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時間がないデザイナー志望の学生に送る!ポートフォリオの作り方[作り方編]

こんにちは!G2 Studios 新卒デザイナーのSです。
この記事は【時間がないデザイナー志望の学生に送る、ポートフォリオの作り方_心構え編】の続きです!
まだ前回の記事を読んでない方は、こちらから読んでいただけるとよりわかりやすいかと思います。

ポートフォリオの作り方①載せたい内容の全体構成

ー1.表紙
たくさんあるポートフォリオの中で自分のポートフォリオを手にとってもらうためのきっかけ作りをする役割があります。
・名前
・出身校
・「Portfolio 2018〜2022」などの文言
・表紙用の作品

ー2.自己紹介
自己紹介は、「はじめの挨拶」のようなものと考えて良いです。
そのため入れる位置は、ポートフォリオを開いて一番初めのケースが多いです。
作品を見てもらう前に「あなたが何者なのか」知ってもらいましょう。
・名前
・出身学校など経歴
・顔写真
・生年月日
・資格や使用可能ツール
・趣味や自己PR
顔写真についてですが、履歴書とは違い、自分らしさが伝わる写真を選ぶのが良いと思います。顔を載せることに抵抗があるようであれば、似顔絵のイラストなどを制作して載せるというのも手だと思います。

ー3.作品
・作品
・作品名
・コンセプト
・制作時間・制作時期・使用ツール
制作スピードはデザインを仕事にする上で重要なポイントなので、必ず記載しましょう。
作品の内容についてはこのあと詳しくお話していきます。

ー4.背表紙
・メールアドレス
・電話番号
・外部URLやQRコード
ネット上にデータとして提出する場合には、個人情報の記載には気をつけましょう!

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ーQ.アジェンダ(目次)は入れたほうが良いの?
 A.ポートフォリオの構成によって入れるか入れないかを決める
あくまで「相手に伝わりやすく」が目的なので、やってることがシンプルだったら入れなくても良いです。
イラスト、UI、モデリング、クロッキーやデッサン、プロダクトデザインなど…作品の幅が広いポートフォリオの場合は、目次を読んだだけで「こんなことしているのか!」と興味を持ってもらえるきっかけにもなるので、入れることをおすすめします。

ポートフォリオの作り方②作品は「起承転結」で見せる

ポートフォリオの心臓部分と行っても過言ではない作品。
「どんなイラストをどのような順番で入れれば良いのか」ここに悩む人が一番多いのではないかと思います。私もその一人でした。
自分に合わせたポートフォリオは、自己満足の「作品集」になってしまう。
だからと言って企業ごとにポートフォリオを大きく作り変えるのは、時間も作品も足りない…というのが正直なところだと思います。

そこで私が伝えたいことは、自分の得意を伝えて最後に相手に寄せる工夫をするということです。
「あくまで自分主体、でも相手のこともしっかりキャッチ!」そんな感じのポートフォリオです。

「起承転結」
これが私がポートフォリオ作りで一番気をつけていたことです。
できることや作ったものをただ並べるのではなく、全体のバランスやストーリーを考えて制作しましょう。

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ー起「一番力を入れました」
ここでは自分の好きなものや得意なもの、推したい作品を入れましょう。
背景はキャラクターに比べて描き手が少ないので、私の場合は好きでよく制作していたかっこいいメカや退廃的な背景のイラストを入れ、背景を好んで描けるという強みをアピールしました。
3回連続で同じテイストの作品が続くと「好きなんだな!得意なんだな!」と伝わるという話を聞いたことがありますし、得意なものは積極的にアピールしていきましょう!

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ー承「それの伸ばすためにこんなこともしていました」
ここではパターンやテイストを変えた作品で、作品の幅を魅せます。
私は人物のイラストなどの普段とは少し違った、明るく爽やかなイラストを入れました。
例)
・頭身違いのキャラクター
・塗り方のタッチや絵柄を変えたパターン
・おじいさんやおばあさんなど年齢のバリエーション
・アイテムや武器のイラスト
・モンスターのイラスト

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ー転「得意なことだけでなく、こんなこともできます」
ここではメインのスキルとは少し異なるデザイナーとしてのスキルの幅を魅せましょう。
2D作品、3D作品、アニメーション、UIデザイン、プロダクトデザイン、などデザインと一口に言っても様々なデザインがあり、異なったスキルが必要になる場合があります。
自分の持っているサブ武器をここでアピールしましょう!
私は、他学科の先輩とチームを組んで制作したゲームのキャプチャと、Live2Dの作品を入れました。

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ー結「基礎も怠りません」
ここではデッサンやクロッキーを入れましょう。
実際に基礎的な画力を見ている企業は多いです。
デッサンの入れる位置については一番最後のケースが多いですし、見やすさを優先させて最後に入れるのが良いです。

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ーQ.企業が求めているものを、一番最初に魅せるのが良いのでは…?
 A.企業が求めている<自信がある を優先して良い

