供したい。家を買うなど、好きな街、おしゃれな街に足るところを目指している。

ー深津さん
noteはエコシステム。ゼロイチより、輪郭がゆるい。目指す街はニューヨーク。北に高級住宅街から、南はウォール街までいろんな要素が詰まっている。そんな街にしたい。

創作を続けるコツは?と問われて)初めてやる人は「初期に超大作作る」と意気込んで、途中で挫折する。なので「超大作を狙わない」。ゲーム作りで言うと、マップとキャラを作りすぎて、挫折する。それより、1週に1個作るなど、コンスタントに作り続けることが大事

打ち上げ

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「半年くらい前から準備してきたこのイベント、いろんなことに配慮しながらなんとかここまでこれました」的なことを加藤さんが話して、乾杯!

僕がびっくりしたのは、これだけたくさんの人がいるのに、加藤さんが乾杯前に「全員いない」と気づいたこと。2人、買い出しに行っていたそう。戻ってきて、今度は頑張っていたスタッフの方にバトンを渡して、改めて乾杯!

限られたスタッフで、これだけ設営して、技術を使いこなして、それでいてすごいやってる感を出さず、自然体でやり切る辺りに、noteの凄さを感じました。

そんな僕は、スタッフの方に会場で一つ褒められました。

拍手と笑い声が、早くて大きかったです。あれは「プロ」だと思いました。

ささやかでもお役に立てて、何よりでした。思わず「よく響く拍手講座」を開催しましたw。「セッションが始まる前に、伺いたかった!」と言われ、確かに!でも、セッション前に拍手する機会がなかったしな…と思ったり。でも、次回からは「拍手・歓声歓迎!」と言われたら、声かけしてみます。

まとめ

ー僕の考えるコンテンツとコミュニティの関係、そして今のnote
コンテキストを共に編むことでできるのがコンテンツ、そのコンテンツ作りにコミットする人が集まるとコミュニティになる、と思っています。その意味で、noteで活躍するクリエーターの皆さんが投じるコンテンツの周りにコミュニティができるように、noteと言う存在をコンテンツに見立てると、その周りにクリエーターや読者といった「街の住人」が集まってきてコミュニティになりつつあるな、と思いました。

ー改めて
加藤さん、深津さん、徳力さん、御登壇者の皆さん、スタッフの皆さん、そして、ご一緒させていただいたサポーターの皆さん、ありがとうございました!引き続き、こうしてnoteを活用することを通じて、御礼できればと思います!

ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!