確かに見てもらいたい作品を一番初めに入れるべきだと思いますし、相手目線のポートフォリオを作るためには「企業が求めているスキルがわかる作品を初めに入れるのは、とても良いです。
しかしここで注意しなければならないのは、企業の求めるものを意識しすぎて自信が無い作品を冒頭に入れてしまうということです。
実際「企業の求めているものを示す作品=自分の一番の自信作」という人はあまり多くないのではないでしょうか?
冒頭の作品は印象に残りやすいですし、クオリティに自信が無い作品より自信作を見せる方が、相手にとって良い印象に繋がります。
 
私はG2 Studiosのエントリー前、UIデザイナー選考であるのにも関わらず、UIの制作経験が皆無+ツールへの自信もあまり無いという状況でした。
事前に採用担当者の方から「UIデザイナーは、スマホゲーム画面のボタンや、SDのキャラクターを描くことがある」というお話を聞いていたので、スマホゲームのホーム画面デザインを2作品+SDキャラ2作品を制作し、起承転結の「転」に入れました。
特にホーム画面のデザインは、クオリティに自信がなかったので、「1作品目の課題点を活かし、2作品目の制作で改善」「2作品目の課題点を課題先行の制作で改善」とあくまで「成長」を感じてもらうことを目的としてページを作りました。

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ーQ.ファンアートや二次創作は入れて良いの?
 A.入れて良い

私も就活中にこの疑問を持ったことがあり、企業の方に聞いたことがあります。
「ファンアートは是非入れて欲しい。その人が楽しんで描いたであろう作品も見たいからね!」とのことでした。
選考する企業のファンアートを入れれば、面接での話題も広がりそうですし良いですね。
私個人としては、”ファンアートをポートフォリオに入れた理由”が自分の中にあり、それを説明することができれば入れるのが良いかと思います。
しかし企業によっても採用担当者によっても考え方は人それぞれなので、不安であれば一度企業説明会なので質問してしまうのが良いかもしれません。

ポートフォリオの作り方③データ作成の際に気をつけたいこと

ポートフォリオも1つの大きな作品です。
イラストなどの作品だけではなく、ポートフォリオ全体も整える必要があります。

ーレイアウトについて
初めにイラストと文章の配分や位置を、ブロックの配置でフォーマット化してしまうと作りやすいです。
同じレイアウトばかりではなく時には2ページ見開きで使った大胆なレイアウトなど、相手を飽きさせない楽しませる工夫を散りばめましょう。

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ーページ数と作品数について
自分を知らない人に「短時間」で知ってもらうためにアピールしなければならないため、多すぎず少な過ぎずが鉄則です。
ページ数は表紙や自己紹介なども含め、15〜25ページ、多くても30ページ程度が最適だと考えています。
作品数は1ページに1〜2作品、10-20作品程度が一般的です。

ーフォントについて
読みやすいフォントサイズ、行間を心掛けましょう。
デザインされたフリーフォントなども多くありますが、世界観より読みやすさを優先します。

ポートフォリオの作り方④提出の際に気をつけたいこと

ーデータ提出する際
データポートフォリオを提出する際は、特にデータの軽さを意識しましょう。
解像度は控えめに、ファイル形式はPDFなど見る相手のことを考え制作します。
「重い」「見にくい」はそれだけで、相手の興味を削いでしまいます。
データ圧縮の仕方は美大芸大就活ナビの記事を参考にするのが良いと思います。
【ポートフォリオの仕上げ】illustratorでPDFを軽くする方法

ー紙提出する際
紙提出となると悩むのが、製本やファイリングかだと思います。
希望する企業がIT系やゲーム業界の場合、ページの差し替えが効率的にしやすいファイルをおすすめします。
20ページ程度入れることを想定して、10ページほどのファイルを選ぶのが良いと思います。
提出したポートフォリオが必ずしも返却されるとは限らないので、手頃な値段のものを選ぶのが良いでしょう。
私はこの「ヒクタス」というポケットの数を調節できるファイルを愛用していました!
【キングジム】 クリアファイル ヒクタス商品情報
一方広告系やパッケージ・グラフィックデザイン系の場合は、製本が多いです。

印刷についても、自分で印刷するのか業者に頼むのか迷うことがあると思います。
主に異なるのがクオリティ、時間や労力だと思うので、自分にあったコストのものを選ぶのが良いと思います。
【kinko’sのお役立ちコラム】卒業制作の作品集・ポートフォリオを印刷・製本する方法3選

おわりに

いかがでしたでしょうか?
「なんとなく」でポートフォリオを作るのではなく、入れる作品・作品の順番・フォント・ファイルでさえ、「なぜ選んだのか」を説明することができれば、ポートフォリオを、面接の際のカンペにすることができるでしょう。
「デザイン1つ1つに理由を持ち、それを相手に魅力として伝えることができる」ということは、デザイナーになる上でとても大事なことなので、ぜひチャレンジしてみてください。
みなさんのポートフォリオ作りに、少しでも役立てていただけると幸いです。
読んでくださった皆様、ありがとうございました!


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